頼みごとというのは、日本ではあまりしないようです。
もちろん、業務上やってもらわなければならないことは仕事である以上はちゃんとされていると思いますが、それ以外の個人的頼みごとというのは、よほど親しくないとしないのではないでしょうか。
ところが、頼みごとというのは案外、親しくなるために案外効果があります。
まず、なぜしないかということを分析してみると
・個人的な頼みごとを同僚や上司にするのは言い難い
・断られた時に嫌な気持ちになる
・断られる可能性を本来の確率より高く評価する
という3点に絞られると思います。
第1の問題ですが、頼みごとをする目的は、相手との接触の機会をふやすことですので、距離をとりたい人を除けば積極的に頼みごとをするべきです。
第2の問題は実は大した問題はありません。ダメでもともとと思っていれば、精神的なダメージというのは、殆どありません。ただ、ちょっと恐怖心があるだけなのです。
第3の問題。これが最大の問題なのですが、相手がYESというコストと、Noというコストを比較していないのです。人間は心理的にマイナスのコストを実際より高く評価する傾向があるそうです。そこに判断ミスが有るのです。
■一緒にランチどう?
たとえば、「今日一緒にランチしない?」というもの。
あなたがもし、あまり親しくない人とこう言われたら、断るでしょうか?
こいつは嫌いだと思っているか、前もって別の予定がある以外はおおむね「いいよ」というのではないでしょうか。例えば、部下からこういった誘いを受けたら、多少の予定であれば、何とかして部下と食事に行くほうを選ぶと思います。
同僚で会っても同様。「いやだ」というのにはちょっと勇気がいるのです。相手の頼みを断るのは「良い人であること」という社会の暗黙の規範に反するので、「良い人だと思われたい」という意識が働くのです。
また、頼みごとを引き受ければ、あとからなにかいい見返りがあるとも考えるでしょう。逆に断れば、何らかのしっぺ返しがあるとも考えてしまうかもしれません。
と言うことは、頼みごとはうまくいく(相手に受け入れてもらえる)可能性のが高いのです。
■頼みごとは相手への賞賛
頼みごとというのは、相手にちょっとだけへりくだってするものです。そうすると、相手は頼みごとをしたあなたよりも優位に立った様な気がします。
つまり、頼みごとをされて嫌な気持ちになる人はあまりいないということです。ですので、頼みごとをされた側は、基本的に気分がイイので、あまり断わりません。
頼みごとはしないほうが損なのです。