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著名な財界人や政治家、芸術家などが自らの半生を振り返り、成功の体験を語るコーナーだ。このコーナーは非常におもしろい読み物ではあるが、自分のキャリアの参考にしようとしてはいけないと私は思う。大成功者の物語を読んでも、自分にあてはまらないことが多い0 「私の履歴書」の執筆者は、100万人に一人しかいないような大成功者だ。私のような凡人が読んでも、なかなかマネすることができない。
日本有数の大会社の社長になった人やアメリカの大統領などの話が、自分のキャリアにあてはまる人はそうはいないはずだ。自分と同化し、大成功者と同じようなキャリアを歩めると考えてしまうと、道を誤ってしまいかねない。
むしろ私は、ふつうの人の失敗談の方が自分のキャリア形成の上で参考になると思っている。ふつうのサラリーマンが上司や顧客を怒らせてしまった話を聞いた方が、よほどあなたのキャリアには役に立つはずだ。飲み会などで聞くふつうの人の失敗談の方が、本音がわかるので参考になる。ふつうの人の失敗談は、我々に「こんなことをしてはいけない」という身近な教訓を与えてくれるので、自分の行動に直結しやすい。明日からの自分の行動指針の1つにしていくこともできる。
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著名な方が薫陶をよく垂れてくださる本が出ますよね。
ある程度成功者になると、本を書いて更新のために自分が得たことを教えてやりたくなるもののようです。
でも、ここに書いてあるように、「あまり役には立たない」と思ってます。つまり、会社の社長になったり、独立して自分で会社を運営されるようなかたの薫陶は確かにありがたいものではありますが、残念ながら平凡なサラリーマンには役に立ちません。ましてや、「ビジネスマンたる者〜〜〜〜の志を持つべし」なんて言われても、困っちゃいます。
それよりも、その人たちが初期のころに、「こんな工夫をした」とか、「こんな失敗をした」といお話が聞けるのであれば役に立つでしょう。あるいは身近にいる人たちの失敗談を聞いて、それをメタ化して自分の教訓や行動指針にすることのほうが役に立ちます。
全体の1%未満のTOPにいるような人のまねをしても、そのが大勢には役に立ちません。そこからメタ化をすることができれば、役に立つかもしれませんが。
大事なのは自分の身の丈に合ったレベルで、何を学びとるかを探すことでしょう。