■人間の行動
成功の9ステップ
成功の9ステップ |
「成功の9ステップ」という本に、人間の行動と外界との関係が書いてありました。
◆結果のサイクル
★――――――――――――――――――――――――――
出来事
↓
その人の状態
・スキル
・ニーズ
・焦点・内部表現
・言葉・質問
・からだの使い方
・参考情報
↓
意味付け
↓
決断
↓
行動
↓
結果
↓
(出来事) ※最初に戻る
――――――――――――――――――――――――――★
のように、外界と自分の世界(内界)が相互に影響をしあっているそうです。
■出来事が起きてからの行動
通常は、外界で起きたことを判断して、それに対して行動を取ります。
まぁ、動物なら当然ですよね。
横断歩道を渡っていたら車が突っ込んできたので途中で引き返した
という当たり前の行動に過ぎません。
でもこれ、何か変な気がします。
横断歩道を渡ろうとしたら車が見えたので渡るのをやめた
が通常しなさいと言われている行動ではないでしょうか。
要は安全確認。
「当たり前だろ〜」って思われた方も見えると思いますが、意外と仕事だと当たり前にできてない人がいるんですよ(かくいう私も、ですが)。
■問題を起こす前に行動
先日あるプロジェクトで問題を越したのですが(詳しく書くとやばいので、漠然とですみません)、とある担当者に現場(海外)に出張してもらい、設備の立ち上げをしてもらうことになりました。
しかしながら、この担当者は人前で話をするのが得意ではない。
ただ、技術力はあるので、何事もなければ、すんなり行くはずでした。
ところが、予定に反して、トラブルを連発。
受入側の責任者から、「どうなっているのか?」「いつ頃できるのか?」と問い詰められると、とたんに黙ってしまって、下を向いたままになってしまう、という事態になりました。
最初は「ちょっと遅れてるな」くらいで済んでいたものが、どんどん発言に感情がこもってきます。そうするとますます何も言わなくなって萎縮してしまう、という悪循環。
最後には受入側がブチ切れて、こちらに電話をかけてきまして、
「あんな奴はいらん!!」「すぐに別のやつをこっちによこせ!!」
と、まぁ、ボヤがいつの間にか大火事状態。
こうなってしまうと、なかなか火を消すのが大変です。
■プロアクション・リアクション
「アクション」=行動
という言葉に、「事前の」「事後の」という接頭辞をつけて
プロアクション
リアクション
という言葉があります。
※プロアクションという言葉は私はあまり知りませんでしたが。
※英和辞典にはのっていませんので、最近の造語ですかね?
上記のような、大火事になってしまった事態に対しては、リアクションしかトレなくなります。
そしてリアクションと言うのは通常、すごく時間を取られます。
これに対して、事前に手を打っておくことを「プロアクション」というみたいです。
要は上記のような例なら、
・同時期に別の出張者がいれば、その人にフォローを頼んでおく
・だれも出張者がいない時には、電話等で受入側に現状と見通しを説明しておく
ようにしておくと、その出張者は得意な技術的対応だけに集中でき、不得意なことに巻き込まれずに済むわけです。
火事はボヤの段階で消す
ボヤ自体にならないようにする
事のほうが、
火事になってから消化する
より圧倒的にコストが低いですよね。
これをやっておくのが「プロアクション」。
■プロアクションは出来ない
最初に書いた人間の反応というのは、基本的には外界からの刺激でしか動きません。
もう一度流れを簡単に書くと
出来事
↓
その人の判断
↓
行動
↓
(出来事)
なわけです。
多くのビジネス書では、言葉は違いますが
リアクションよりプロアクション
を薦めていますが、経験的には「無理、できません」です。
だって、もうすでに出来事は起きていしまっているんだから、いまさらプロアクションを考えていても手遅れです。
横断歩道を渡り始めたら急に止まっていた車がこちらに向かってきた
ときに、「車が動き始めることもあるんだな〜」なんて考えていたら、死んじゃいますよ。
わたしとしては、とりあえず死にたくないので、何も考えずに逃げますね。
■プロアクションは事前・事後
プロアクションを考えるのは、問題が起きている最中ではなく、
・問題が起きる前
・問題が収束した後
です。
問題が起きる前に考えるのが「リスクヘッジ」。
問題が収束した後に考えるのが「再発防止」。
ただ、問題を起こさないのが一番いいので、いかに多くの、リスクヘッジをしておくかが大切です。この時に、リスクを抽出したり、その影響度を判断するのに必要なのが、「経験」と「勘」です。
こればかりは若い人には難しいです。ただ、いくつも論理的にリスクを出していく方法はありますが、そもそも思いつかなければ手のうちようがありません。
ただ、経験が少なくても応用が効く人もいます。
この人は、ひとつの経験を、抽象化して、再発防止策を何段階にもわけて検討・実施している人です。こういう人は1事で万事を学ぶことができているので、経験の差を思考力の差で補っているわけですね。
問題のが起きた時に、再発防止の方法を一つだけではなく、様々な抽象化段階のレベルで検討してるいと、いろんなパターンに応用できるようになるということです。
■アクションを起こす前に
アクションを起こすときに、そのアクションを起こすまでの時間的猶予があれば、
・どのような問題が発生しうるか
・それは、どうやったら解決するか
をリストアップしておき、それを発生確率で並べておきましょう。
そうすれば、いざというときに慌てないですみます。
■問題が起きた後に
まず火消しが大切ですが、その原因を探るときに、
・どうしてその問題を起こすような決断をしたのか
・そのプロセスにどのような間違いがあったのか
・それはどのようにしたら防げるのか
だけではなく、
・どのような環境がその問題を引き起こしたのか
・その環境の影響をどのように考えていたのか
・どうしたらその環境を変えることができていたか
というようにレベルや視点を変えて発生した問題ではなく、それを引き起こした原因の問題点を探る、さらにその原因の問題点を引き起こした更に深い原因を探るように考えると、その経験が何倍にもなります。
その原因の分析をするときに有効なのが、最初に上げた
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その人の状態
・スキル
・ニーズ
・焦点・内部表現
・言葉・質問
・からだの使い方
・参考情報
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のところ。これがあなたの判断を引き起こしている要因です。
これらに分けて、それぞれの原因、あるいはそれぞれの相関における原因をひとつづつチェックしていくと正確な分析ができるようになります。