2013年08月26日

リーダーズ・インスペクション




リーダーズ・インスペクション」ってご存知でしょうか?

これは、リーダーになる人とメンバーを結びつける方法のひとつです。
おおよそ3〜4時間くらいかかりますが、やってみると結構その後の活動がスムーズになります。

本日は、リーダーズ・インスペクションの手法について簡単に説明します。




■全体の流れ


最初に全体の流れを説明します。

場所は研修所のように一定時間(半日程度)、全員が集合できる場所がいいです。
必要な人は、ファシリテーター、リーダー、メンバー。

ファシリテーター必ず必要です。プロジェクトの第3者で、ファシリテーション能力のある人でそのプロジェクトの担当とは直接関係ない人でも構いません。外部コンサルを使うのがベストですが、社内で直接利害関係がない人でも構いません。

 1.プロジェクトのオーナーとリーダーの話し合い
 2.リーダーの自己紹介・施政方針演説
 3.リーダーは退席して
   ・リーダーについて知っていること
   ・リーダーについて知りたいこと
   ・リーダーに知っておいてほしいこと
   ・プロジェクトの目標に対して、自分(メンバー)ができること
   をあげます。
 4.全員退室、リーダー入室してファシリテーターが3の議論の様子を説明
 5.全員入室して、3の質問や要望にリーダーが回答する
 5.懇親会をする

こんな流れ。




■1.プロジェクトのオーナーとリーダーの話し合い


最初にファシリテーターとリーダー、リーダーの上司で、このプロジェクトにおけるリーダの役割とプロジェクトの成果目標について話し合っておきます。その上で、リーダーが何をしようと思っているのかについて、リーダーの上司を含めそのプロジェクトのオーナーと話し合いをしておきます。

ここで合意された内容にもとづいて、リーダーはこのプロジェクトをすすめる上でどのようなことをするのかを簡単なプレゼン資料にまとめます。

ここで重要なのは、プロジェクトのオーナー(多くの場合リーダーの上司でしょう)とリーダーが目標についてきちんと合意しておくこと。リーダーが何かしようとして、プロジェクトのオーナーがそれを否定してしまったら、メンバーはもうリーダーを信用しなくなります。

■2.リーダーの自己紹介・施政方針演説


いよいよ本番。

最初に15〜30分くらいの時間をとって、リーダーがメンバー全員に対して、プロジェクトの計画、ゴール(目標とする成果物)、それを達成するための作戦(方針)などを説明します。できたらリーダーの自己紹介もするといいでしょう。
自己紹介といっても同じ部署内であれば、お互いがよく知っているのなら、最近私事で起きた身近な事件とか、家庭のほんのちょっとしたことなど、リーダーの「人となり」がわかるような事柄を発表してもらいます。これは、メンバーとリーダーの距離を縮めるのに役立ちます。

■2.リーダーは退席して、メンバーで話し合い


で、このあとリーダーは退席します。
ファシリテーターは、なるべく座談会程度の軽いノリで話を進めていきます。

◆最初は、リーダーについて知っていること。


これは、「結構物忘れが多い」とか「わがまま」とかなんでも構いません。多少極端な言い方も許しちゃいます。とにかく、冗談を交えながら話を進めます。
どうしても、悪口になる場合があるので、重い雰囲気にすると話が前に進まなくなっちゃいます。

ファシリテーターは、メンバーからのコメントを要約して、付箋に書き出し、これを壁に貼っていきます。メンバーに書いてもらうと筆跡で誰の発言かわかってしまうので、必ずファシリテーターが書き出します。

ただし、いいこと、悪いことがバランスよく出るようにファシリテーターがコントロールしていかないと、リーダーをへこませるだけになってしまいますので注意してください。

◆次の質問は、「リーダーについて知りたいこと」。


例えば、前の質問「リーダーについて知っていること」で、「夜中にメールをしてくる」とかあったら、「いつ寝てますか?」とか、「何をすると機嫌が良くなりますか?」とか。

ファシリテーターは、リーダーとメンバーの関係を構築する上で、リーダーに対する親密度を上げてあげることを意識して、話を引き出していきます。

経験的に言うと、信頼関係がうまく行ってないメンバーとリーダーだと、この質問をした時に、「し〜ん」となってしまいます。そういった時には、前に出した「知っていること」をより深堀りするような質問を仕向けていくのがポイント。

