部下や後輩から「こんな風にしたらどうでしょう?」と提案が上がってくる場合がありますよね。
で、聞く限り
「全然ダメだわ、こりゃ〜」
みたいな提案も少なからずあります。
まぁ、視野が狭いので、しかたがないのですが、あたまから、
「だめ。不採用」
といってしまうと、部下や後輩のモチベーションを削いでしまう場合があるので、結構気を使います。
そんな時の、便利な返し方を
■条件付き承認
一定の条件がクリアできたら採用する、という承認の仕方を「条件付き承認」と呼んでます。
つまり、
「いいね、その案。
ただ、××という可能性があるので、○○ができたら(○○になったら)みんなに公開してやってみようよ」
と答える方法です。
この○○の条件を厳しくするか緩くするかで、結果的に承認をするかしないかが切り替わります。
つまり、ほとんどクリアできないような条件を出せば、答えは承認系ですが、実質的には拒否していることになります。
■質問返し
相手が気がついていないような条件を出して、それに対して相手に考えさせることで、相手から「取り下げ」を言わせる方法です。
「その案、いいね。
ただ、××という場合は、どうなるのかな?」
とか、
「いいところに気がついたね。
それをやった場合、××という問題が想定できない?」
というふうに返すわけです。
■まず承認する
いずれの方法においても、まずは、相手がなにか考えてきたこと自身を褒めて歓迎する、という姿勢を見せないといけません。
しかしながら、提案自身は拒否しないといけないのですが、近視眼的な人は、
提案の拒否=人格の拒否
みたいに受け取っちゃう人がいるんですよ。で、そういう人ほど、近視眼的な提案を持ってきて、採用できない…、と。
結構苦しいんですよ。
そこで、考えだした方法が
・条件付き承認 ・質問返しというテクニックです。
逆に自分が提案した時にこれをやられたら、
「あら、承認できないと言っているのね。」
と思ったほうがいいです。
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