2021年02月01日

貢献をしない




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貢献に焦点を合わせることこそ、成果をあげる鍵である。仕事の内容、水準、影響力において、あるいは、上司、同僚、部下との関係において、さらには会議や報告など日常の業務において、成果をあける鍵である。

P.F.ドラッカー(著) 『プロフェッショナルの条件
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P.F.ドラッカーの著書をはじめ、多くの自己啓発系のビジネス書では、こんなふうに書いてあります。私の個人的経験に基づいていうと、

  嘘ですから




■サラリーマンのの成果は?


そもそも、自分の業務における成果とは何でしょうか?

営業職なら売上を高くすること。開発職であれば、納期通りに開発を完了すること、などなどあって、それが最終的に会社という組織に対して、貢献できていれば会社が発展し、自分もハッピー、というのが大筋かと思います。

じゃぁたくさん売上を上げた人が給料が増えて社長になれるかというと、全然別問題です。

サラリーマンにおける成果というのは

 上司から高く評価されること

ではないかと思います。

別に売上が目標より高くなる必要はなくて、上司から「こいつは(自分の)役に立つやつだ」と思われれば、それで給料は上がり、昇進もできます。

例えば起業をしていたとしても、顧客から「こいつは便利なやつだ」と思われれば、取引はできるでしょうが、それが儲かるかどうかは別問題です。いわゆる

  貧乏暇なし

という状況に陥りかねない。




■貢献は必要ない


多くの会社では、「会社というプロセスのなかの歯車の一つ」としてサラリーマンがいます。したがって、サラリーマンが一人で会社の損益に対して大きな影響を与えることはあまりありません。歯車がなければ困りますが、他の歯車でもいいわけです。

そうすると、貢献というのは、別の誰かの「成果」を大きくすることで、「貢献した」といえるわけなのですが、その結果評価されるのは、その「別の誰か」であってあなたではありません。

たとえば、誰かがあるプロジェクトを進めていくのに、非常に大きな問題にぶつかったとします。そのとき、あなたが重要なアドバイスや改善をして、その問題を乗り越えたとしても、評価されるのはそのプロジェクトリーダであって、あなたではありません。

「下町ロケット」という小説(テレビドラマ)をご存知でしょうか。
ドラマ中、浅木という帝国重工業の技術主任(間違ってたらごめんなさい)が登場します。非常に公平な目で「つくだ製作所」の製品の良さを認め、彼の働きで「つくだ製作所」はロケットのシリンダが自前主義の帝国重工業に採用されることになったのですが、ロケットを打ち上げた成果は財前部長の手柄です。
ドラマ中でも、浅木に対して「良い人ですね〜」という感想は出ますが、それまで。
これに対して財前部長は「つくだ製作所」の恩人のように描写されており、佃社長からも、そのように扱われています。

もちろん、財前部長が大したことをしていないとは言いませんが、浅木の貢献が一番大きかったように感じたのは私だけでしょうか?

でも、評価されないよね


■高く売りつける


この2人の違いは違いは何だったのか。

私は、相手に「いくらで売りつけたか」だったのではないかと思います。

最後の最後、社長の決裁がおりる確率は50%と、佃社長に伝え、ドキドキの場面で、「OKです。よろしくお願いします。」と言ったのは財前部長です。納入ミスがあった時にも、「もう一度試験しなさい」と佃社長の前で言ったのは財前です。浅木はだまってついていっていただけです。

でも燃焼実験で問題が出た時に、徹夜で解析したのは浅木ですし、ドラマを見る限りほとんど浅木が現場を引っ張って「つくだ製作所」のシリンダを採用させようとしています。

かけたコストは、浅木のほうがはるかに大きいのに、財前部長の評価が高いのは、ひたすら、うまくスタンドプレーをしたせいです(まあ、それができるから部長にまでなったのでしょうけど)。
逆に言えば、浅木は出世できない人だよな〜、と感じました。

私も一応(元)技術者なので、浅木に共感するところが多いのですが、出生していくのは財前のように「目立つ貢献」をした人、すなわち「自分の行動を他人に高く売りつけた人」です。

