まだ、管理職になってない?

では、上昇するためにはどうすればいいか?
条件は2つだけだと思います。
・プラスアルファの結果を出すこと
・目立つこと
結果を出すというのは、与えられた業務をこなした上に、プラスアルファの業務まで手を出してやってしまうことです。
ここで、「誰かの業務を手伝ってやる」とは意識して書きませんでした。手伝ってやっても主体は手伝われた側の人で、手伝ってやった側の成果とは認められません。もちろん、部内の雰囲気をよくしたという功績はあるでしょうけど。
とにかく、上司から言われた業務以上に業務を自分で作ることです。
たとえば、
部門のプロセスを改善する
みんなの進捗管理表の更新を一手に引き受ける
などなど、上司から見てやっていることがわかりやすいプラスアルファ業務をすることです。
そういった部門で、上司が課題に思いそうなことに対して、提案を出して、それを実際に遂行するんです。上司は問題だと思っていながら、みんな実際の業務に忙しいだろうからということで、そういった風土改革やプロセス改革といったものには、なかなか手を出せずにいます。それを引き受けて、
自分にやらせてください
というわけです。
もちろん、
「だれか、これやってくれないか」
と上司が言ったものは、すぐに手を挙げて
「自分にやらせてください」
といえば、上司の心証は格段に良くなります。
ごますりみたい?
そうです。ごますりです。
それが何かいかんですか?
それによって組織の業務効率が上がったり、みんなが面倒がるような仕事が効率化されたら、組織としてハッピーになれるじゃぁないですか。
簡単に言うと管理職になれる人というのは、
管理職の視点を持っている人
です。自分の与えられた仕事だけを頑張っている人は、もちろん相応に評価はされますが、それは現時点の評価であって、未来の評価ではありません。上司が管理職に推薦するのは、その人の未来にかけているということなのです。
で、2番目のポイント
・目立つこと
管理職になったり、職位が上がるためには、上司が推薦しないといけません。
だいたい推薦というのは時期が決まっていて、人事部から「3日以内に推薦リストを出すように」とか突然来ます。で、管理職は急いでリストを作り、人事に提出するわけですが、この時に印象の薄い人は、まず名前が上がりません。

権力を握る人の法則 ジェフリー・フェファー
よく覚えているものを好きになるという単純きわまりない事実は、あなた自身にも当ではまる。評価を得るためには目立つことが必要だが、目立つだけでなく覚えてもらえば、好感度が高まるのである。記憶に残ることイコール選ばれることだと言ってよい。
この本に書いてある通りだと思います(実感)。
上司は自分が好ましく思っていない部下を高く評価はしないです。ましてや、フルネームをすらすら言えないような人を、自分の同僚にしたいとは思わないでしょうね。
この本は、自分が管理職になって、部下をどのように見ているのか(いかに不公平に判断していたか)に気づかされた本です。逆に言えば、ほとんどすべての管理職・上司というのは、自分の好き嫌いで人の能力を判断してます(本人は公正に判断しているつもりでも)。所詮人間ですから。
豊臣秀吉のエピソードで、「草履を温めておきました」ってやつを知ってみえると思います。これが彼の出世街道の第一歩でしたね。そういうもんなんです。
この考え方を実践するか否かは、別に本人の勝手です。
自分の目標や目的が会社の中にない「釣りバカ日誌」のハマちゃんのような人生もありだと思います。あと、独立して一国一城の主になれるような能力のある人も別です。
ただ、人生のピークのほとんどの時間を過ごす社会人生活の中で、会社という組織に寄りかかるしかない凡人が、それでもある程度の地位に行きたいと思うのであれば、やってみて損にはならないと思いますよ。