ドラッカー名著集1 経営者の条件
−−−−−P.F.ドラッガー ドラッカー名著集1 経営者の条件より
知識労働者は自らをマネジメントしなければならない。自らの仕事を業績や貢献に結びつけるべく、すなわち成果をあげるべく自らをマネジメントしなければならない。
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知識労働者に対する肉体労働者は、(Manual Worker)こという言葉で表現されています。Manual は「手先の」、あるいは「手を使った」という意味と「マニュアル=手順書」という意味があります。
あまりいい意味ではありませんが、「決められたことを自分で判断せずにそのまま行う」という意味の「マニュアルどおり」という耳慣れた言葉が浮かんできます。マニュアル仕事は、その場で見ていればさぼっているかどうかがわかります。10分で10個の荷物を運べる者が6個しか運ばなければ、監督する者はその場で注意できます。しかし、知識労働者の仕事は、頭をフル回転させているかどうかにかかっているので、そばで見ていてもわかりません。
一日中パソコンの前に座り、定時に帰った人が、その日によい仕事をしたかどうかを他人が判断することはできません。
これが知識労働者の特性です。第三者が管理・監督することはできないのです。結局、知識労働者は、自分で自分を管理・監督するよりほかはありません。組織に貢献しようと心に決め、自らの手でエンジンに火をつけ、スタートを切ることでしか、成果を手にすることはできません。セルフマネジメントだけが、知識労働者をマネジメントする唯一の方法なのです。
では、「マネジメント」とは何をすることか?
日本語にすると、「管理」とかになるのかもしれないですが、あまり適切ではない感じがします。
これもドラッガーの定義によると(組織のマネジメントについてですが)、
第一は,組織に特有の使命,目的を果たすこと。
第二は,仕事を通じて働く人たちを生かすこと。
第三は,社会の問題について貢献すること
とかかれてます。具体的には、ドラッガーは、マネージャを指揮者にたとえてます。すなわち、複数の人の強みを生かし、弱みを消して各演奏者が発する音を統合して生きた音楽を作り出すこと、だそうです。
では個人に当てはめてみると、
・自分の持っているさまざまな能力を、組み合わせて、目的を達成すること
・自分の持っているリソース(時間、能力、モノ)を適切に配分し、最大限の効果が出せるようにすること
・自分に与えられた使命を全うし、他者のアウトプットに貢献すること
・さらに、自分の弱みを認識して、強みを生かす工夫をすること
をマネージメントというのだと思います。
なんか、難しい話になっちゃいましたね。もっと単純に言うと、
・今のタスクをいつやるかを決め、
・そのタスクをはじめたときには、全精力を傾けて集中する
ということになりますかね。
で、最初の話に戻ると、知的労働者は自らをマネジメントしなければならない。すなわち、その人が成果を出すかどうかは、すべてはその人自身にかかっている、ということです。
ドラッカー名著集1 経営者の条件
この本はビジネスマンの必読書ですね。
表題は「経営者の条件」と経営者向けに書いてあるみたいですが、すべての知的労働者に必要なマインドについて書かれてます。このブログでも何度も引用しているように、私の愛読書の一つです。
タイムマネジメントについては、最近いろいろ研究をしてますの
で、また近い機会にご紹介したいと思います。