会議で自分の提案が拒否されたことはありますか?
私はよくあります(未だに)。
だから、偉そうに言える立場ではないのですが、過去に結構チャレンジャブルな提案をして受け入れてもらったことも少なからずあります。その時の進め方を分析してみると、一定のパターンがありました。
ポイントだと思っているのは
★うまく根回しをしたこと
★それをすることで相手の利益に訴えられたこと
★理解しやすい説明ができたこと
です。
■根回しは絶対に必要
本日は、「根回し」について。
多くの重要な議題というのは、会議は所詮儀式です。
つまり、結論は最初から決まっていて、最終的にみんながいる公式な場で、総責任者が
「よし、OK!」
と宣言するためのものです。
では、その議題についていつ関係者は情報を入れているかというと、根回しの時なんですね。
「根回し」というと日本だけみたいに思っている方も見えると思いますが、そんなことはありません。仕事で何度も欧米にも行ってますが、そこでも重要な会議をするときには、根回しは欠かせません。
とくに出張で海外の会社(とくにグループ会社)にいくと、その会社の今後の活動に関わるようなことを決めてくるわけです。そんな重要なことを、現地の役員になんの相談もなく、いきなり、会議の場でぶちあげて、承認されることなんて絶対にありません。
■根回しの順番
よくやる失敗で、根回しする順番を間違えると、議題にすら挙げられなくなります。
だから、根回しで大切なのは、
誰にどういう順番で話すか
ということです。これを案外意識していない人が多いですし、失敗するときには、その順番を間違えた場合です。
単純に言えば
1.上司
2.賛成に回りそうな人
3.賛成に回りそうな人の上司
4.中間派責任者(賛成でも、反対でもない人)
5.反対派(反対しそうな人、その提案によって不利益を被る人)
6.反対派の上司(会議の場で発言権のある人)
7.決済権限者
の順が正しいです。
これを読み間違えると、失敗します。
1.上司
まず、上司に相談して、この提案のままでいいか(他の人達に受け入れ可能か)、誰が反対派になりそうかを確認します。一人で反対はを見出そうとしてもダメです。大概の場合、新しい提案には思い入れがありますので、冷静な第3者に、その提案を評価してもらうとともに、広い人脈を持つ人に、誰を抑えるべきかを相談します。
2.賛成派(賛成に回りそうな人、その上司)
まず、積極的に賛成してくれそうな人に話をします。その人達の提案も入れて、提案をブラッシュアップします。
そして賛成派の人の上司(会議で発言権のある人)に、その賛成者と一緒に説明にいきます。
大切なのは、自分一人ではなく、賛成者(部下)が一緒に来ること。
上司としてもムゲに反対して、部下から嫌われたくないので、前向きに聞いてくれます。
4.中間派
これはすっ飛ばしても問題ありません。
ただし、この中間派が反対派にならないように注意しておく必要はあります。
5.反対派(とその上司)
ここが一番の難関。
ただし、その前に、重要なことがひとつ。
賛成派と話をしたら、間髪をいれずに、このステップへ進むこと
です。
提案者が、自分に相談もなく、話を進めているということが噂で聞こえてしまうと、大概の場合は反対派になりそうな人は「へそ」を曲げます。
その人達は、自分(達)こそ重要人物だと思っているので、そこに相談もなく進められているとプライドが傷つくのです。
この人達に説明するときには、「提案の説明」ではなく「相談」という形で話を持って行くこと。つまり、決定事項として「目的」と「方策」が自分の選択肢がないと、これまた、へそを曲げることになります。
まず、目的を説明し、目的に合意を得たら「どうやってやりましょう?」と自分の案は伏せておいて、相手の提案を聞くのです。相手の提案を聞きながら、内心は
「じゃぁ、自分の今の提案にこんなやりかたを加えればいいな」
と思いながら聞いていて、徐々に自分の提案を相手の提案に上乗せするかのように出していきます。
そうすると、相手は「自分が提案したことがベース」だと思えますから、ムゲに反対はしないんです。逆に賛成派に回ってくれるようになります。
で、合意ができたら、その上司にまた一緒に説明に行く。
7.決済者
そうするとほぼ外堀は埋まりますから、決済者のところへ話を持って行って、
「今度、こんなことをやりたいんですけど、○○さん、××さん…には賛成していただいてます」
と流せば、まず拒否はされません。
「ふーん。ここは気になるなぁ」
くらいに言われますので、そこに修正を入れて、公式の会議の場で発表するわけです。
■最後に
公式の場で承認されたら、すぐに賛成派、反対派を取り込んで、プロジェクトチームを作って活動します。反対している人も自分のミッションになってしまえば、やる方向しか作戦はありませんので。
ただし、強硬な反対者もいます。
そういう人をチームに入れると、チームは崩壊します。その人が妨害活動をしますから。
そういう人は除外します。なるべくなら、その人と業務が重ならないように、進め方をよく考えて進めましょう。
提案は承認されたらゴールではなく、そこがスタートです。
あなたの成果はその提案を見事実現して初めて業績として認められるのですから。