そんなときの上司の状況の見分け方
誰かに怒った直後
マウスを握りしめているとき
このあたりはねらい目です。
怒った直後というのは、ちょっと気が高ぶっている場合もありますが、実は「しまったぁ〜」と思っていることが多いです。要はその前の人に対して、何か腹に据えかねることがあって、つい怒鳴ってしまった、ということに反省をしているので、その反動で次に来た人には、結構優しくなります。
逆に、普通に接したときで、前の人が割と長時間話し込んでいた時は、話しかけないほうがいいです。
これは、前の人に時間を取られて、何かしようとしていたことが、遅れたりする場合があるので、それで焦っている場合があるためです。
だから、連続して別の人に話しかけられるのを上司は好みません。
2番目の「マウスを握りしめているとき」というのですが、上司だってまともに仕事をしているときと、ぼんやりメールを見たり、Webを眺めたりしているときもあります。
マウスを握りしめているときというのは、この時なのです。
つまり、キーボードに手を置いて、何かを打ち込んでいるときなどというのは、あることに集中して処理をしようとしているので、誰かに話しかけられると作業が中断されて、ちょっと「いらっ」とします。
そうでないときを狙うのです。
おおよそ1分くらい、マウスを握って、動かしているときにはだいたいまともな仕事はしてません。つまり
割り込みOK
です。
ただ、何かの時間に追われている場合もありますので、大事なのは、
時間があるかどうかを確認することと、
エレベータトーク
です。
具体的に言えば
「今、2,3分ほどよろしいでしょうか?」
と【話をする時間を明示】して、相手の反応を見ることです。
「ちょっと後にして」
といわれたらさっさと引き下がります。大概の上司なら、2,3分といわれれば断らないと思いますが。
エレベータトークというのはエレベータに居合わせている30秒程度の間に自分の話(報告事項・アイディア等)を簡潔に伝えることをいいます。
元々は、シリコンバレーの起業家が、投資家に自分のアイデアを売り込むために、エレベータに乗っている短時間でアイデアを伝えたことに由来しているらしいですが、本当のところは分かりません。ただ、シリコンバレーでは何千というビジネスプランが生まれているのですが、それらのプランの中で、投資家が投資を実行するのはほんのわずか。従って、短時間で投資家の気を引けなければ、ビジネスプランは検討してもらえなかったため、短時間でアイデアを伝えられるように、内容を精査して簡潔に話をする工夫が必要なのだそうです。
要するに、15〜30秒程度で、自分の話したいことを明確に述べること。
試しに、自分の業務の進捗状況を報告する文章を話し言葉で書いてみてください。
200〜400文字程度でかければOK。
同じことを、自分が報告・相談に行こうと思っている内容を、まずこのボリュームで書き出してみて、まずそれを上司に話す。で、上司が食いついてきたら、詳細を説明する。
こういうやり方をすると、上司としては、
「あいつの報告は、要点がまとめられていてわかりやすい」
となります。
いちど文字にして書き出すというのがミソです。
頭の中にある文章というのは、じつはあちこちがもやもやしていて、実際に言葉にして出されるまで、意味のある言葉になっていません。さらに、話し言葉というのも、あいまいな表現でも通じてしまうので、
一度文章として書き起こす
と非常に明快な発言になります。
以上をエレベータトークにまとめると
上司に話しかけるときには、上司の心理的状況、仕事の集中具合を見極めて、「今、2,3分よろしいですか?」で始めます。そのうえで、まず要点を手短に(エレベータトーク)説明して、上司の反応によってそのあとをどうするかを判断します。
といった感じでしょうか。