松竹梅戦略
何の事だかわかりますか?
お寿司でもイタリアンでもかまいませんが、メニューを見たときに以下のような三つの注文表があったとすると、皆さんはどちらを選びますか?
Aコース 3,000円
Bコース 5,000円
Cコース 10,000円
実物を見なければわかりませんよね☆
しかし、心理学を用いると、Bのコースを選ぶ人が多いのです。人間には見栄を張る傾向にあるのでAコースはなかなか頼めません。かといって、Cコースでは高すぎる。
このような心理が働くので、選択肢を三つ提案すれば、真ん中のBコースを選ぶ傾向が強いのです。真ん中のコースを選んだほうが無難ですからね。
ということはお店屋さんは
真ん中の商品の利益率を上げる
と一番儲かるわけです。
Aコースト、Cコースは見せ球であって、利益率はあまり高くないのが一般的です。
この心理学効果を松竹梅戦略というかどうかは定かではありませんが、マーケティング上では、ほぼ常識に近い考え方のようです。
で、サラリーマンの我々としては、どういうことを考えればいいかというと、たとえば、上司に何かの対策を提案するときに、この松竹梅戦略を使うわけです。
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この問題はすぐに対策を始めなければなりません。この問題を対策するためには、3つ方法が考えられます。
案A: 実施することによって、別のより大きな問題が起きる可能性はありますが、
この問題自体は2度と起こらなくなると断言できる方策
案B: 実施することによって、たぶんこの問題は再発しなくなると思われる方策
案C: 実施することによって、問題の発生確率が抑えられるだろう程度の対策
どれにしましょう?
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これは報告時の言い方ですが、内心はこう思っているわけです。
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案A: 対応がすごく面倒くさい。関係部門もいっぱいいるし、やりたくないなぁ
案B: まぁ、楽ではないけど、このくらいはしないといけないか
案C: 対策はすごく楽だけど、たぶん効果はほとんどないな…
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さて、上司はどれを選ぶでしょうか?
自分が報告を受ける側で、大してよく考えずに答えるのであれば、案Bを選びますね。
でも実際によくよく考えてみると
案D: 根本的に対策できるけど、自分だけに非常に負荷のかかる対策
なんてのがあったりするわけです。
でも、人間は考える前に答えを言われてしまうと、そこで思考が停止してしまうことがよくあります。
つまり、誰かの判断を自分の都合のいいように変えてしまおうと思うのであれば、相手を切迫した状態に追い込み、複数の選択肢を示すことです。その複数の選択肢のうち、相手が最も望みが大きくなるように見せた選択肢を示すことで、相手はそれに飛びつくようになります。
相手にフリーハンドの判断を任せてしまうと、往々にして自分の都合の悪い判断をされる場合があります。だから、相手に自分の都合のいい判断をしてもらおうと思うのであれば、
・即座の判断を迫ること
・もっとも自分にとって好ましい選択肢が最もいいものであるように見せること
・選択肢は3つあって、内2つはちょっと極端すぎること
を実行すれば、自分の都合のいいように相手が判断してくれます。
あとは、その相手が賛成してくれたことを盾にとってほかの人を説得すればいいわけです。
ちなみに、首記の松竹梅戦略ですが、ネットショッピングだとAコースが選ばれることが多いそうです。理由は簡単。ミエを張る必要がないから。