2019年09月16日

タスクの多重管理





■仕事は多次元


あなたは仕事の管理をどうやってやっているでしょうか?

GTD(Getting Things Done)などの「仕事」や「やるべきこと」の管理ルールはあるものの、実際にタスクを作ってみると「管理するのはは難しい」と感じてました。

ちょっと用語が難しいので、以下、GTDの規則に従って

  複数の活動をまとめたもの = プロジェクト
  1回の作業で終わるもの  = タスク

と呼ぶことにします。

例えば、




 新規事業を起こす

というプロジェクトがあったとします。

これから次のようなタスクがさらに派生します。

 事業アイディアを募る
 事業の従業員を募る
 業務分担を決める
  :

でも、これってまだまだ、「タスク」と呼べる段階にありませんよね。
そうすると、更にそれを分解するわけです。

 事業アイディアを募る
  +アイディア募集のWebページを作成する
    +Webページデザイナーを探す
      +デザイナーの募集をする
      +デザイナーの決定をする
    +Webページのコンテンツを決める
  +募集するアイディアの制約事項を決める
  +応募に対する謝礼を検討する

こんな風にどんどん分解して行くと、最後に

  デザイナーの面接日時を決める

というタスクがようやく出てきます。

で、ふと気がつくと、かっこいいWebページを作ることに集中してしまって、当初の目的はなんだったか忘れちゃう、みたいなことがよく起こります。

仕事は1時間で済む作業から半年から1年かけてやるレベル、一生続けるような仕事までいろんなレベルがあります。GTDではこれを

 滑走路のレベル
 1万フィートのレベル
   :

など段階に分けることを推奨していますが、じゃぁこれをどうやって管理したらいいのかはまったく説明がありません。でも最終的には「幸福な人生を送る」みたいな究極の目的に向かっているはずなんですよ。




■試行錯誤の歴史


これを何とか上位レベルの「仕事」と結びつけながら、その目標・目的を意識した活動をしたいと、色々試行錯誤しました。

◆テキストファイルで管理する


 テキストファイルで、TABで段付けしながら管理してみました。
 でも、段付けが深くなると、今やらなくてはいけないタスクがどれなのか、どれがプロジェクトのレベルなのか区別がつかなくなって、あえなく挫折。やっぱり、
 タスクは期限とともに見えるようになっていないと都合が悪いみたいです。タスクを見たい時に、プロジェクトが見えてしまうと、余計なことに気が散って、タスクをやるより、タスクの過不足をチェックに入ってしまい、余計な時間を使う結果になる。

◆EXCELで管理する


 そこで、不要なものを見せなくすることのできるEXCELを使ってみようとしましたが、これも挫折。
 まず、折りたたみができるようにするためには、行ごとにブロックの指定をしなくてはならず、入力作業にかなり時間を取られる。
 つぎに、列ごとにフィルタを設定してタスクだけが見えるようになったのですが、プロジェクト→プロジェクト→タスクのように横にどんどん長くなってしまって、画面に文章が見えなくなてしまう。
 フィルタの列にキーワードを入れないと、フィルタから漏れてしまってやり残したタスクが出る。
 などなど、問題がいっぱい出て、2ヶ月ほどで断念しました。

◆メールで管理する


 いまのメールソフトは、スレッド表示ができるため、タスクが発生するたびにそのプロジェクトのメールに返信をして、スレッドとして表示させるようにしてみました。
 いまはアウトルックを使っているので、ちょっとスレッド表示が変なのですが、以前はBecky!というソフトを使ってました。これのスレッド表示は非常にすっきりしていたので。
 しかし、これもタスクだけを抽出して一覧するのは結構面倒でした。

 その上、メールは一度出してしまうと、後から修正が効かないので、何か情報を追加しようとしても、それにリプライ(返信)することになって、タスクだか追加情報だかわからなくなってしまうという欠点がありました。

 これは1年ほど続けましたが、結局漏れた仕事が多発した時があって、その時点で断念。

■2つのソフトで管理する


結局行き着いたのは、

 ひとつのツールで管理するのは不可能

という結論でした。
そこで、ソフトを2つ組み合わせて使うことにしました。

◆マインドマップ+タスク管理ツール(アウトルック)


現在はこの方法です。
マインドマップのセンターイメージに究極の人生目標を書きます。
そこからどんどん派生させていき、「会社人生」のところに、プロジェクトを色々書き出します。さらにそのプロジェクトを分解していって、3ヶ月〜1週間程度の大きさになったところで、やめます。

マインドマップソフトを使えば追加削除は簡単ですし、外部ツールへのインポート・エクスポート機能もあります。私のお気に入りはXMINDというソフト。

プロジェクトからサブプロジェクトやタスクを作り出すときには、マインドマップで考えますが、3ヶ月〜1週間の単位程度の大きさになったら、それをエクスポートして、タスク管理ツールに渡します。それ以降はタスク管理ツールのお仕事。

タスク管理ツールでは、マインドマップのかなり上位のプロジェクト名で分類(アウトルックの名称で、フリーのタスク管理ツールだと「タグ」といったりします)が作ってあり、その分類にどんどん放り込みます。
この時に、名称(表題)にひと工夫しておきます。

  (上位のプロジェクトの省略形)!…(このブロジェクトの省略形)!名称

のように書くようにします。例えば上記の新事業の例なら

  Web!デザイン!募集!Webデザイナーを募集する
  Web!デザイン!募集!要項!募集要項を決める
  Web!デザイン!募集!要項!仮!要項のアイディアを出す
  Web!デザイン!募集!要項!決定!要項の承認を役員にもらう
  Web!デザイン!募集!案内!募集案内を出す
  Web!デザイン!募集!案内!案内先!募集案内先を決める
  Web!デザイン!募集!案内!発送!募集案内を発送する

みたいに。キーワードを省略して順位ごとに「!」で区切って付けておくことにしました。

こうしておくと、関係するプロジェクトの進捗状況やタスクの過不足を調べるときに、「Web!」と検索してやると、Webページ作成に関するすべての下位のプロジェクト・タスクが検索に引っかかってくれるわけです。
名前でソートすれば、親子関係を保ったままソートできます。

ただし、省略名称を間違わないように注意しないといけません。
ただ、これは元のタスク(プロジェクト)を開いて、その下位のタスクを作るので、コピペで表題を持ってくればいいので、あまり失敗したことはありません。

それより上のレベル(ここでは「新事業を立ち上げる」)は、「分類」で管理されており、更にその上位はマインドマップで管理されていることになります。

現状の課題は、プロジェクトの細分化が進むと表題が長くなりすぎて見づらくなること。

■フリーのタスク管理ツール


フリーで使えるタスク管理ツールはいろいろあります。このWebページなんかが参考になります。

しかしながら、仕事で使おうと思うと、そのツールに業務の情報を入れていいかどうかについて、セキュリティポリシーを決めている部門の承認が必要になり、そこに話を持って行っても簡単には通りません。

しかたがないので、上記のような工夫をしているわけです。
まぁ、そのおかげで色々工夫をして、それがこのブログネタになったりしてますけど。

■教えて


私はこんなやり方をしている、というもっと良いやり方を開発した、というかた、ぜひ教えて下さい。
ブログにご意見を伺えるようメール送信機能をつけておりますので、ぜひよろしく。



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posted by 管理人 at 17:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ハック:仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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