★−−−−−−−−−−−−−P.Fドラッガー 経営者の条件−
卓越はできないか成果をあげるには人並みの能力があれば十分であ
る。成果をあげるために身につけておくべき習慣的な能力は五つあ
る。
(1) 何に自分の時問がとられているかを知ることである。
(2) 外の世界に対する貢献に焦点を合わせることである。残された
わずかな時間を体系的に管理す仕事ではなく成果に精力を向け
ることである。「期待されている成果は何か」からスタート
することである。
(3) 強みを基盤にすることである。自らの強み、上司、同僚、部下
の強みの上に築くことである。
それぞれの状況十における強みを中心に据えなければならない。
弱みを基盤にしてはならない。
すなわちできないことからスタートしてはならない。
(4) 優れた仕事が際立った成果をあげる領域に力を集中することで
ある。優先順位を決めそれを守るよう自らを強制することである。
最初に行うべきことを行うことである。二番手に回したこと
はまったく行ってはならない。さもなければ何事もなすことは
できない。
(5) 成果をあげるよう意思決定を行うことである。
決定とは、つまるところ手順の問題である。そして、成果をあ
ける決定は、合意ではなく異なる見解に基づいて行わなければ
ならない。
もちろん数多くの決定を手早く行うことは間違いである。
必要なものは、ごくわずかの基本的な意思決定である。
あれこれの戦術でへなく、一つの正しい戦略である。
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と、いきなり引用から始まってしまいましたが、これは非常に重要な教えだと思っていますが、そう簡単にできるものではなさそうです。
ドラッガー大先生は年に2〜3回この、(1)の自分の時間の使い方を計測していて、それに対して様々な改善をしてみえたそうです。
他の本によるとその測定項目は
仕事の内容 重要度 使った時間
というのが、セオリーみたいです。
今日はこの重要度について。
■優先順位
優先順位というのは、重要度と緊急度の2次元です。
これは「7つの習慣」に出てくるのですが、
★−−−−−−−−−−−−−−−−7つの習慣−−−−−−
第1領域は重要かつ緊急な領域である。
第2領域は重要だが緊急ではない領域。
第3領域は緊急だが重要ではない領域。
第4領域は緊急でも重要でもない領域。
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時間管理における優先順位は、第2領域に力を入れ、第4領域の仕事はやめることである、とよく言われます。
■重要って?
緊急度はわかりやすいですね。
今日が締め切りの仕事と来週締め切りの仕事の緊急度を比較すれば、多分100人が100人とも前者だと言うでしょう(変な条件を考えなければ)。
ところが、重要度っていうのをちゃんと説明してくれている本ってあまりないんですよ。
こういうと語弊があるかもしれませんが、一般に重要度とは、上記の「経営者の条件」でも書かれているように、「期待されている成果は何か」ということです。はい。
もちろんわかりますよ。
じゃぁ、
・先週部長から指示のあった提案書の作成
・現在任されているプロジェクトの遅延の回復策の検討
ではどちらが重要でしょうか?
私にはわかりません。
■全部やるしかない
で、結局どう判断するかというと、
両方共やる
と判断するしかないんです。
先日、妻が入院しました。ところがその連絡があった日に、翌日来年度の投資審議のための資料を提出する期限だったのですね。
当然、資料を出さなければ、来年度予算はつきません。そうなれば、自分の業務は完全に破綻です。かと言って、妻が入院しているのに、放置することもできません。
結局、両方ともやる方法を考えざるをえないわけです。
どうしたというと、すぐに帰って病院へいき、必要な手続きや妻を安心させるために声をかけて、病院から帰ってから、夜なべをして資料を作った、というわけです。
■やらないものを決める
ただ、いろいろな時間管理の本に書いてあるように、発生した仕事を全部やることは不可能な場合があります。
だから、
やらないものを決める
という必要は出てきます。
どうしても今のスケジュールに入りそうもないものは、
それをあとからやれるか?
YES:⇒ あとにスケジュールする
あとに回せるタスクがあるか
YES:⇒ そのタスクの計画を変更する
それでもダメな場合は、
「やらない」
と判断するようにしてます。
■自分を守る
以前にも書きましたが、
「やれない」ではなく「やらない」
と宣言することは大切です。
他に予定されていたタスクをやめれば、それはやれるわけですよね。それでも、他の予定していたタスクを優先したのですから、「やらない」ということです。
やらない理由というのが、先に入った予定を優先するという判断条件で判断しているので、「やらない」と言い切れるわけです。
もし、依頼主がそれでもどうしてもそのタスクをやってほしいと思うのであれば、予定していたタスクよりも優先順位が高いことを証明し、やらななくなるタスクの依頼主と調整してくれれば、やるわけです。
当然、やらなくなるタスクにも依頼主はいますし、それによって影響を受ける人も出てくるでしょう。そのとき自分は悪者ならずに、新しいタスクの依頼主に悪者になってもらえれば、自分は守れます。