「返信が遅れまして申し訳ありません。………」
なんて書きだしてメールを書いたことがありますよね。
私も多いです。
先週だけで7件。
あれ? 意外と少ない…
■失敗の基準
仕事上の失敗をこの10年来ずっと記録し続けてますが、「失敗」の定義がいつも変わるので、記録されていない失敗も数多くあります。
その中で特に多いのが、上記に書いたような
対応が遅れたという失敗。
結果的には、対応して、業務としては完了しているので、狭い意味での「失敗」ではないような場合、面倒なのと「まぁ、トラブルにならなかったんだし」という甘えもあるので、ほとんど失敗として認識自体をしていない場合がよくあります。
ところがふと思いついたのが、
メールの返信が遅い人は印象が良くないという事実。
これは他の人と話していてもそうなのですが、
「あの人、なかなか返信をくれないんだよね〜」
「彼の場合、2回くらい請求があるまでは何もしないからね〜」
などという会話をしたことがありませんか?
つまり、自分の評価を落としているということで、
これを失敗と言わずしてなんと言おうと気がついたわけです。
■マイクロ挫折
こういうほんのちょっとした失敗を
マイクロ挫折と呼ぶようになりました。
たとえばこんなのをマイクロ挫折に分類してます。
・メールの返信が遅くなった ・対応の請求があった ・メモするのを忘れていた ・ハンカチを持ち忘れた ・缶コーヒーを買おうとしたら小銭がなかった ・電車に乗り遅れた ・会議にちょっとだけ遅れた ・メモを会議室に忘れてきたなどなど。
これらは、その瞬間は
「あ〜。また失敗しちまった」
と思うのですが、それはその瞬間だけ。
すぐに忘れてしまいます。
しかしながら、その失敗によって影響を受けた人は、その迷惑自体は記憶していなくても、その人の印象として記憶に残ります。これが上記のような会話になって「あの人は、アクションが遅い」というような印象で見るようになります。
これが将来、相手になにか頼むときのマイナス因子になってしまうわけです。
だから、改善をしないといけない。
■失敗の記録
ただ、この種のいちいち記録に残していたんでは、手間が多くなるのですぐに挫折してしまいそうです。
そこで、ちょっとしたツールを作りました。名付けて「マイクロ挫折カウンター」。
失敗の種類を
・忘れ物 ・対応遅延 ・準備不足 ・遅刻 ・その他に分けて、それぞれごとに起動すると単純に一つのファイルに現在時刻を記録するというだけのバッチファイルです。
こんなの
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
echo %DATE% %TME% >> c:\_usr\job\忘れ物.txt
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
このバッチファイルへのショートカットをデスクトップに作っておいて、忘れ物があるたびにダブルクリックするわけです。これなら一瞬で済む。
週末にこのファイルを開いて行数をカウントして、EXCELに記録していきます。
これをしばらくやったあとにグラフにしてみると、
「お〜。ちょっと減り始めたな〜」
とか、
「このごろちょっと増えたなぁ〜」
とか気づきがあります。
ちょっと気がつくと、注意が向くようになります。
「先週はわすれものが多かったので、ちょっと気をつけなきゃ」
と思うようになります。
■自動車事故
あまり穏やかな話ではありませんが、私はこんなことを言われたことがあります。
「小さな事故をたくさんする奴は大きな事故をしない」
あなたも聞いたことがあるでしょうか?
小さな「失敗」を心に留めておけば、それが運転の時に注意力になって、大きな失敗をしなくても済む。
と言うふうに理解してます。
ちなみに私は現在ゴールド免許。車の擦り傷は私がつけたものはゼロ。
残念ながら、家人と一緒に使っているので、擦り傷がゼロではありませんが。
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