2012年11月23日

自分のケース



一定の役職につくと、社外での教育にも関係するようになって、そういった方面から、セミナーやら講習会の案内を多く受け取るようになりました。

で、まぁ自分が参加するわけでもないので、案内メールを部下に転送するのですが、反応が3種類。

 A)無視を決め込む
 B)出席したいといってくる
 C)直接「どう?」と言われたら行く

の3パターン。

さらにその人の意識で分けると、大きく分けて2通りで

 1)経験的に役に立たないと思っている
 2)自分の向上に対して意識がない



の2通りがあります。

C)のタイプの人は殆どが2)の人ですね。

これらの人を除外して、今日は 1) のパターンの人がよくハマる落とし穴について。

■抽象化と具体化


こういったセミナーに対して、「役に立つ」と思っていない人たちは、

 ・自分の問題に気がついていない(問題意識がない)
 ・講師に言われたことが自分の問題そのものズバリではない

の2種類あって、前者は論外。

後者は、講師に対する要求がもともと無理難題なことに気がついていないようです。

講師は、行使の経験に基づいて、一般論を教えているだけであって、その人の環境に合わせた具体論を教えることはできないんですね。だって、本人しかその環境はわからないんだもの。

そのために、セミナーなどで講師から話を聞いた時には

  そのエッセンスはなんだろうか?
  そのエッセンスを自分の問題に当てはめるとどういうことだろうか?

と考えることが必要なんですが、これが結構みんな不得意。

講師の話は講師の経験上の話なので、わかりやすく具体的に話をしてくれます。
この具体的な話を、一度抽象化して、さらにその抽象化した概念を自分の具体事例に置き換えることで、セミナー等における学びがあるわけです。

   具体  →  抽象  → 具体

とこれをやれないと、自分の行動に置き換わりません。
自分の行動が変わらなければ、セミナーに言った価値はありません。




■抽象化する


これを説明するのはなかなか難しいのですが、苫米地英人氏の著書だと

  みかん → 果物 → 食べ物

というのが抽象化だそうです。
つまり、「みかん」という具体的なものに対して、それを「包括する何か」を言葉にすること。

果物には「りんご」も含まれるので、みかんを第1次の抽象化をすると「果物」という抽象概念が出来上がるんですね。

もちろん、「みかん」も抽象概念で、こたつの上にある橙色の物体のうち一つをさした場合が最も具体的ですよね。

これは、何かの問題についてもできることで、たとえば、

  提出した書類に誤記があった

というような具体的な話に対して、

  正しくない文章

という上位概念ができるわけです。

そうすると、講師の話で

 以前コンサルをしている時に、会社の売上規模を5000億と書くところを500億と書いてしまい、クライアントから大目玉を食らったことがあるので、それ以後、秘書に数字のチェックをさせるようになった。

という話を聞いて

 「へ〜。この人でも失敗するんだ」

って思うか、

 「そうか、単純ミスにはダブルチェックが効くんだ」
 
って思うかで次のアクションが変わりますよね。
前者は何もアクションが起きないですけれども、後者は、

 「じゃぁ、自分の立場で秘書は使えないけど、同僚同士でチェックするのはありかも」

って今度は抽象から具体に落とせるわけです。

■自分に質問する


セミナーや本を読んだ時に、この

  具体 → 抽象 → 具体

をするには、「事例を知る(具体)」ことで

 抽象:ここではどういうことが言えるだろうか?
 具体:自分のケースに当てはめるとどうなるだろうか?

という2つの質問を自分にしてみると、学びがあり、自分の次の行動が変わります。
次の行動一つでも変われば、そのセミナーや本は十二分に自分に勝ちのあるものになります。

■最低3つの抽象化


最近部下には、セミナーに行く時には、「最低3つ、何を学んだかを報告する」というのをしてもらっています。そういうミッションを持って行ってもらうので、セミナーに行く人は、必死になって何かを探そうと講師の話を聞いてきます。

ただ、私がそういうプレッシャーを与えるもんだから、みんな行きたがらなくなっちゃったのが最近の悩みの種ですが…。



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