2019年10月21日

面接で「年上の部下・担当者への接し方」を聞かれたら2





昇進面接などで、私がする鉄板質問。

 「あなたのチームの部下やメンバーの年齢構成を教えて下さい」
 「年上の方にたいして指揮命令をするときにどんなことに注意していますか?」

こちらの質問の意図は、被面接者の「リーダーとしての力量」が知りたいのですが、

 「丁寧語や敬語を使って話ます」
 「年上としてのプライドを傷つけないようにします」

という答えでは20点くらいかな。
答えて欲しいのは、「彼ら(年上の部下)に行動を起こさせるための原則を掴んでいるのか、という点。

私がいろいろな人を部下に持って、その管理を指摘た経験から得たのが、以下の「人を動かす4原則」。




★――人を動かす4原則――――――――――――――
 1.業績評価者の合意
 2.業務目標との整合
 3.直接関係者の合意
 4.ビジョンに対する納得、明確なゴールイメージ
――――――――――――――――――――――――――★


優先順位はこの順番。

昨日は、なぜこの順番か(なぜ一般的なビジネス書やセミナーで言われるビジョンやゴールがもっとも低いのか)を簡単に書きましたので、本日は、それぞれの項目の意味や撮るべき行動を説明したいと思います。




■1.業績評価者の合意


一番大事なのは、年下の部下に対して、指揮命令者が何を言っているかです。
貴方自身がその人の上司であれば、当然、命令として出すことができますが、それをあなたの上司(つまり部下にとっては2段上の上司)が、どのように了解しているのかが大事です。例えばあなたが課長だとして、その上が部長だとすると、

 「部長と合意した結果、××をする。だからあなたには○○を担当してもらう」

ということを言えば、おそらく最も強力な命令になります。

理由は簡単で、あなたが上司である期間は、そんなに長くない可能性があることと、上司の上司の意見で、上司の意見はひっくり返るというのをベテランはよく知っているからです。

大体上司は短ければ数年、長くても10年以上同じ上司に仕えるということはありません。
ただ、役職が上になるほど、移動が少なくなるので、上司の上司は10年後も上司である確率が高いと思うんですね。

もうひとつは、上司もサラリーマンですので、上司の上司が別の発言をすれば、突然意見が変わることを知っているからです。

だから、上司や同じ部門の上司(隣の課の課長など)、最終的にはその部門長と調整した結果の業務指示であれば、命令としてはほぼ、やらないという選択肢はなくなります。

だらだらやって、状況が変わるのを待つということはできなくなるんです。

■2.業務目標との整合


これは簡単ですね。

もともと今期の目標を達成するために必要なことであれば、やらないと今期の目標が達成できずに、評価ダウンになるので、これにも強制力があります。

■3.直接関係者の合意


これは、実際にやらせたい年下の部下の横の関係を抑えてしまうことです。
文章で書くと難しいのですが、

  あなた ― 実際にやる部下
  あなた ― 部下と一緒にやる他の部門の関係者
  あなた ― 部下と一緒にやる他の部門の関係者の上司

何かをやろうとすると、あなたから見て関係者はこんな3つの関係があります(1で話したレポートラインは除く)。

もし、あなたの部下で実際にやる人が、命令を受けない(何らかの反発をする)可能性がある場合には、まず、実際にやる部下の関係者で合意をして、それをやらざるを得ない状況に追い込んでしまうのです。ちょっと言葉が悪いですが。

もうちょっと言葉をいい言葉にかえると

 「やるべき環境を整えてあげる」

という言い方がいいでしょうか。

部下にとっては、「他の部門との関係者」しかありませんが、あなたには、さらに「その関係者の上司」との関係線があるので、これを最大限活用するわけです。

部下自身も、自分の横のつながりを悪くしたくはないので、他の関係者から、「○○さんがやるんですってね」とブレッシャーを掛けられれば、「オレはやらない」などと逃げられなくなるわけ。どうしても嫌で、「会社を辞めてでもやらない」と思ってなければ。

■4.ビジョンに対する納得、明確なゴールイメージ


これは、大体のビジネス書とかに書いてあるので、べつに私ごときが説明するまでもないですね。

■リーダーシップは1対1の関係ではない


あまりそのように書いてあるビジネス書を見たことがないのですが、上司力というかリーダーシップは、「リーダー」と「実行する人」の1対1の関係ではなく、1対多の関係なのですよ。

面接で、メンバーとの関係を聞きながら、実は、その人が、

  組織マネジメントのちからを発揮するためには、関係マネジメントの力(ちから)が必要

なことにちゃんと気がついたかどうかを聞いてます。

 「命令するときでも、丁寧語で『です』『ます』をつける」

などというしょーもない答えは評価にはなりませんよ。




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