恐らく多くの会社では、コンナ階層構造になっていると思います。
マネージャ
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リーダー
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メンバー
■頭越しの命令
もしあなたがマネージャなら、メンバーに直接業務の指示を出してはいけません。
かならず、リーダを通して命令するようにします。たとえ、リーダが忙しそうで、親切心から、代わりに指示しといてやろうとしたとしても、それは組織を破壊する行為であることを認識する必要があります。
なぜなら、簡単に言えば、メンバーがどちらの方をむいて仕事をするかに関わってくるからです。
メンバーはもしマネージャから具体的な指示が来るようになると、
「リーダは無能だ」
と(無意識にかもしれませんが)認識するようになります。
そうすると、その先リーダがなにか指示したとしても、もしかして、マネージャから別の指示が来るのではないかと考えるようになります。結果リーダが指示したことが実行されないということになります。
そうなると、リーダの存在は消滅してしまって、もはや組織の構造(ヒエラルキー)が維持できなくなるわけです。
結果マネージャとしては、リーダの能力を疑うハメになりますが、元はといえば、自分が巻いた種なのです。
■頭越しの報告
もしあなたがメンバーであれば、リーダに報告していないことは、マネージャに報告してはいけません。たとえリーダが外出中でも、リーダの帰りを待つか、リーダに電話してでもリーダの耳に先に入れておきます。
これは、リーダの立場の問題です。
もし、あなたがリーダで上司から、「メンバーの××がこんな事で困っているそうだぞ。助けてやれよ。」みたいに言われたらどうでしょうか?
まず、上司からは自分の脳力が疑われていると感じるでしょうし、メンバーに対しては、「あの野郎〜」とおもいますよね。結局人間関係を壊すハメになるのです。
■マネージャとの意見の相違
もし、あなたがリーダであれば、リーダの承認のない業務はしてはいけません。
たとえば、あなたがメンバーに何か指示をしたとして、あとからマネージャ(リーダの上司)がそれを否定してしまったらどうなるでしょうか?
メンバーからは、「あいつは、判断力がない」と軽んじられることになりますし、マネージャからは、「あいつはプロジェクトの進め方がわかってない」と減点の対象になるでしょう。
だからまず、マネージャに「こういうふうにやりたいんですけど、どうでしょうか?」と確認しておいて、マネージャの承認が得られたらそれを実行するのです。
リーダーというのは、非常に微妙な立場です。
基本的にマネージャ(管理職)ではないので、メンバーに対する人事権はありません。でも、全員の業務に対する支持をしたりする権限だけはマネージャから移譲されている。結果として、そのプロジェクトに対する達成責任を負っているわけです。
もし、あなたがこの図におけるマネージャであれば、リーダの決定にダメ出しをしてはいけません。たとえ、リーダの判断が間違っていると思っても、我慢してください。
あとで、リーダを別室に呼んでダメ出しをすることも基本的にはしてはいけません。
ひたすら我慢する
か、
リーダがメンバーに言う前に軌道修正をする
をしないと、組織の信頼関係を崩すことになります。
■中間管理職
よく、雑誌などに
最近の中間管理職の能力が低下している
みたいな論調が載ることがあります。
これは上級管理職(中間管理職の上司という意味)の勘違いで、上級管理職自身が、組織のヒエラルキーを破壊している場合が少なからずあります。
これは、今回書いた
マネージャ − リーダ − メンバー
の関係と同じことをやっているからです。
もちろん、本当にレベルの低い中間管理職がいることも事実ですが…。
■あなたの会社では?
これは私の会社の話なので、もしかしたらあなたの会社では当てはまらないかもしれません。有能なリーダがいて、有能なマネージャがいる会社ならこんなことにはならないでしょう。
でも、世の中のアンケートとか見ると
「管理職にはなりたくない」
みたいなアンケート結果がときどき発表されてますよね。
これは、こういった頭越しがしょっちゅう行われていて、お互いの信頼関係や、リーダ(中間管理職)に対する尊敬がなくなってきているからではないでしょうか。