ご存知とは思いますが、世の中にはクリップボード拡張ツールなるものがあります。
通常のWindowsのクリップボードは直前にコピーした情報しか保持できず、その前にコピーしたものはなくなってしまいます。
私が、よくやる失敗がCTRL+Vを押してペーストしようとした時に、間違えて隣のCTRL+Cを押しちゃうこと。せっかくクリップボードに入れたのに、上書きしちゃう。
そうすると、もう一度元のアプリに戻して、コピーのし直しです。
このようなクリップボードの動きを拡張して、過去にコピーしたものも残して置けるのが、クリップボード拡張ツール。
窓の杜やVectorなどを探すといっぱいありますね。
今日は私の使っているクリップボード拡張ツールの紹介とその他に試したツールの個人的な感想です。
■ClipBor
私がここ数年愛用しているのが、このソフト。
履歴に残せるのはテキストデータだけですが、私はテキスト以外(画像やファイル)をコピペするのはあまりないので、特に不便は感じてません。
これを気に入っている理由が、定型文を分類分けして残しておける機能と、FIFO機能、整形機能がひと通りのレベルで揃っていること。
◆定型文
定型文というのは、よく使う文章などで、これを10グループ/26種類、つまり260個登録して置けるのが特徴です。
たとえば、
グループ名 内容
標準 区切り線
メモテキストのフルパス名
よく行くフォルダ名
今日の日付
:
書誌 日誌のフォーム
読書感想文のフォーム
今日の日誌のフルパス名
:
日付時刻 いろいろなフォーマットの日付時刻
2012/06/13
10:30
2012/06/13 10:30
2012-06-13
ログイン ログインIDと対のパスワード
インターネット よく行くWebページのURL
なんていう具合に、よく入力するテキストを登録しておきます。
使うときには、CTRL+ALT+Cで呼び出してメニューから欲しいテキストを取り出すと、それが貼り付けられます。
◆FIFO/LIFO
これは、連続してCTRL+Cを押した時に、CTRL+Vでその順に貼り付けていってくれる機能。例えばどこかのファイルに保存されているデータをWebフォームに貼り付ける時に、貼り付けないといけない情報が氏名、ユーザID、パスワードだったとします。
そうすると、
1.データのあるファイルに切り替え
2.氏名をコピー
3.貼り付けるWebフォームに切り替え
4.貼り付け
:
以下繰り返し
という作業を3回やることになります。
これが、
1.データのあるファイルに切り替え
2.氏名をコピー
3.ユーザIDをコピー
4.パスワードをコピー
5.貼り付けるWebフォームに切り替え
6.貼り付け
7.貼り付け
8.貼り付け
とやれると、いちいちアプリを切り替える必要が無くて便利だと思いません?
これができるようになるのが、FIFO/LIFO機能です。
多くのクリップボード拡張ツールにはこの機能が備わってます。
◆整形機能
要はクリップボードに入れたデータを整形して貼り付ける機能です。
整形といってもピンと来ないかもしれませんが、例えば、メールの引用記号の追加などです。
ああああああ
いいいいいい
うううううう
という文章をコピーしておいて、「引用整形」を指定して貼り付けると
> ああああああ
> いいいいいい
> うううううう
という風に引用符号をつけてくれます。
その他の整形機能は
大文字小文字変換
タブ・スペース変換
""でくくる
などなど。
■その他のクリップボード拡張ツール
◆Climie
使うときに、パスワード入力を求めるなど、セキュリティが強化されたツール。
定型文登録も可能です。
私は自分のPCにしか入れないし、パスワード等は面倒なだけだったので、パスしました。
◆CLCL
画像なども含めてクリップボード拡張ができるツール
非常に高機能で、そのうえ、DLLを作ることで機能拡張ができるのには感動しました。
主な機能
複数のクリップボード形式に対応
よく使う定型文などを階層化して登録可能
ホットキーで表示するメニューを自由にカスタマイズ
メニューで選択した履歴や登録アイテムを編集中のエディタに自動貼り付け
メニューにビットマップを縮小表示
メニューにツールチップを表示
履歴に残す形式や保存する形式を設定可能
履歴を取るウィンドウ、取らないウィンドウを設定可能
ウィンドウ毎の貼り付けキーを設定可能
履歴は終了時に自動保存され、次回起動時に復元
履歴に残す最大件数の制限は無し
エクスプローラ風のビューアで履歴や登録アイテムを表示・編集
プラグインを追加することで機能を拡張
結構おすすめ。
でも、最近バージョンアップしてないんだよな〜。
◆clipex
マクロ機能がついたクリップボード拡張。
面白かったのですが、マクロのライブラリがいまいち充実してなくて、元資料が見つからなかったのでパス。
Windows7に公式対応してます。
◆Stamper
マウス操作で、画面が現れたり消えたりする、面白いソフト。
ちょっとマウスをいちいち操作するのは面倒だったのでパス。