2014年03月14日

面接質問:なぜ課長になりたいですか?



課長への昇進面接で非常に答えにくい質問の1つに

 「なぜ課長になりたいですか?

というものがあります。質問者(面接官)としては、その人が、課長という管理職のポジションに付くにあたり、責任と権限をどのくらい覚悟を持って考えているかを聞きたいのですが、意外とハズレな答えをする人が少なくありません。

同じように、専門職(一般職)から総合職への職種転換などでも聞きます。

 「なぜ職種転換がしたいですか?」
 「なぜ今のポジションではダメなのですか?」



■課長の責任と権限


管理職の登用試験を受けるくらいですから、ある程度の規模のリーダーとしての活動実績はあって当然です。
そうすると、

 「リーダーとしてみんなを引っ張って行きたいです」

というのは、課長(管理職)になりたい理由になってません。別に課長じゃなくても、リーダーとして活動することは出来るわけですから。
こういう人は、「課長とはなにか」が理解できてませんし、その結果課長になった時の責任と権限に伴う覚悟ができてない事が分かります。

かくいう私も、課長昇進時にはそんなこと考えたこともありませんでした。

正直な話でいえば

 「上司が『推薦する』と言ったから」

でした。
でも、当時そんなことを聞いてくる役員の方は皆無でしたし、面接官も面接技術については全く理解していなかったので、いい加減なものでした。

そういう意味で今の人はすごく大変だと思いますよ。理屈も実績も必要で、面接の技術も必要。面接官の面接技術も進化しているので、結構丁々発止のやりとりがあります。「まぁいいんじゃない?」で決められた私の時代とは大違いです。

…と、昔話をしても役に立たないので、課長の責任と権限について考えてみたいと思います。

こういうのには、コンサルタントを本職としている人が書いた本というのが実に役に立ちます。
この記事を書くに当たり、



 

 


などを参考にしました。
※アマゾンや楽天で調べると関連書籍がいっぱい出てくるので、読んでみてください。「この本が良かったよ」という紹介をしていただければ嬉しいです。




■課長の責任


上記の本やいろいろな本をまとめると、課長は以下のことに対して責任を持たないといけません。

 ・部下の総合的な育成
 ・課のモチベーションとモラールの維持・向上
 ・部下の労務・業務の最適化と人生設計
 ・トップの意思の伝達と課における活動の決定
 ・部門(複数の課の集まり)や会社における全体最適と有形・無形の貢献

「『人生設計』なんて大げさな」なんて思われるかもしれませんが、実際に部下を評価するのですから、その評価結果は、その部下が会社にいる限り残ります。そうすると例えば、Cランク評価を一度でもしてしまえば、その人は永久に「Cランク評価を受けたやつ」という評価を会社からされることになります。それで昇進が頭打ちになって給料も上がりません。給料が上がらなければその人は、「家を買う」ことができなくなるかもしれません。
下手をすれば「上司とうまくいかない」とウツ病になって、出社できなくなるかもしれないんです。

一度でもそういうことになれば、転職してもそのトラウマが残ったり、そのような色眼鏡で見られる危険性もあるわけです。

私は毎年部下の評価時期には、胃痛で寝不足になります(私が小心者なだけかもしれませんが)。

■課長の権限


逆に権限はというと、

 ・部下の評価を通じた業務のコントロール
 ・部門・会社経営への直接的な参画
 ・より大きな業績を出す
 ・自分の意志で業務やプロジェクトを発足できる
 ・経営者への現場視点での意見提出
 ・部門横断的な大きなプロジェクト企画・推進や社内改革

が出来るようになります。

要するに、役職というバックボーンを持って自分の意見を会社という組織の運営や業績に反映できるようになるということです。
責任の裏返しかもしれませんが。

■マルの回答、ペケな回答


これらをベースに、首記の質問「なぜ課長になりたいですか?」について答えを考えてみると、

 ・上司が「なれ」と言った(★私の場合)
 ・給料が増える
 ・名刺に役職を書きたい

は論外としても、

 ・××というプロジェクトにみんなを引っ張って行きたいです
 ・現場の意見を開発にきちんと反映させたいです
 ・生産性を上げていきたいです
 ・業務の受注に責任をもって取り組みたいです
 ・職場の改善をしたいです

みたいな答えでは不十分なことがわかります。

 「それって課長にならないとできないの?」

と突っ込まれます。

もし、今の私があの当時にタイムスリップして、この質問をされたとしたら、

 ・「部門の○○というプロセス」を△△のような革新をしたい
 ・××技術(業務遂行技術)の導入をして、最終的には全社に展開したい
 ・「部門の業績評価プロセス」を●●に変えることで、「お客さまにとっての我が社のブランド」を高めていきたい
 ・「部下の業務効率」を○○の教育と実践を通じて革新していきたい

みたいな答えを「具体的に・組み合わせて」答えると思います。
「具体的に」というのは、それを聞いた人が、「それならやれるかも」と思えるレベルまで話を具体化することです。コンサルタントが本に書くようなレベルではダメです。
「組み合わせて」というのは、それぞれ回答の視点が違うので、「全方位でやるべきことがわかっているよ」と訴えることです。

さて、あなたならどう答えるでしょうか?

■管理職に期待されること


最後に、課長・部長などの管理職に期待されることについて、普段会社で感じていることや、関連書籍を読んで得たことなどについて書いておきたいと思います。

基本的には管理職に期待されていることというのは、

 ・社長・役員の意思を部下に伝達し、その意思に基づいた成果を上げること
 ・上位組織を含む組織のプロセスを「改革」して、過去以上の効率化と成果を出すこと
 ・高い成果を出せる部下を育成すること

の3点だと思います。

私が特に重要だと思っているのは、2番めに書いた「改革」です。「改善」ではありません。5%,10%の成果の積み上げではなく、50%、100%以上の大きなステップアップをすることです(過去踏襲型の会社ではそのような要求はされないと思いますが…)。

それに沿った答えを出せば、面接ではかなり良い評価を受けられると思います。
それでは、頑張ってください。

■参考図書


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そうか、君は課長になったのか。 (ポケット・シリーズ)



あたりまえだけどなかなかできない 課長のルール (アスカビジネス)

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