
なぜなら、中途採用者はいったん低い級に落とされて、そこから徐々に昇給していくからです。結果として低い級にいる期間が長ければ長いほど給与は低くなる計算です。
■天職なんてない
世の中には
「天職を探しましょう」
的なキャッチコピーで転職をあおる人たちがいます。
理由は簡単。それがもうかるからです。決して転職する人のことを考えて推薦しているわけではありません。
だいたい、
天職なんてありません
そんなものあると思うほうが甘いのです。幸せの青い鳥は、どこにもいません。
どのような仕事であれ、それには「やる意義」はあります。少なくとも悪事でなければ。
■転職する
ただ、どうしても転職しなければならないときもあるのは確かです。
そんな時に、何を用意するべきかというと
職歴ではなく、どのような能力があるか
を自分で見つけておくことです。
何人も転職(中途採用)の面接をしましたが、能力は高そうなのに、そういったアピールをちゃんとしてくれない人が多いです。
面接官としては
過去にどのような成功をしたか
が知りたいわけではなく、
どのような経験をして、そこからどのような見識を得たか
どのような問題にぶつかって、どのような能力を身に着けたか
が知りたいわけです。つまり経験を省察してメタ化しているかを問うています。
それを延々と努力したことを述べられても鼻白むだけです。
面接に臨んでアピールしてほしいことは、
・どういった能力を、どのような場面で発揮したか
・その場面でほかにどのような選択肢を考え、どのようなスキーマを持って、決断したのか
が重要なわけです。
■常に整理しておく
これは転職しないときでもやっておくと非常に効果があります。
単純に言えば昇級試験の時にそれが問われるからです。
昇級試験の面接も私は経験していますが、転職者よりももっと受け答えのレベルが低いですね。つまり、自分の能力をメタ化できていない。
これが管理職への昇級試験だったりすると、この程度では昇級させられないな、と感じてしまいます。
まぁ、ひどい言葉を使えば、
40にもなってこの程度かよ
と思ってしまうわけです。
これは普段の自分の行動に対する省察から生まれます。
これをやっていない人は、質問に答えられません。まぁ、質問するまでもない人も多いですが。

1.過去に経験した問題→解決の道筋を上げる
2.ほかに選択肢があったかを考える
3.なぜその行動をとったか(ほかの選択肢を選ばなかったか)を考える
4.そこからどのような教訓が得られるかを文章化する
を少なくとも1カ月に1度くらいはやっておく必要があります。
自分の過去の業績を振り返ってもいいでしょう。
わたしは、過去の業績をマインドマップにまとめて、そこからの気づきや教訓を書き出しています。
何度も書きなおすので、ほぼ記憶してしまっていますが、こういった事例を2〜3個程度ならすぐにあげられないようなら管理職試験は落ちます(私は落とします)。
サラリーマンである以上、自分の実力があるかどうかは関係なく、人からどう評価されるか、すなわち、人の評価基準で自分を表現することの集中するべきですね。
■天職は勘違い
人間はおおむね慣れたものに愛着を感じるようです。そこが快適空間になるからです。愛着を感じれば次はこうしてみたいとか、もっとうまくやろうとする意思ができてきますし、それをうまくこなす能力も身についてきます。
その思いが強烈になると、人がその仕事を天職だと感じるのではないでしょうか。
だとすると、天職とは単なる慣れの問題で、別にどの職業をやっていても差はないということになるのではないかと考えています。
ただその「うまくこなす能力」をメタ化していないと、職位が上がっていったときの仕事の変化に耐えられません。そうすると、この仕事は自分に合った仕事ではないと感じてしまうのではないでしょうか。
そして、一度捕まえたヒヨコをより大きくしていと青い鳥になると思いますよ。
ラベル:コアコンピタンス
あの人は中途だから〜と言われて、昇進で相当不利です。