2017年08月10日

矛盾す複数の問題を一気に解決する「インクルージョン思考」

表題の「インクルージョン思考」というのは、問題がいくつもあって、それらの問題を一気に解決してしまうような、「おぉ、その手があったか!」というアイディアを出すための考え方。

ドラマやアニメなどを見ていると、最初の方で色々な問題が次々と発生して、主人公がにっちもさっちもいかない状態に追い込まれることがあります。それを後半に、ある一つのことをやることで一気に解決して大団円、というストーリがよくあります。あのアイディアはどうやって思いついているのでしょうか?


もちろん、作者の予定調和という話もあるのですが…

■問題はひとつではない


多くのサラリーマンは多くの問題に囲まれています。それをひとつづつ解決しながら、会社に利益をもたらせていくのが、まあ仕事って言えばそのとおりなのですが、それが同時に噴出すると、「おれにどうしいろっちゅ〜んじゃ!」と怒鳴りたくなることがあります。

たいていの場合、怒鳴ろうが喚こうが問題が解決してくれるわけではないので、結局地道にひとつづつ頑張るしかないのですが、あるとき、「これをやれば結構ほかのも改善するんじゃない?」というアイディアがひらめくことがあります。

いままでは、こういうアイディアにはあまり明確に名前をつけていなかったのですが、本書をよんでから「インクルーシブアイディア」という名前が付きました。名前をつけるというのは、それをちゃんと認識できるようになるということですので、結構重要なことだと考えてます。

まあ、実際の応用例としてあまりよい紹介はできないのですが、最近ちょくちょく思い出しては読み返しています。


■ルービックキューブの問題


本書で、例としてわかりやすいものが、「ルービックキューブ」。

ちょっと古いので、「なんじゃそりゃ」のかたも見えるかもしれません

 ルービックキューブ

をみてもらうとわかります。3×3の四角が1面についた立方体のおもちゃなのですが、Wikipedia での説明を引用しておきます。

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各面は3×3=9個の色の付いた正方形で構成されているが、立方体全体を見ると、頂点にあるコーナーキューブ8個、辺にあるエッジキューブ12個、各面の中央にあるセンターキューブ6個で構成されているのがわかる。

これらのキューブを、各列(行)ごとに自由に回転させることができる。回転に伴い、コーナーキューブやエッジキューブ(サブキューブとも言う)は場所が移動するが、センターキューブは回転するだけで移動しない所がポイントである。後に出た上位版のルービックリベンジでは各面が4×4に分割されておりセンターキューブ自体も他の面に移動できてしまうため格段に難しい。オフィシャルのバリエーションでは他に、各面が5×5に分割されているプロフェッサーキューブや、2×2に分割されているポケットキューブがある。センターキューブに絵や文字が入り、向きや並び(リベンジ以上の場合)を揃える必要があるものもある。なお、センターキューブ、エッジキューブ、コーナーキューブはそれぞれ1面体、2面体、3面体と呼ばれることもある。

遊び方は、キューブを回して色をバラバラに崩し、それを再度揃えるだけというシンプルなもの。シンプルなだけに最初は誰でもすぐに完成すると思いがちだが、一旦揃えた場所を崩さずに他の場所を揃える方法に気付かないといつまで経っても完成しない

引用元:Wikipedia
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ポイントは、最後のところ。一旦揃えた場所を崩さずに他の場所を揃える方法がポイント。要は、複数の問題を同時に解決できないとルービックキューブは完成しないんです。

ちなみに私は、1回だけ偶然で完成したことがあります。それいがいはさっぱり。

■インクルージョン体質


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一度インクルーシプなアイデアがひらめく体験をすると、コツのようなものをつかむのか、あるいは経験を重ねるたびに、脳のなかのアイデア回路のようなシナプスが次第にきたえられていくのか、徐々にあなたは「ひらめき体質」となっていきます。

そうなればアイデアに苦しんでいたころとは、いろいろなことが変わるはずです。

たとえば、遅れて出席した会議。ほかの出席者が「そっちを立てれば、こっちが立たない」といった議論を繰り返しているなかで、「それって、こうしたらいいんじゃない?」という、たったひと言で、一気に全員を納得させることもできます。

