長文なので、2回に分けてお送りします。
今日はその前編。
現場力とは、自分の職場や職務における活動を通じて、成果を引き出す能力のことです。これのためには、大別して7つの力が必要です。
1.見える力
2.探る力
3.試す力
4.動かす力
5.学ぶ力
6.伸ばす力
7.出る力
ちょっと具体的なチップスではありませんが、こういった体系化をしておくのも必要かと。
■見える力
よく言われる「見える化」をする力です。
これは、製造現場だけで使われるものではなく、オフィスにおいても重要なことです。つまり、
問題点が見えるような仕組みを作る
ことです。
そこで大切なのは、
・数値化
・トレンド
・共有
の3つ。何でもかんでも数値化する。その数値は若干曖昧でもいいです。もちろんコンピュータ化する必要はありません。
「システム思考」では、縦軸に「悪さ加減、良さ加減」をとって、横軸に時間をとって変動グラフを書きます。そのレベルでも構いません(「時系列変化パターングラフ」といいます)。
このようなトレンドが把握できると、問題点がどこにあるのかはっきりします。
■探る力
「見える力」で見える化した状況から、原因はどこにあるのかを探る必要があります。つまり、推論です。
私はTOCの思考プロセスをよく使います。
当然、人間が作っているシステム(業務のプロセス)ですので、問題がないなどということはありません。というか、問題だらけ。
その中で、注力しないといけないのは、繰り返し発生している問題です。
これを見つけて、その原因は何なのかを掘り下げて考えないといけません。
ここは考えることと、その考えに沿って、事実を集めることです。
■試す力
いろいろな問題点の根本原因に行き着いたとしても
・その推論は正しいか
・その対策は有効か
はやってみないとわかりません(もちろん、有効だと信じてやるのですけど)。
以前の記事で「仕事は楽しいかね?」という本を紹介しましたが、ここにあるとおり、すべての業務は、必ず成果が出るものではありません。
成果が出そうかどうかを見極める
ことがやるべき業務なのです。
だから、対策を考えたら、まずそれをやってみる。そしてその結果を評価するということを繰り返しやるべきなのです。
対策は1つではいけません。複数個の対策を持ち、それを次々と試していく、そういったスピード感をあなたの上司は評価しているのではないでしょうか。
※多分、それができない上司には見切りをつけたほうがいいかも。
■動かす力
会社という組織にいる以上、一人で業務が完結するということはありえません。
自分の部門であったり、別の部門であったりするとは思いますが、とにかく、他人を巻き込んで活動をすることが必要です。
このためには、他人と問題点を共有し、対策について理解を得、協力してもらえるように説得することが重要。
そのためにも、「見える力」で紹介した「見える化」が重要になってきます。単なる感覚では説得力を持たないからです。
ビジュアルかつ論理的な内容で、相手を納得させ、相手の感情(情熱)を引き出していく、こんな交渉力をつけて行かないといけません。
この記事でも時々心理学的な他人への働きかけの方法を紹介してますが、こういった技術を通じて、相手を動かすようにしましょう。
さらに、これを継続する必要があります。
そのためには、仕組み化が必要。
簡単な話、「定例ミーティング/定例報告会」をやるようにすることです。
もちろん、その活動内容が上司に認められ、上司からの評価が得られるような仕組み化をしていける能力を向上させる力をまとめて動かす力と呼んでます。