会社員は何をもって「優秀」というのか
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社内で「優秀」と言われている人は、協調性や規律、リーダーシップなどの面で他人よりも優れたものを身に付けている。その人との電話や、メールに書かれてある内容からも感じることだ。これは取材先でも、取引先にも言える。「人格者」とまでは言えないかもしれないが、何かが優れていることは間違いない。
ただ漠然と、目の前の仕事をこなすぐらいでは、「優秀」とは言えないのだと思う。そして、周囲の人たちから人格や行動なども一目を置かれる人は、部内でも成績が上がりやすい、いわゆる"おいしい仕事"が与えられる傾向がある。つまり、おのずと業績が上がりやすいのだ。
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過去の記事にも書きましたように、会社(上司)の評価は、業績だけでは決まりません。ここに書いてあるように、業績以外の評価によって、その人の昇進・昇格が決まります。
基本的には、その人の業績の評価は、その年限りのボーナスなどの査定に使われ、昇進・昇格を決める評価は、いわゆる「行動評価」というもので決まります。
■行動評価とは
引用のWebでは、この「行動評価」を
・協調性
・リーダーシップ
などの人格とあいまいに書かれてますが、ちょっとした規模の会社であれば、もっと詳細に評価項目がわかれています。大分類すると
・技術的なスキル
・対人関係のスキル
・リーダーシップのスキル
・顧客志向などの目標感のスキル
・会社の価値観との整合
です。
で、引用した部分の後半にも書かれているように、上司がこの「行動評価」を高く評価すると、勢い『いい仕事』を与えるから、成果も出る。したがって、「業績評価」もいい点になるわけですが、実際には、裏で行動評価の高い人は業績評価が高いという暗黙の了解があるために、
行動評価が高くて業績評価が低い人
をつくると、さらにその上や人事部が、「これどういうこと?」と突っ込んでくるようになっているので、勢い上司としては、この2つを連動させざるを得ないわけです。
■行動評価を高くする
だから、まず、上司が自分の
行動評価を高く評価するように行動する
ことが重要です。
どうすればそれができるかというと、以前に紹介したように、
上司に気に入られること
が最重要。上司に気に入られるためには、
上司の価値観を知ること
が最重要です。
上記にあげた行動評価の大分類に基づいて、それとなく上司の価値観を探ってみるんです。これらのうち上司が最も高く評価するものは何か、どのような行動をとれば上司がそれを評価するのか、ということを上司の発言を耳をそばだてて聞いていれば、ある程度類推できます。
上司に怒られた経験などは非常にいいチャンスです。上司はそれを我慢ならないと判断したということですから。他人を叱っているときも、他人事だと聞き流さずに、上司がどのような点について怒っているのかをしっかり聞き取りましょう。
それが評価されるための近道です。
■上司の傾向と対策ノート
そこで、ノートの見開き1ページを用意してください。
そこに上司が価値観にかかわるような発言をしたときには、その事実を事実の通りに書き留めてください。
注意しないといけないのは、自分価値観のフィルタを通さないこと。上司が「こういうことはしちゃダメだ」といったら、その通りに書くんです。
これを少なくとも10〜20は集めてください。
そこまで集まったら、これを分析します。
まずは上記の大分類に沿って、大きく分類します。3〜10個集まったものは、さらにそれをどういう価値観なのかを短い言葉で表せるようにくくってみます。
そうすると上司の価値観が
・技術力を重視している
・他人と協調(妥協してでも)摩擦を少なくすること
:
にあるのかが見えてきます。
もし見えなかったら、データ不足です。もっと事実を集めましょう。
■行動を変える
このノートを何度も見直して、自分の行動を変えていきます。
気持ちを変える必要はありません。それは自分自身の問題ですから。
でも、行動は変えていきましょう。
裏表を作ってはいけません。すぐにばれますので。
上司は自分の価値観に近いと思えば、高く評価します。
だから上司の価値観に合わせた行動をとれば、高く評価され、結果として、おいしい仕事が回され、成果が出て、結果として昇進・昇格が早まる、というわけです。
まぁ、余り昇進には興味がないという方でも、上司に嫌われれば、会社での居心地が悪くなるのは確かですので、ぜひ上司の価値観を調べて、それに合わせるような行動をとっていただけるのが、サラリーマンとしての幸福の道かな、と思います。