■文章を作れ
まず、以下のテストをやってみてください。
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以下の文章から、文章を作りなさい。
<第一問>
・歩き続けるのは
・引っ張って
・とても疲れる
・重い荷物を
<第二問>
・気づいた
・父の頭が
・いつのまにか
・白髪だらけになっていることに
<第三問>
・見上げてみたら
・どんよりと
・空を
・曇っていた
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この程度の問題、全然楽勝ですよね。
本当の問題はここから。
出題者の知りたいのは、正解す>るか不正解なのかは問題ではなく、その後廊下をどのように歩いていくかが知りたいのです。
これを
プライミング実験
というそうです。語源についてはWikipediaなどをご参照ください。
■言葉の効果
「重い」「辛い」「白髪だらけ」「どんよりと」「曇っている」などのネガティブキーワードを読まされた生徒たちは、教室を出て廊下を歩く姿はどのようであり、何秒かかって廊下を歩き終わるかを調べます。
もうひとつ、別のグループにはポジティブなキーワードだけで作った問題を出題してあります。そちらには、「明るい」「オレンジの」「ふさふさとした」「快晴の」「楽しみ」などの言葉がちりばめられていました。
その結果、ネガティブグループの生徒たちは皆、老人のように歩き、ポジティブグループは颯爽と歩いていったということです。ジョン・バージという心理学者が考案した試験らしく、マルコム・グラッドウェルの『第1感』に書いてありました。
「本当にそんな極端なことが起こるのだろうか?」という疑問も感じますが、同時に「さもありなん」とも思います。
何かの文章を読んだあとや、誰かの話を聞いたあと、老人のような気持ちになったり、若者のような気持ちになったりすることが誰にでもあるような気もします。
個々の試験のような書き言葉だけでなく、話し言葉も同様のようです。
結婚式にも忌み言葉があり、祝福用の言葉が存在する。
■NGワードを決める
ビジネスにもビジネスを加速する言葉と減速する言葉があるはずだと思います。
周囲の人が、辛気くさい言葉づかいをしていたら直してあげましょう。囲を明るくする言葉づかいに変えさせるわけです。
当然、自分でも使わないように意識しないといけませんが、つい、出てしまう口癖みたいなものもありますよね。そういう時は、
「もし、こんな言葉を使ったら指摘して」
と同僚に頼んでおくほうが、お互いに注意できていいと思います。
・どうも気になるのですが、〜
・私が心配なのはですね、〜
・うがった見方をすればですね、〜
こんな言葉をNGワードとしておくのです。
きっとこのあとに出てくる言葉は愉快とは思えないし、心して聞こうとも思わないでしょう。
次のような表現ならどうでしょうか?
・なるほどすごい。さらにお聞きしたいのですが、〜
・完璧です。ひとつだけ私の考えが及ばない点があるのですが、それは〜
・素晴らしいですね。もし、こんなことを言う人が出たらどうなんでしょう。たとえば〜
■「プライミング効果」
知っておいて損はない、いや、知っておけばお得な心理的影響力です。
昔心理学修士で学びました
だけど私は頭が悪いので教授に捨てられました