■報連相
「仕事では報連相が大切」なんて言うのがよく言われます。
でも具体的に何を・いつ報告したらいいのかって、わかっていない人が多いような気がします。
原因は「報連相が大切」と言われながら、「なぜ大切なのか」がわかっていないせいではないでしょうか。
■なぜ報連相?
だいたい上司からは「〜までに、『これ』レポートにまとめておいて」なんて要求が来ます。あるいは、年間目標や短期目標を与えられている場合も多いでしょう。
そのときに、普通のサラリーマンであれば、「どういう結果がほしいですか?」なんてことは聞きません。「はい。わかりました」といって仕事に取り掛かります。
これがいけない、というのはよくあるビジネス書。
いけないといわれても、自分もなんとなくわかるような気がするし、根掘り葉掘り上司に聞いていたらうっとおしがられるに決まってます。
ですので、その上司がイメージしているものと自分のイメージしているものが同じかどうか(つまり上司の期待した結果が出せているか)を確認するのが報連相です。
上司は、自分のイメージしたものに近づいており、それが自分の方向とあっていると感じていれば、必ず支援しようとします。
トラブルが起きるまで何も報告せずに、トラぶってから「どうしましょう、助けてください」と泣きつく部下を非常に嫌がります(だって、トラブル対策というのは面倒くさいものですから)。
もしトラぶったとしても、そのトラブルが自分の関与のもとに発生していれば、積極的に支援します。
つまり、自分の業務が楽になり、2度手間を防ぎ、上司のウケをよくするために、報連相が必要なのです。
■いつ報連相
という理由が明らかになれば、タイミングはそれほど難しくありませんね。
・だいたいの構想が出来上がった時
・だいたいの骨組みが出来上がった時
・ほぼ完成に近づいたとき
の3回です。もちろん、それ以外に何か問題が起きて、ちょっと詰まっているなぁ、とおもったらすぐに報告しておきます。
こうすると、まぁ、(普通を含む)普通以上の上司であれば、必要な軌道修正やアドバイスをしてくれます。
もしアドバイスをしてもらえずに、「出来上がってからもってこい」と言われたら、あきらめましょう。あなたは上司運がない。
●だいたいの構想が出来上がった時
報告するのは業務全体の20%くらいの時です。
上司の時間を5分前後もらってください。
資料はノートに報告のイメージを書いたもので十分です。
あるいは何かのプロジェクトであれば、こんな風に進めたいというキーワードを書きだしたもの。
それを3〜5分程度で説明します。説明中上司が何か言いかけたら、黙って聞いてください。もちろん一言一句逃さずメモします。
この一言一句というのが重要。上司の表現の仕方、どういう単語を使ったかを必ず記憶しておきます。この単語をあちこちにばらまいて使うようにします。
自分の言葉に置き換えてはいけません。それだと、上司が受け取る意味が変わってしまって、「あの時、こういっただろう!」と突っ込まれる元です。
たとえば、あるプロジェクトのキックオフ資料を作ろうとしていて、「部門の業務指針がベースであり〜」のような発言を上司がしたとすると、「部門方針に従って」のように意訳してはいけません。
●だいたいの骨組みが出来上がった時
次は骨組みが出来上がった時です。全体の業務から見て50%〜60%の出来、という感じでしょうか。
たとえば、プレゼン資料なら、パワーポイントの必要なページをすべてそろえます。各ページはいいたいことがさらっと書いてあるだけで十分です。ただし、最も重要と思われる2〜3ページは、簡単な絵をかいておきましょう。配色とかは気にせずに。
この時点になると、大体のストーリが見えてきますので、上司との意識のずれが資料によって明確になります。
指摘された言葉尻は、ここでも、しっかりメモしましょう。できれば、その場で直してしまうのがいいです。
●ほぼ完成に近づいたとき
いよいよ最終段階です。
自分としては90%くらいの出来、というところで見せましょう。
プロジェクトであれば、最後の詰めを行う前に。
そこで上司との調整が終われば、あとは出来上がった資料や結果をメールベースで報告するだけでも十分です。
で、それ以降の修正は、基本的にはしません。100%の出来にするのは難しい(非常に時間がかかる)ので、上司に指摘されたところだけやって、完了にしちゃいます。
ただ、プレゼンであれば、全体を何度か表示させてみて、
・色の調整
・スライドの表示タイミングの調整
程度はしますが、そこまでにしておきます。
なぜかというと、この後でイメージが変わってしまうような言葉の変更などをすると、上司ともう一度摺合せをしなければいけなくなるからです。
■上司に支援してもらうために
報連相は自分が自分なりに考えてやっているときには、案外苦痛なものです。それをあえてやるというのは、上司が「自分が関与しながら業務を進めた」と思ってもらうチャンスなんです。
そうしておけば、たとえプロジェクトが失敗に終わっても、「お前のやり方が〜」的に言われることは多くありません(「ない」とは言い切れませんが)。
上司は自分の関与感が高ければ困ったときには積極的に支援してくれます。部下が勝手にやっていると思えば、困り果ててトラブルになるか、ほかの部門から苦情が来るまでは手を出しません。
だって、上司だっていろいろな仕事があって忙しいものなんですから。
■20,50,90の報連相
このように20%、50%、90%くらいで報告をする目安にしていると、業務の手戻りが非常に少なくなります(対上司についてだけですが)。
あ、ただこの数字は私の経験則なので、会社や上司によっては微妙に違うかもしれません。そのあたりは、何度かやってみて調整するしかありませんね。
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