よく、すぐに答えが出ないときに「考えときます」とか、上司から(自分のことか?)「考えといて」って言われることとか、ありますよね。
考えるとは、何をすることなのでしょうか?
単にしばらく時間をとって、あとで、「できません」ということを言うための時間稼ぎや、その場のがれではないことだけは確かです(そういう風に使うこともありますが)。
※以前、何かの本で読んだことがありますが、日本人は相手の意見を否定することをしないので、拒否するときに、「考えときます」を使うが、国際的な感覚では、「あとは自分の責任です」といって いるに等しいそうです。それから、自分は断るときに「かんがえとく」は使わないようにしてます。
世の中には「考える技術」というものがあります。これがしっかりフレームワークとして身についていると、その人の出す成果がずいぶん変わってきます。
なぜか。
考えるとは、
・その目標を明確にする(書き出して、言葉・数字にする)
・それを達成する手段と実施プロセスを複数個だす
・それぞれについて、長所短所を明確にする
・目標が達成できる最善の手段に必要なコストを出す
・そのコストと得られる成果を比較して、実施すべきかどうかを
判断する、あるいはその計画(スケジュール)を作る
ということです。
さらに、成果とは
・短期の成果
・中期的に得られる成果
・長期的に得られる成果
にわけて検討される必要があります。つまりその成果を得られるために実施したことによる成果(短期の成果)と、その成果が出たことにより、1〜2年後にどんな変化が訪れるか(中期的に得られる成果)、そして5年後のどのような布石になっているか(長期的に得られる成果)、という視点が必要です。
これがしっかりされていれば、きちんと成果がだせますし、もし、考慮不足でうまくいかなかったとしても、どこが悪かったのか(プロセスが悪かったのか、そのために必要なコストの見積もりが甘かったのか)その反省が次に生きるので、次に同じ失敗を繰り返しません。結果が違うのです。
※行き当たりばったりにやって、うまくいかなくても、たいした反省はしないですよね。
GTD(Getting Things Done)で有名なデビット・アレン氏はこれ(短中長期の目標)を、
滑走路のレベル
1万フィートのレベル
3万フィートのレベル
4万フィートのレベル
5万フィートのレベル
それぞれについて、現在の行動を考えなさいと提唱しています(同様のことは、P.F.ドラッガーやS.R.コヴィーなど、多くのビジネス書の著者が書いています)。
「考えといてください」といわれたときに、漠然と「どうしようかな〜」と思うのではなく、いきなり答えに飛びついたりせず、こういったフレームワークに落として、それを実践してみてください。きっと成果につながりますよ。
そういう意味で
考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
バーバラ・ミント 著
ダイヤモンド社
これは名著だとお思います。
いつも図書館で借りてきて、読んで終わりにするのですが、これは現物を購入しました。ちょっと古い本ですが、これは何度も繰り返して読みたい本の1冊です。
「しっかり考えられる」というのが、才能ではなく、やり方を勉強して身に着けられるスキルであることがわかります。
ラベル:考える技術・書く技術 GTD