長文なので、2回に分けてお送りします。
今日はその後編。
現場力とは、自分の職場や職務における活動を通じて、成果を引き出す能力のことです。これのためには、大別して7つの力が必要です。
1.見える力
2.探る力
3.試す力
4.動かす力
5.学ぶ力
6.伸ばす力
7.出る力
■学ぶ力
学ぶ力には2つあります。
・他人の経験から学ぶ
・自分の経験から学ぶ
の2つです。
恐らく、部門や自身の問題点は人類1万年の歴史の中では、誰かが経験しています。そしてそれを乗り越えています。
もちろん時代・環境などの特殊事情はありますが、「これはここが特殊だから」という人には永久に解は見えません。
こういったものを学ぶために、ネットで情報を集めたり、本を読んだり、セミナーに行ったりして、どうやって他の人はそれを解決してきたかを知る必要があるのです。
もうひとつの学びは、自分の経験から学ぶことです。
誰しも20年も30年も人間をやっていれば、様々な経験をします。
その経験をしたことから、どのような知見をえるかが大切です。
そのためには、自分の経験を一体のパターンに当てはめたり、一般化したりして、それを自分の知識として蓄えていくことが必要です。
これら2つの経験を学ぶことを通して、特殊事情にあわせて展開していく力をつけていきます。
■伸ばす力
「学ぶ力」によって、一定のスキルを手に入れた時に、それは完成形だということはありえません。
つまりそのスキルをどんどん磨いていかないといけないわけです。
どうやって磨いていくのかというと
・実践する
・さらに事例を探す
つまり、自分の経験と他人の経験を知識としてどんどん入れていきながら、それを知見に昇華させていく力です。
■出る力
上記6つの力を発揮して、部門や会社の第1人者として活躍する力です。
これには上記の総合力とともに、人脈や政治力が必要になります。
誰が自分の味方になってくれるのか、どのような暗黙のグループ(派閥とか言いますね)があるのかを見極めて、それらを利用して、自分のやりたいことを実現していく力です。
もちろん、会社だけではなく、社会全体に対しての自分の位置づけというものも考えないといけませんが、優先順位は会社でしょうね。
■管理する力
7つと言いながら8つ目です。
今までは一般職としての力ですが、管理職であるためにはさらにもうひとつ力が必要です。一般的には「マネージメントスキル」「リーダーシップ」などと言われるものです。
つまり、一人の力ではなく、部下や後輩、同僚などを制御して、自分の方向を向かせるために、複数の人の価値観まで変えてしまう力です。
「価値観なんて変えられるのか?」なんていう疑問はあるかもしれませんが、私の答えは価値観は変えられます」。
無論、人生の全般に関するものは難しいでしょう。しかしながら、業務/シゴトに関する限り、それを変えて行かないと成果は出ません。
その方策は、「評価」です。
つまり、自分の望む価値観を発揮した人だけを評価することによって、部下は行動を変えます。行動が変わると、やがてそれは部下の意識に染みこんで価値観を変えます。
急には変わりませんが、雨が大地に染みこむように、徐々に変わってきます。
例えば、かつてバブル以前の日本の会社では、「モノを作ること」「より多くの生産をすること」が基本的な価値観でした。ところが、バブル以降、「満足度」や「信頼感」などといったものに評価軸が変わりましたよね。そうしたら、
みんなそちらをむいてしまいました。
何を持って評価するのかを明確にすれば、その価値観にあった人だけが集まりますし、合わない人は去っていきます。どちらでもない人は、自分の価値観を変えて、合わせようとします。
これを制御することができる力が「管理する力」です。