1分間回復法 (経済界新書)
★−−−−−−−−−−−−−1分間回復法−−−−−−−−
かつて私は極度のあがり症でした。
対処法をいくつも考案し、実践し、試行錯誤しながら克服したのですが、その中の1つに、自分のあがり方を客観視して説明する方法があったのです。
「膝がガクガクしている。おやおや、心臓が速く脈打ち始めた。耳が熱いのは、赤くなっているからだろう」などと説明します。すると、とても冷静になれて、極度のあがり症がスーッと軽くなったのです。驚きました。
しかし、後年、これはブッダ(お釈迦様)が実践した「四念処(しねんじょ)」という眼想法と基本は同じだと知り、納得した次第です。
四念処の四は、身(体)、受(感覚)、心、法(世の中のありさま)です。たとえば身念処なら、「右手がある、右手がある」「右手が上に動く、右手が上に動く」「右手が膝に置かれた、右手が膝に置かれた」というように、自分の体の動きや状態を、いわば自分に実況中継します。これを感覚や心にも応用することで精神を集中し、雑念を払うことができるのです。
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最近いろんな場面で、これが使えることがわかるようになりました。
要するに、自分を第3者的に見て、冷静に解説してみる。
たとえば、何かでめちゃめちゃ腹が立っているときに、
「お、かなり頭にきてるな」
「キーボードをたたくのに相当力が入っている」
「あ、スペースバーをバンバンたたいてるね。」
と自分がやっている行動を説明してみるんです。
文才があれば、小説調に説明できるといいですね。
よく歴史小説などで、歴史家の視点で、その情景を描写している小説がありますよね(私のお気に入りは田中芳樹氏の銀河英雄伝説)。
彼のこの行動が、思わぬ波紋を呼ぶとは、今は知る由もなかった…。
みたいに。
そうすると、感情的になっている自分がばからしくなってきます。
結果、冷静にれちゃうんです。
本書自体は、疲労やストレスをどうやったら軽くできるのか、あるいは、そこからいかに素早く立ち直るかについて書かれた本でしたが、読んでみると、意外に自分の感情をどのようにコントロールするのかについても、しっかりアドバイスがある良書でした。
閑話休題
感情的になっているときに、「冷静になれ」といわれたって、できるものではありません。どうやったら冷静になれるのか、というツールを持っている必要があるわけです。
そのツールとして、
・感情的になった原因を深堀してみる
・感情的になった結果、何が起きるのかを想像してみる
などの方法がよくビジネス世などに書かれていますが、感情的になると、難しいことを考えることができなくなります(それが感情的になっているということなのでしょうけど)。
だから、もっとも簡単なやり方が、私レベルには必要なわけです。
で、自分のしていることを実況中継するというのは、何も考える必要もなくできるので、これをやると、激情が収まります。
仕事をしていれば、新人であろうが管理職であろうが、頭に来ることはありますよ。でも、感情を爆発させてしまえば、多くの場合しこりを残します。極力論理的に対応したほうがいいのは確かです。
もちろん、感情を爆発させたほうが、結果としていい方向に行くということがないとは言いませんが…。
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