(著) 『インクルージョン思考
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で、本書にあった幾つかの事例をご紹介。

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●ドンキーコング
当時、任天堂は、ヒットするアーケードゲームが、なかなか開発できないでいました。そんなとき宮本さんは、社長だった山内博さんから、きわめてざっくり「もっと売れるゲームをつくってくれ」と命じられました。

そこで考えたのが、やがてマリオと呼ばれる髭を蓄えたオーバーオール姿のキャラクターが、落ちてくる樽を避けながら、アミダくじのような梯子を登っていくゲームです。

それこそが、のちにファミコンソフトでも大ヒットすることになる『ドンキーコング』の原形でした。

ただ、開発当初のゲームは、あまりにも難しくて、誰にもクリアできないものでした。しかも、ただひたすら転がってくる樽を避けながら、我慢に我慢を重ね、梯子を登っていく、苦行のようなゲームになってしまったそうです。

でも、テレビゲームの草創期である当時の技術には限界があり、それ以上は工夫のしようなない……。

そんなとき、事態を打開するため、宮本さんが考えたのがゲームキャラクターに”ジャンプさせる”アイデアでした。
 :
 :(中略)
 :
たったひとつの「ジャンプ」というアイデアが、いろいろな問題を解決しただけでなく、さまざま付加価値もゲームに与えました。それが「ドンキーコング」を大ヒットに導いたのです。

(著) 『インクルージョン思考
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●インクルージョン思考の4つのステップ
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・高次の目的を決めて旅立つ
・目的に従って材料を集める
・異なる分野の材料をつなげる
・手放して「ひらめき」とともに帰ってくる

(著) 『インクルージョン思考
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●7つの習慣
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習慣1:好奇心を持ち続けてストックを増やす
習慣2:必ず「日付の入った」メモを取ろう
習慣3:インプット雑食系を心がける
習慣4:デスク周りは「綺麗に」散らかそう
習慣5:ぼーとする時間を「意識的に」つくる
習慣6:毎日、誰かに笑顔にしよう!
習慣7:自らを世界の一部だと考える

(著) 『インクルージョン思考
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●アイディアを出し続ける
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じつは宮崎監督にも、不遇の時代がありました。劇場映画監督デビュー作となった『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)でメガホンを取って以来、企画がほとんど採用してもらえなくなったのです。

この映画は、アニメ『ルパン三世』の劇場版の第2作で、のちに多くの人の支持を得て、高い評価を受けることになります。ですが、興行成績がシリーズ第1作を下回ったため、内容の素晴らしさにもかかわらず、商業映画としては「失敗作」の烙印を押されてしまったのです。

その影響で、宮崎監督が手がけるはずだった3つの企画が見送られることになりました。なんと、それが『となりのトトロ』『もののけ姫』『天空の城ラピュタ』の3本だったのです。

では、そんな不遇の時代を、どのように乗り切ったのか?
 :
 :(中略)
 :
不遇の時代、宮崎監督はどんな小さい仕事でも、楽しみながらアイデアを出し続けていました。

その努力は、5年後に実ります。1984年、映画監督としては2作目となる『風の谷のナウシカ』の大ヒットにつながったのです。

(著) 『インクルージョン思考
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●言い訳を考えない
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「できると思っても、できないと思っても、どちらも正しい」これはアメリカの自動車王ヘンリー・フォードの名言ですが、まさにそのとおりです。

できると思っている人だけに、アイデアの女神は微笑みます。

できないと考えて「そもそも、こんなに複雑に絡み合った問題に、解決策なんてないよ」などと言い訳を考え始めた瞬間、アイデアの女神は寂しい顔をして去っていきます。

アイデアの女神は間違いなく、あなたのそばにいます。ただ、いまは見えていないだけなのです。

(著) 『インクルージョン思考
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●自らの判断はインたん「留保」する
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判断をいったん留保する考え方は、『U理論』では「留保」と呼ばれ、フッサール現象学では「判断中止」と呼ばれているものです。

