自己啓発ネタで、「変わらないものは取り残される」という論調の自己啓発本やセミナーを見かけます。
これって真実でしょうか?
・前例がないからやらないというのは会社として衰亡の道
・常識を疑ってかかれ
・過去の成功体験にとらわれていては成長しない
・過去の踏襲には未来はない
・これからは誰も経験したことのない時代だ
と、まぁネットでサクッと検索しただけでも、こんな刺激的な言葉が並びます。
誰だって成長したいと思っているし、より良い未来は欲しいと思っているでしょう(積極的か消極的にかは別にして)。そんな不安心理を煽るかのようなセリフはなぜ存在するのか?
■リスクを考えたか
変えるって言うことは、今までうまくいっていた部分も捨てるということで、それがどの程度自分に影響があるのかをちゃんと計算しないといけません。
以前の記事で、「朝活のススメ」という記事を書きましたが、これにしたって、夜のほうが都合がいい人もいるのでは…、と思います。
たとえば、日本には何百年も続いている伝統文化がありますよね。
もちろん、時代に合わせて色々形は変わってきていると思いますが、じゃぁ「歌舞伎はもう古いので、これからはストリートダンスだぜ」みたいに歌舞伎役者が言うかというと、多分そんなことはないでしょう。
過去の前例も、
そのやり方で上手くいったから前例として定着した
のであって、うまく行かなかったら前例として成立していないわけです。
例として不適切かもしれませんが、「営利誘拐」や「弱点を握っての脅迫」というのは、人類が経済というものを成立させたあとに延々と繰り返されているもので、「それでうまくいく確率が高いから現在まで繰り返されている」といえるのではないでしょうか。
それを全く新しいやり方を考えたり、どこか別の業界の成功事例を真似てやってみると、より良くなる場合もありますが、より悪くなる場合もあるわけです。
そのリスクとメリットを天秤にかけた上で、やるべきかどうかを考えることが必要なのではないでしょうか。
■英語は重要か?
でも、それをそのまま受け入れてしまったら、もしかして、単なるセミナーや本を売るための心理作戦に引っかかっているのかもしないです。
たとえば、英語や中国語。
「これからの時代英語が話せるのはビジネスマンの基本スキルだ」
みたいに評論家が次々と発表する。中には会社の公用語を英語にしちゃう会社まで現れる。そうすると「やらないとまずいかな…」と思う人が出てきて、駅前の英語塾が繁盛する。
また、老後資金が危ないと喧伝する。
慌ててよく知らない投資やFXなどに手を出す人が出てきて、資金をごっそり吸い取られる。
なんて事態になるわけです。
英語塾に行った人で、本当に英語でビジネスしている人はどのくらいいるのでしょうか?
少なくとも私の周りには、こういった外国語塾へ通って、それをビジネスに生かしている人は非常に少数です。殆どの人は、喋れないなりに(あるいは私のようにカタコトで)何とかやっている。
逆に一生を英語(や他の外国語)とは関係ない世界で暮らしている人のほうが多いのではないでしょうか。
それって、ビジネスマンの必修スキルなのか?
■変わることは目的ではない
ちょっと話が余談っぽくなりましたが、基本的に世の中で流布している流行というのは、あなたのために言われているわけではないと考えたほうがいいと思います。
それをビジネスにしている人がいる以上、打算が働いてます。
何かを変えないといけない、あるいは変わらないといけないのは自分に目標があって、その目標を達成する手段のひとつとして「いまのやり方からの変化」が必要になるわけです。「手段のひとつ」なので、別に他の方法(つまり今までのやり方)でもいいはずです。
自分の最終的にやりたいことに対して、それが有用で、かつ、それに伴うリスクが許容範囲にあるかどうかを確認してから初めましょう。
そういうことで、この記事は、「実践しない人は購読解除してください」みたいな前書きはおいてません(そういうメルマガがあることは知ってますし、購読しているものもあります)。
「へ〜、こんなやり方もあるんだ」と思って下れば結構です。
その中で、もし、上記の判断に当てはまるものがあれば、あるいは将来それが記憶の片隅にあって、必要になった時に試してください。
私には効果のあったものだけを紹介しているつもりですが、それはあなたに効果があるかどうかは、今を変えてでもやるだけの価値があるのかどうかを、ちゃんと自分の頭で判断してくださればいいと思います。