大事なことは3秒で決める!
ファミレスのメニューは3秒で決めろ!
どういうわけで、「素早く決める=3秒」というのが普通の時間感覚のなのかよくわかりませんが、ビジネスにおいて、意思決定者は素早く意思決定することが大切だ、みたいな説があります。
まぁ、「ファミレスのメニュー」と「大事なこと」が同列に扱うのもどうかと思いますが、まぁ、ほんのタイトルなので、そこは置いておいて…。
■判断と決断
上記の本で筆者が推奨している「決める」と言うのは、
決断すること
を言っているようです。
巧遅より拙速、とはよく言われますが、何をするかによって、「拙速」が悪になる場合もあります。ですので、単純に、「素早く決めること」が言い訳でも無さそうです。
で、ふと考えたのが
判断することと、決断することの違い
についてです。
大辞林によると
判断
@物事を理解して,考えを決めること。論理・基準などに従って,判定を下すこと。
A吉凶をうらなうこと。 「姓名−」
B論 〔英 judgement; ドイツ Urteil〕 ある対象について何事かを断定する人間の思惟作用。命題を内容とする思考の働き。また,命題自体。
決断
@きっぱりと心を決めること。 「 −を迫られる」 「思い切って−する」
A是非善悪を見定めて裁くこと。 「理非を−せられしかば/太平記 1」
だそうです。
■判断
ようするに、判断というのは、情報を十分に検討して正しい答えを導き出すことです。つまり、誰が考えても同じ結論になるような論理思考を働かせることです。
これを不十分な情報や、間違った情報元にすれば当然正しい答えが導き出せずに、失敗をすることになります。したがって、これ(判断)をするときには「巧遅」がいいわけです。
たとえば、ドライブに行く時に、目的地にどうやったら早くつけるのかを考えるためには、選択しうるルートを上げて、それぞれの所要時間を調べて、その最短のものを選べばいいわけです。
東京から福岡に行くのに
・車で高速道路で行く
・新幹線で行く
・車で一般道を行く
・歩いて行く
これが、8時間後に福岡につけるなければならないという条件下で選択するとなったら、誰が考えても、「新幹線」ですよね。まぁ、この場合は考えるほどのこともないとは思いますが。
もう少し余裕が有るのであれば、費用というものも考慮に入ってくるかもしれません。
■決断
決断というのは、「心を決めること」です。
つまり、AとBという選択肢があって、最終的にはどちらにもメリット・デメリット両方ある。
そのときに「よし、これで行こう」と決めるのは、
経験・勘・度胸
のいわゆるKKDです。
多くの企業経営と言うのは、これなんですね。未来を予測して、「こういう未来にしたい」「こういう未来が来る!」と考えた所で、それが当たると決まったわけではない。でも、今までの経験や勘に照らして、「こうするぞ」と決めること。
これは、判断と違い、人によって異なっていますし、論理的に導き出されるものでもない。
ただ、いつまでも決めないでいると、時間だけがどんどん過ぎていく。
だから、これは「拙速」がいいんですね。
ただし、何も情報を持たずに決めるのは、無謀というやつです。
まず、情報を集め、その上に自分の意思を加えて得られる決定、これが決断ですね。
■いまは決断をするときなのか判断をするときなのか
私は、何かの決定を求められた時に、
・判断をするべき問題か
・決断をするべき問題か
をまず考えるようにしてます。
判断をするべき問題であれば、判断をするに足る情報が集まっているのかがまず考えるべきことですね。
逆に決断をするべき問題なのであれば、今ある情報でだけで決めます。
もし決めてその通りやってみてダメなら、すぐに撤回すればいいですから。
部門や課の責任者(管理職)だけでなく、一般社員であっても、常に判断・決断を求められています。例えば、ソフトウエアエンジニアであれば、「この処理をするのに最も適切なアルゴリズムはなんだろうか」という判断をしないといけない時がありますね。それは判断の問題なのか決断の問題なのかは状況によりけりです。
判断の問題に恣意を持ち込めば、大概は失敗します。
逆に、決断の問題なのに情報にこだわり過ぎると、手遅れになります。
あなたがこれからやろうとしていることは、決断のもとに行動してますか? 判断を元にしてますか?