ようするに「先入観を持って情報を判断してはいけない」ということです。

この考え方は、人間関係の問題を解決するときや、自分と異なる他人の意見に出合ったときにも有効です。

そういう場面において、「意見の合わないやつ」とか「よくわかっていないやつ」と決めつけるのではなく、いったん留保したうえで「この人は、なぜこういう考えに至ったのか?」を、一歩掘り下げて考えてみましょう。

その経緯や背景を知れば、反発を感じるどころか、むしろ共感を覚えることもあるかもしれません。

(著) 『インクルージョン思考
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■目次


ちょっと長くなっちゃったので、いつもの詳細目次はやめて章立てのみ。

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Chapter 1.アイデアとは、複数の難問を解決するもの
Chapter 2.インクルージョン思考への障害
Chapter 3.ひらめきを生み出す準備と4つの階段
Chapter 4.第1段階 高次の目的を決めて旅立つ
Chapter 5.第2段階 目的に従って材料を集める
Chapter 6.第3段階 異なる分野の材料をつなげる
Chapter 7.第4段階 手放して「ひらめき」とともに帰ってくる
Chapter 8.インクルージョン思考を磨く7つの習慣

(著) 『インクルージョン思考
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■参考図書 『インクルージョン思考


インクルージョン思考とは――
複数の問題を一気に解決する、インクルーシブな(包括的な)アイデアを生むための思考法である。

みなさんも経験があると思いますが、アイデアが求められるケースでは、単一の問題だけを解決すればすむというケースはほとんどないはずです。そもそも、ただひとつの問題を解消するのは、そんなに難しいことではありません。対症療法的な対処で、十分やりすごせるからです。
そうではなく、たったひとつのことで複数の問題を一気に解決してしまう。そんなひらめきこそが、本当の「よいアイデア」であり、この本でいうインクルーシブなアイデアです。

私はテレビ番組の企画や構成、展開のアイデアを考えるのが本業ですが、日々の仕事で、複数の問題を解決しなければならない局面はたびたびやってきます。ビジネスの現場でも、そういうケースがあるはずです。
たとえば、早さを優先すれば正確さが担保できず、正確さを優先させると遅くなってしまう∞より品質を向上させたいが、コスト削減が求められている∞理想はわかっているのだけど、現実とのギャップを解消できない≠ニいうように、トレードオフの問題がつねにつきまとうものです。
まるで、ルービックキューブで赤の面をそろえたあと、青の面をそろえようとしたら、先に揃えていた赤の面がぐちゃぐちゃになってしまうような問題。それらを一気に解決するだけでなく、予期せぬ効果まで生み出してしまう、それがこの本でいう「インクルーシブなアイデア」のチカラです。

たとえば、遅れて出席した会議。ほかの出席者が「そっちを立てれば、こっちが立たない」といった議論を繰り返しているなかで、あなたは「それって、こうしたらいいんじゃない?」という、たったひと言で、一気に全員を納得させることもできます。
会議でアイデア停滞しているときは、たいていの場合、まったくアイデアが浮かんでこないケースではなく、Aの案かBの案かで議論が進まなくなっているケースがほとんどです。
そこで、Aの案もBの案も盛り込んだCの案を、あなたが提出することで、問題が一気に解決した――。
こう想像すると、どうでしょう。ワクワクしてきませんか?
インクルーシブなアイデアは、複雑なものをびっくりするほどシンプルに統合してしまいます。たいていの場合、ひと言で言い表すこともできるのです。
また、誰かの相談に乗るときも、いろんな問題を一気に解決できるアイデアを教えてあげれば、感謝されることになるでしょう。 長年、対立を続けてこじれてしまった人間関係を、きれいに修復するアイデアが浮かぶかもしれませんし、これまでになかったビジネスモデルで起業するためのアイデアが、スーッと降りてくるかもしれません。
この本でいう「インクルーシブなアイデア」とは、何も世界にこれまでなかった画期的なものを発想することでも、大ヒットをつくり出すものでもありません。あくまで「複数の問題を一気に解決してしまうもの」です。
それは、ある一定のルールさえ守れば、誰にでもつくり出すことができるものです。 あなたも、この本でそのノウハウを身につけて、複数の問題を一気に解決してください。私自身がそうであったように、もしかしたらあなたの人生が大きく変わることになるかもしれません。






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posted by 管理人 at 17:56| Comment(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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