エレベータートークとは、もともとシリコンバレーの起業家が投資家に自分のアイディアを売り込むために、エレベーターに一緒に乗っている短時間のうちに自分のアイディアとビジネスプランを説明する事ができるようにと生まれたものらしいです。
簡単に概要を説明すると、30秒ほどの間で完結に、何が今までと違っていて、何がウリなのかを簡潔に伝える技術として有名になりました。
■エレベータートークの練習をする
上司とちょっとすれ違った、上司とちょっと歩く方向が一緒になった、などの時に自分のやっている仕事をアピールできれば、上司の覚えも良くなります。
10年ほど前になりましたが、研修でエレベータートークの練習をさせられたとことがありまして、これが非常に効果がありました。
この時は、10分ほど研修の参加者でいろいろなことについて話し合いをもち、そのグループで話し合ったことを30秒で発表するという練習でした。
やってみると結構難しいものです。
特に自分の業務課題を説明する要な場合に、つい色々と話したくなったりしますが、大体の場合は
何が言いたいの?
というのを上司は押し殺して聞いてるんですよ。
きちんと要点をまとめて、筋道建てて話すのに、その場でいきなり上手くやれる人は殆ど無いと思います。つまり、事前準備が必要なんですよ。
事前に話の要点を「起承転結」でもいいですし、下記のようなやり方でもいいので、ある一定のフレームワークに従って、キーポイントを書き出し、それを文章にして、一人で話してみる。
それから人に話すようにする必要があります。
これは上司に対して報告するときには当然ですが、部下に何かを指示するときにでも必要な作業です。
それを素早くやれるようにするためには、日々の練習が必要なんです。
■エレベータートークのコツ
エレベータートークにはコツがあります。
簡単にいえば
・話したい趣旨
・選択肢と判断のポイント
・結論
これだけです。
例えば、あなたはいま、あるプロジェクトを任されているとしましょう。そのプロジェクトでは、ちょっと問題が持ち上がっています。
顧客からの仕様変更が次々と入ってきて、メンバーのモチベーションは下がるし、顧客は対応が悪いと怒りだしています。
そのうえ、度重なる仕様変更でスケジュールは大幅に遅れ、もはやカットオフ(製品のリリース)は予定より1ヶ月以上遅れそうです。
こんな時上司に30秒ほどでどうやって報告するでしょうか?
「すみません、実は××のプロジェクトなんですが、顧客の○○さんからいろいろな仕様変更を言われてまして、画面の変更やら、機能の追加やら、大変なんです。
で、ちょっとメンバーもかなりイライラしてきていて、生産性もモチベーションもとっても悪い状態なんです。」
なんて話しだしたら30秒では絶対に終わりません。その上、上司はどうして欲しいのかさっぱりわかりませんよね。最後まで頑張って聞く必要があります。
これを
・話したい趣旨
××プロジェクトが1ヶ月くらい遅れる可能性があるので、顧客と交渉をお願いしたい。
・選択肢と判断のポイント
原因は顧客からの度重なる仕様変更。
人員を増やすか計画を変えるかの選択が必要。
いずれにして追加予算は必要。
・結論
顧客との予算交渉をお願いしたい。
とまとめておいて話せば30秒くらいで住みます。
■いきなり話さない
これができるようになるためには、いきなり話をはじめるのではなく、一度文章にまとめて見ることです。
英語ですが、
http://bschool.pepperdine.edu/career/content/elevatorspeech.pdf
といホワイトペーパーがあります。よくまとめられた内容なので、非常に参考になります。
これによると
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1.自分の強みや、自分を表す形容詞、売り文句、興味のあることなどを考える
2.それらの材料をもとに、自分は何者なのか、聞き手にどのような行動をしてほしいかなどをメモに書き出す
3.書いたメモを推敲し、長い表現を短く改めて原稿を完成させる
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をすることと書いてあります。
きちんと推敲してから話をすることが重要なんですね。
ちなみに1分間に話せる文章は大体300文字くらいだそうです。
と言うことは30秒であれば、150文字。
話上手になるためには、まず推敲が必要なんですね。