■最初と土壇場


だから、だれかのために行動するときには、

 ・最初に派手に登場する
 ・土壇場になるまで放置して、逆転ホームランを打つ
 ・「助けてくれ」と懇願された時

以外は何もしないというのが正解。

そうすれば、あなたの行動は非常に印象に残りますし、非常に高く評価されます。
逆に浅木のようにコツコツと、自分の時間をたくさん使って頑張っても、「ありがと」程度にしか受け取られなくて、

 コスト対効果が悪い

だけです。

あるプロジェクトを例に取ると、

 ・プロジェクトの最初にプロジェクトの戦略に関わるような方針を打ち出して、それがプロジェクト全体として認知されるようにする。
 ・上司や役員への報告は、積極的にプレゼンターを買って出る
 ・具体的な活動になったら、「これはあなたの分担だ」と言って任せておく。打合せは進捗ミーティングにのみ参加し、戦略と実行状況の「ずれ」についてのみ、プロジェクトリーダの問題点を指摘をする(他の人への批判をしてはいけない)。
 ・プロジェクトが危機に瀕しても手を出さない(対策案は考えておく)
 ・危機だというのが上司や役員に知れ渡ったところで、「こうすれば大丈夫ではないか」と上司に建案する。あるいは、プロエクトリーダに「俺には解決案がある」をほのめかす。
 ・上司、プロジェクトリーダから「頼む」と依頼されたら実行する、または、具体的なやり方を指示してプロジェクトリーダに実行させる。

と進めるわけです。

あなたの存在感は非常に大きくなりますし、他の人への影響力も強化されます。




■参考図書 『プロフェッショナルの条件




どうすれば一流の仕事ができるか。ドラッカーの教える知的生産性向上と自己実現の秘けつ
本書は,ドラッカーの膨大な著作の中から,我々一人ひとりがどう成果をあげ,貢献し,自己実現を図っていくかについて述べた部分を抜き出して1冊の本にまとめたものである。
本書には「はじめて読むドラッカー」という副題もついている。そのとおりこれからドラッカーを読み始めたいという読者にはうってつけの本である。本書は11の著作・論文から選りすぐった論集であるだけに,企業・社会に対するドラッカー一流の深い洞察が随所に顔を出しており,ドラッカー理論のエッセンスに触れることができる。巻末には出典著作の解説が出ているので,興味を引かれた本から読み始めることをお勧めしたい。

本書の最も優れているところは,ドラッカー自身がどう学び,どう成長してきたかを語る「私の人生を変えた七つの経験」である。現代の巨人が自ら語る成功の秘けつは,まさに「プロフェッショナルの条件」そのものといってよい
原書名は『THE ESSENTIAL DRUCKER ON INDIVIDUALS: TO PERFORM, TO CONTRIBUTE AND TO ACHIEVE』。現代マネジメント思想の巨人、ドラッカーを初めて読む人のために、これまでの著作10点、論文1点からエッセンスを抜き出し、ドラッカー自身が加筆・削除・修正した必携本である






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プロフェッショナルの条件
著者 :P.F.ドラッカー

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●本書を引用した記事
 昇進面接質問のブレークダウン
 面接質問「どんな貢献ができますか?」
 海外出張に行くときは、その国の言葉で挨拶をしなさい
 人を理解するなら修飾語に注目する
 ButはBad
 同じ土俵で勝負する
 貢献をしない
 ドラッカー365の金言:組織の精神はトップから生まれる
 機会をつかむ準備をする
 やめる・かえる・へらす

●このテーマの関連図書


マネジメント[エッセンシャル版]-基本と原則

チェンジ・リーダーの条件―みずから変化をつくりだせ!(はじめて読むドラッ…

よくわかる販売士検定3級リテールマーケティングPart2

イノベーターの条件―社会の絆をいかに創造するか(はじめて読むドラッカ…

テクノロジストの条件(はじめて読むドラッカー(技術編))

ドラッカー名著集1経営者の条件





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