「無知」と「無能」です。
以下では、いくつかの作業を組み合わせて、何らかの成果を出すものをプロジェクトと呼ぶことにします。この定義は、GTDなどのプロジェクトと同じだと思ってください。
また、プロジェクトの失敗とは、そのプロジェクトが見込通りの成果を出さなかった場合、あるいは予定した時期に完了しなかった場合、または予定以上の工数がかかってしまった場合、などを指します。
■無知
無知とは、それ自身を知らなかったことによるもの。
いくら世の中が発達したとしても、人類が知っていることには限界があります。ましてや一個人が知っている範囲なんてのは、全く狭い範囲です。それ以外の所で、プロジェクト(やろうとしている全てのこと)の結果を左右するような問題が起きた所で、同仕様もありません。
諦めてください
ちゃんと要因を制御して、プロジェクトを成功に導くやり方というのが、ビジネス書やプロジェクトマネージメントのセミナーなどではよく説明されています。
それ自身を否定するわけではありませんが、所詮プロジェクトマネージャになった人が制御できる範囲だけです。制御できるためには、それについて知っていて、それが制御可能でないといけないわけです。
でも、いくらマネージャだからといって無限の知識や制御力を持っているわけではないので、所詮手が届かない範囲というのはあります。
一人でやるプロジェクトも同じです。
簡単に言ってしまえば
できないものはできない
ということ。
■無能
しかしながら、もうひとつの理由「無能」が問題です。
その発生した問題に対して、知っているし、それを問題としてプロジェクトに影響しないようにするだけの技術力も持っている。それでも結果としてプロジェクトが上手く行かないような問題を発生させてしまい、それが制御不能なレベルにまでなってしまって、結果プロジェクトが失敗に終わる。
この問題は深く対策を考えておく必要があります。
最も効果的でもっとも簡単な手段は
チェックリストを作る
ことです。
まず、何かのプロジェクトをはじめるときに、まず、作業に入ってしまうのではなく、何をするべきか、何に注意するべきかを書き出しましょう。
大規模なプロジェクト(工数が1月以上かかる、複数人で作業が必要など)では、かなりのボリュームになるでしょうが、1日2日程度の工数の作業であれば、大した量にはならないかもしれません。
とにかく、
やるべきことをすべて出す
のがプロジェクトをはじめる第一歩です。
このためにはWBSの考え方が非常に役に立ちますが、本稿では扱いきれないので、本をあたってみてください。
次にやるべきことは、
リスクをリストアップする
ことです。
リスクは、プロジェクトを失敗させる要因になるもの、という定義で、上に出した、やるべきことリストを眺めてみてください。
・ここはやり方に注意したほうがいいな
・これは作業時間が読めないな
・これは××さんが抵抗しそうだな
なんでも、思いつくまま。
このやるべきことリストと注意点リストをチェックリストとして使います。
■チェックしていく
このプロジェクトの作業をするときには、書きだしたチェックリストを必ず横においてチェックを入れながら、
よし、これは済んだ
と確認して行ってください。レ記号を付けていきます。
全部チェックが済めば、めでたくプロジェクトは完了しているはずです。
この際に、やるべきことリストの隣に書いてある、そのやるべきことの注意点を読んでから作業をはじめるようにします。
読むだけでいいです
■チェックリストはノートに書く
ちょっと順序が逆になってしまいましたが、チェックリストは、コピー用紙などに書いてはいけません。
ノートに書く
のが大事。
理由は一言で言えば、なくさないから。
■知っていても忘れる
簡単に言ってしまえば、人間というのは知っていることを、
いつも正しく行えるわけではない
です。
だから、全体を見渡して注意力が高くなっている、最初の瞬間に全部書きだしてしまって、あとは個々の作業に集中していくようにすることで、全体を抑えながら、個々の作業ができるようになるわけです。
これが、個々の作業をしながら、次の作業を考えると、今やっている作業に集中力を取られて、次の作業に注意が向かないので、全体における次の作業の成果に抜け漏れが出ちゃうんですね。
これは自分がやってものすごく効果がありました。
ぜひやってみてください。