P.F.ドラッガー 経営者の条件 より
未来を築くためにまず初めになすべきことは、明日何をなすかを決めることではなく、明日をつくるために今日何をなすかを決めることである。
ドラッカー名著集1 経営者の条件
何かの格言みたいですね。
まぁ、ドラッガー教の人たちにとっては、神の言葉なのでしょうけど。
でも、これだけでは平凡なサラリーマンは今から何をすればいいか、わかりませんでした。自分の未来を築くためには、
明日の計画を立てるよりも、今やることを決めなさい
ということのようですね。で、何をすればいいかというと以下の3つのことをすれば、この「お言葉」は実現できることになります。
■1.理想の未来を思い描くこと
自分の将来が、どんな状態になっているのかを想像する。その夢の到達点のイメージを作るということです。ありたい自分、自分の組織がなっている状態、現在のプロジェクトが成果を出している状態。これらを想像するわけです。
卑近な例だと、管理職への昇格試験があって、その試験に合格している状態とはどんな状態なのかを思い描けばいいわけです。
きっとTOIECが750点くらいあって、面接で今やっているプロジェクトの成果についてとうとうと語っている姿でしょうか。
そうすると2つ課題が出ましたね。
・TOIEC750点
・プロジェクトが自分がリーダーシップをとって成功すること
この2つのゴールイメージをもう一度分割します。同じように、これはどのような状態でしょうか?
TOIECが750点というのは、現在の自分の能力からして、どの程度勉強したら取れるでしょうか?、あるいはプロジェクトが成功している姿というのは、どんな状態でしょうか?
そうやって、一つずつ分解していきます。
そうすると何をするべきかが、ダーッと出てきます。これがあなたが目指すものに対するタスクリストなわけです。
いろいろな自己啓発系の本を読むと、全部のタスクを上げるように書いてありますが、
無理ですし、必要ありません
全部のタスクは出なくても気にしなくていいです。ちょっとでもその理想の未来にむかって進められるタスクが見つかれば、それでいいです。また、その後のことは、次に考えた時に出てくるでしょう。
自分のステージが上がらないと見えないものもいっぱいありますよ。
■2.一歩目を踏み出すこと
今すぐに1で出した行動を開始します。どれでも構いません。手を付けやすそうなものからやればいいです。上記で出したタスクリストを見直してみて、すぐに手を付けたくないなとか、手を付けにくいなと思えるものは分解不足です。もっと細かいタスクに分解しましょう。
ここでドラッガー先生の格言が生きてきます。
そう、「明日やろう」と思うんではなくて、「今すぐやろう」とすることです。
■3.行動を検証すること
決めたことを実行に移すのはもちろんですが、それを実行した結果として、期待通りに行えなかった(目標に達しなかった)としても、足を止めてはいけません。
うまくいかなかったら、
これからこうしよう
と決めて、そのように実行すればいいのです。
未来へ向かう出発点は、「いま、この瞬間」しかありません。それを保留すると、永久に期待した未来はやってきません。先が見えないからと言って、あるいはうまくいかない可能性があるからと言って、立ち止まっては永久に未来はやってこないということです。
多くの人は意思決定することを避けたがります。とくにそれが自分に対して負荷がかかると考えるときに。ドラッガー先生は「断絶の時代」のなかで、
意思決定を避けることが正しかった試しはない
と述べています。たいていの人が後になって、
あのときに始めていれば…
と後悔し、失った時間の大切さを嘆くことになると書かれています。
(さらに、その公開の対象が時間だけなら、まだ幸福なほうだ、とも言われています)
意思決定によって間違うこともありますし、行動が不十分でうまくいかないことも十分にあります(というより、私はいつもその繰り返しです)。でも、何もしないよりは、何かしたほうが、自分は変わっていくでしょう(失敗するという経験を積むということも含めて)。すなわち、意思決定しないことは、自分自身の機会に対して主導権を失っているということに他ならないです。
さあ、
未来の自分のために、これから何をしますか?
ドラッカー名著集1 経営者の条件