2012年12月19日

リスクの時間




時間管理において、予測時間の見積りは非常に重要なものです。
1日の時間はどうやったって24時間しかないし、生きるのに必要な食事、睡眠などを除けば12〜16時間がいいとこでしょう。ここに20時間もかかるようなタスクを詰め込んでも、できるわけがないんです。

さて、このタスクをやるにはどのくらいの時間が必要だろうか?

それは自分の今のスケジュールの中に入れ込んでも、先方の要求する日程に間に合うのかを検討しないと、それを引き受けてもいいものなのかわかりません。

例えば、あるプレゼン資料を作る時間を2時間と見積もったとしましょう。

実際にやってみると、どのくらいの時間でできるでしょうか?

■リスクとハザード

作業には妨害がつきものです。

妨害要素には2つあります。

 ・リスク
 ・ハザード

私の回りの人を見ると、これが区別できていない人が多いような気がします。


ハザードとは、事故など、何らかの被害及ぼすアクシデントです。
一般的に危機管理というとこのハザードを対象に、そのハザードが発生した時に、いかに被害を抑えるか、いかに迅速にリカバリーするかという点に主眼があります。仕事で言えば、「事務所が火事になった」ですとか、「地震が起きた」などです。

一方リスクとは、「不確実性」のことです。
予定通りものごとが進まないことすべてを言いますので、「ちょうどいい参考資料が見つかって、予定よりも早く資料が描き上げられた」などというプラスの変化もリスクといいます。

当然マイナスのリスクもあって、時間管理の中で言えば、「資料を探すのに時間を取られた」などというものです。つまり、2時間という目標点に対して、1時間50分になったり、2時間10分になったりする振れ幅を引き起こす要因、これをリスクといいます。

例をあげれば

 ・資料を作ろうとした時に、そのもとになるメールが見つからなかった
 ・依頼者の意図を聞き違えて、資料の手直しが必要になった
 ・作業開始のちょっと前に上司に怒られて気分が滅入って手につかなかった
 ・資料を作ろうとした時に、同僚と会話をしていて、「以前に似たような資料を作ったことがある」ことがわかり、それを手直しするだけで済んだ

などというものです。

これらのリスクが顕在化した時に、タスクの時間が変化していきます。

あくまでも不確実性なので、潜在したまま影響が出ない場合もありますし、大幅に計画を変更せざるを得ない場合も出てきます。

■リスクを見積もる

ではそのリスクがどのくらいの時間の誤差として現れるでしょうか。

これは一概には言えないのですが、私の場合30%くらいが誤差値です。つまり2時間と見積もると1時間ちょっとで済む場合もあれば、2時間30分を超える場合もあるが、大体その範囲に収まっているといえます。

もちろん、作業量の見積り自体が外れている場合もありますが、サラリーマンを10年もやっていれば、かなり正確になってきます。まるでやったことのない仕事というのも少ないですから、これは経験を積んでいくしかないですが、リスクは経験プラス論理的な思考というものが必要になってきます。

リスクは、一般には

 遭遇確率×発生確率×影響度

で評価しますが、あまり難しいことはかんがえずに、実績から評価するのが一番単純です。

モノの本によると統計的には、40%増しというのが一般サラリーマンに言えることのようですが(ビジネススキルイノベーションより)、その人の職位や業務によって違いがあるので、やっぱり実測したほうがいいと思います。

■実績を記録する

あるタスクを開始した時に、タイマをセットしておき実際に掛かった時間を測定します。

タイマが目の前で動いていると、気分的にはかなり集中して作業をすることになりますが、様々なリスクは発生します。リスクが発生するたびに、その時間を記録していくわけです。

なるべくここは正確を期したいですので、何かのツールを使うのがいいと思います。

時々見かけるのが

   Toggl
   https://www.toggl.com/

というツールですが、私は使ったことがありません。
私の場合、なにかトリガがないと作業を忘れることが多いので、タスクを切り替えるごとに、別のアプリをたちあげて、それに記録する、という作業をやらずに次の作業をしてしまい、結局信用ならない、という事が多いためです。

そこで、なんとか自動的に作業内容を記録できる方法はないものかと考えた末、UWSCというフリーソフトを使って、5秒毎に開いているソフトのタイトルを記録するようにしました。

  UWSC
  http://www.uwsc.info/

ちょっと省略して書くと、ポイントはこんなふうです。

★――――――――――――――――――――――――――
ACTIVE=""
WHILE 1
WEND
――――――――――――――――――――――――――★

こうしておくと操作対象のアプリを切り替えるたびに、その時刻とアクティブなウインドウタイトルをログに残してくれます。

例えばこのテキストを書いている時に、ふと思い出してメールを見たりすると「5分くらいメールを見ていたよ」と記録に残るわけです。

■結果を集計する

で、実際にその結果を集計すると、あるタスクをやっている時間とその間にやったリスクが出てきます。例えば、パワポの資料を作っている時に、パワポ以外のファイルを開いていたら、それが記録に残って、あとでリスクとして集計するわけです。

こうしてリスクの時間と実動作時間の比率を取ると、6〜7割くらいの確率で±30%の時間に収まっているというのがわかるわけです。

■次に活かす

で、これを測定しただけでは意味が無いので、実際に活かすには

 1.3倍の時間で見積もる

ことができれば、計画は予定通り進むようになります。

単純に言ってしまえば、1日8時間働くとしたら、予定業務は

  8÷1.3=6.15

で6時間ちょっと以上仕事を入れないようにすることが必要なわけです。
そうすると定時に帰れるようになります。

もし早くできた場合は、とっとと帰るか、スケジュールに入れていないような半端仕事を片付けてしまえば、着実にタスクリストは減っていきます。

■もしよろしければ

上記のプログラムは実はもうちょっと複雑に作ってあります。
PCを操作しなかった時間を記録したり、アプリごとにまとめて集計したりしてますが、このあたりはちょっと省略。もしよろしければ別途管理人にご連絡をいただければサンプルとして差し上げます。
あくまでも私の都合のいいように作ってあるので、あなたの環境に即適合するということはないと思いますが…。

■参考図書

SLEEP(5)
ifb ACTIVE <> STATUS(GETID(GET_ACTIVE_WIN),ST_TITLE) then
ACTIVE = STATUS(GETID(GET_ACTIVE_WIN),ST_TITLE)
print ACTIVE
endif

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posted by 管理人 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ハック:時間術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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