◆次の質問は「リーダーに知っておいてほしいこと」


これは特に、リーダーが今までメンバーとの関係が深くなかった場合に有効です。
「自分は、夕食を家に食べに帰りたいので、定時上がりにさせてほしい」など、メンバーの都合でもなんでも構いません。

これも答えが出にくい質問ですので、ファシリテーターの実力の見せ所です。
呼び水となる答えを幾つか用意しておいたほうがいいでしょう。たとえば、「褒めるときは大声で全員の前で褒めてほしい」とか、「定例会での発言はなるべく少なくしてほしい」とか。

◆最後の質問が「メンバーができること」


大体この質問に辿り着くまでに1時間は余裕で経過しているでしょう。
それまでは、割合今回のプロジェクトに関係しない話題で、ちょっとした飲み会でする評論会っぽい雰囲気進んできたと思いますが、ここからはプロジェクトが現実のものとして捉えなくてはいけませんので、ちょっと現実的な話になっていきます。

ただ、メンバーはリーダーの悪口もだいぶん言ってきているので、「ちょっとリーダーは大変そうだな」とか、リーダーに同情的な気持ちもいだけていると思います。
それを利用して、「じゃぁ、皆さんがリーダーを助けてあげられるとしたら、何ができるでしょう?」という水の向け方をします。
今までの質問は、この「メンバーのプロジェクトへの積極的な参加(リーダーの指示に対する貢献)」を促すために、リーダーをネタにしてメンバーのガス抜きをしていたんですね。

これも経験的なものですが、ちょっとだけ「何かしてあげようかな?」と思えるようになるので、少し水を向ければ、すんなり出てきます。ただ、最初に発現する人があまり大きなことを言うと(例えば、「自分は、このプロジェクトのキーの社外交渉を一手に引き受けます」とか)、他の人が発言しにくくなるので、なるべく小さなことから引き出していくといいでしょう。
たとえば、「プロジェクトの活動記録をつけます」「毎日進捗を報告します」とか、なるべく軽いものから出して、「あ、その程度の話でいいのか」と思ってもらえれば、話が進めやすくなります。


■3.全員退室、リーダー入室してファシリテーターが2の議論の様子を説明


これで一旦全員退出します。
その後リーダーとファシリテーターで、書きだされた内容について、話し合いをします。

リーダーとしては、良くて「さらし者」、悪く思えば、「直接批判」をあびているように感じるでしょうから、内心面白くはないはずです。それでも、プロジェクトをすすめる上ではすごく役に立つことなので納得をしてもらって、勇気を持って自分のリーダーシップがどこまで通用しているのか、みんなにどのように受け止められているのかということに、真摯に向き合ってもらってください。

絶対、効果があります。
直接面と向かってはいえないようなことも出てきます。人事評価ではありませんので、リーダーの上司を交えないほうがいいです。

ここでもファシリテーターは活躍しなくてはいけません。
悪口が書かれていれば、人間、感情的になります。それを、理性で理解して、自分の行動を改善するように考えを仕向けて行かないといけません。多くはありませんが、悪意を持ってリーダーを批判する人も居ます。こういった意見が書きだされていると、リーダーは相当ヘコみます。これはファシリテーターが「ちょっと言いすぎですね」「偏ってますね」とかフォローをしながら、すべての意見に目を通す必要があります。

■4.全員入室して、2の質問や要望にリーダーが回答する


さて、最後にここで出た質問や要望にリーダーは回答をしていきます。

リーダーは全員の前で、質問の付箋にひとつづつ丁寧に答えていきます。

もし厳しい質問や意見があっても「いや、きっついなぁ(^^)」みたいになるべくうまくかわしながら、リーダーは話を受け止めて、自分の行動をどのように変えるのかを説明していきます。


■5.懇親会をする


はい。お疲れ様でした。

このあと、みんなで懇親会でもしてください。
これをやると結構、みんなドキドキします。ちょっと息抜きをしておくと、プロジェクトがうまく回せるようになります。

物の本によると、こういったことを年に1度くらいやったほうがいいそうですが、リーダーにとってはめちゃめちゃキツイ1日です。その日は、ちょっと気の小さいリーダーなら寝れなくなるかも。
それでもリーダーとして全員を引っ張っていくためには、それがすごく糧になります。
なかなか、リーダーになると人から批判されることが少なくなります。そういった時にこういう経験はすごく勉強になります。




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