2012年10月03日

図解する




頭の回転が早い人というのは、どんなことを頭の中で考えているんでしょうか?

実は随分昔、「かなり出来る」という人に一つ質問をしたことがあります。
その質問とは

 「さっきの会議で、部長が質問していたのってなんだっけ?」

でした。その時は私もその人も会議の主催者でも議事録係なかったので、当然議事のメモなんてとってません。その時の答えに非常に驚きました。

 「ないけど、10分もあれば議事録くらい書けるよ。欲しい?」

なんと!!
会議の内容を全部覚えてたんです。





■発言は記憶しない


その時に、どうやって全部覚えてたのかを聞いたのですが、

 「さぁ〜?」

でした。が数年後ある記憶術のセミナーに行ってわかったのが、「個々の発言や質疑応答は記憶しない」という方法でした。

何を記憶するのかというと、

 会話のの流れを記憶する

んだそうです。

どういうことかというと、

 議題1
 議題2
 議題3

があったとして、「議題1については、××さんは賛成、援護。■■さんは反対派。△△が課題」「議題2について、全体としては指摘はなかった」「議題3は○○さんが▲▲を疑問に思った」

などと、流れのポイントだけを記憶していくんだそうです。

で、あとでその流れを思い出すと、その時の集中力にもよりますが、だれがどういう発言をしたのかをビデオの巻き戻しを見るように思い出せるそうです。

で、そのあと色々なトレーニングをしました。
そうしたら、数年で2時間くらいの会議なら議事録を翌日にでも書き起こすことができるようになりました。

今日はそのトレーニング方法の紹介。
※相変わらず、前置きが長い…




■日頃から文章にふれる


まず、やったのがこの、

 文章にふれる

ということ。
ただし、下手な人の文章ではトレーニングにならないので、本を書く程度の文章力のある人の文章によくふれる機会を作る、ということです。

要するにたくさん本を読むこと

で読んだ時に、

 主語・述語・目的語

を文章から探し出します。

小説なんかでこれをやると、楽しめなくなっちゃいますので、ビジネス書がいいです。わかりやすいのは海外のビジネス書の翻訳もの。

★−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
アインシュタインが相対性理論のバラダイムを打ち出し、科学界に大きな革新を起こした。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−★


これは「7つの習慣」の一節です。

 主語  アインシュタインが
 述語  起こした
 目的語 革新を

ですね。

どんな長い文章も、この3つが理解できれば、意味はわかります。
このトレーニングをすることで、相手の話している「言葉」ではなく「内容」が記憶に残ります。

■文章を構造化する


主語、述語、目的語が抜き出せるようになったら、もうちょっと長い文章(要するに1段落〜1ページ)に挑戦します。

そこに書いてある名詞、動詞をノートに書き出して、それがどの様な関係にあるのかを線で結んでみます。

ちょっとこれを文章で書くのは難しいのですが、

 まず名詞を書き出す
 書きながら、それれの名詞が他の名詞とどの様につながっているのかを考える。
 それを接続するための動詞を抜き出す。

という事をやります。

そうすると、その段落で言いたいことが図解できます。

この図解のテクニックは非常に重要な技術で、冒頭の会議の発言を全部覚えていられるというのは、図解できるようになってからです。

左の脳は論理脳ですので、一定の法則にしたがって処理がされます。ところがどんどん詰め込んでいくと、その前に入れたものがどんどんなくなっていく(奥に追いやられていく)んですね。
ところが右脳は言語(単語)は覚えられませんが、絵にしたパターンなら記憶できます。つまり2次元のデータが記憶できる。

これが図解した時の効果。

冒頭の「出来る人」というのは、ノートに図解するのではなく、図で記憶していたから、会議の全体像から、そのイメージをどんどん細かくしていくと、発言の一つ一つに至るまで、相関関係で記憶できていたんです。


■トレーニングあるのみ


これは簡単にできるようにはなりません。
また、やらないでいると衰えます。

だから、せめて1週間に1回くらい、

 図解する

というトレーニングをしておくといいです。

私は、

 毎週日曜日の社説をパワーポイント1枚にまとめる

ということをやってます。
結構難しいですよ。やってみてください。




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