問題が発生してから解決するまで、大きく7つのステップがあります。
いま自分がどのようなステージにあるのか、これを把握しておくと、次の行動が決めやすいです。
これらは常に意識しておかないと、つい目の前のドタバタに引きづられてしまいますが、逆に意識的にできると、「先が読める奴」という評判をもらうことができます。
でも実は大したことはやってなくて、この問題に対する対応がこの先どうなっていくかのテンプレートを持っているだけなんですね。
■問題解決の7ステップ
問題解決他のための7ステップはまず大きく2つのステップに分けられます。◆問題認識ステージ
◆課題対策ステージ
の2つ。
さらに問題認識には2つのステップがあって
◇問題設定ステップ
◇問題把握ステップ
にわかれます。
また、課題対策は5つのステップにわかれます。
◇課題設定ステップ
◇課題解決ステップ
◇総合評価ステップ
◇解決実行ステップ
◇結果評価ステップ
これらを順番にやっていくことで問題が解決できるわけです。
■大分類2ステージ
7つのステップをわざわざ2つのステージに分けているのは意味があります。「問題」は問題として認識された時点で発生しますが、それは単なる「理想状態との乖離」を表しているにすぎません。
問題認識ステージでは、事実に焦点を当てることに専念します。
私の過去の失敗を振り返ってみても、問題を発見した瞬間に対策方法に気持ちがいってしまい、問題という事実をしっかり見るということをしなかったがために、問題の解決を無駄に長引かせたという事がかなりあります。
表面的な「問題状態」を少しばかり把握したからといって、問題の全体像を把握できたわけではないんです。そのため、その問題ばかりに集中してしまい、結果として、別の形で問題を出すことになってしまい、解決が長引きます。
問題認識ステージでは
・事実に焦点を当てる
・細心に分析する
・課題を発見する
この2つを徹底する必要があります。
つまり、このステージでは、過去の事実だけが取り扱う対象です。
一方課題対策ステージでは、収集した問題から、課題を発見したので、今度は未来のアイディアが対象になります。もう過去のことはどうでもいいです。
■問題設定ステップ
第1のステップは、問題設定です。「問題とは何かが定義されたら問題は解決したようなもの」
という至言を聞いたことがある方も多いでしょう。
たとえば、「職場のコミュニケーションがわるい」という問題提起はどの会社でも何時の時代もあるようですが、これは問題が把握できていることにはなりません。
「本社部門と製造部門の連絡に漏れがある」
「上司と部下の日常会話が少ない」
「社員の意見が部門の方針に反映されていない」
などのように具体的にする必要があります。
つまり、なにが原因で、どのような状態になっているのかという直接的に事実をさす事象を明確にしていく必要があるわけです。
これを怠ると、次のステージに進んだときに、人によっていうこと(対策案)が違う事になってしまいます。
ここで注意すべきは、上記の例のように「職場のコミュニケーションがわるい」という事実をたくさん集めること。1点に絞ってはいけません。問題というのは、ある根本原因があって、それに対して、いろいろな外的要因によって、異なる現象として認識されるものです。したがって、多くの現象を集めないと、その後ろに隠れている本当の原因(根本原因)は見つかりません。
したがって、問題設定ステップでは、ブレーンストーミングのように、みんなで「コミュニケーションが悪い」ということに関連した、事実をどんどん出していく方式が有効です。
■問題把握ステップ
こうして集めた事実を分析するのが、この問題把握ステップです。分析の仕方はいろいろありますが、私が多用するのは、TOCの思考プロセスの手法。
簡単に言うと、
「もし××ならば○○になる」
※○○には問題の現象(事実)がはまります
という表現で問題を引き起こしている原因を探っていきます。
この××に当てはまる言葉が問題を引き起こしている原因です。
この仮定文にみんなが同意できるのであれば、さらに××の原因を同じ言い方で探していきます。
多くの場合は、××には、すでに他で上げられた事実のうちどれかが該当するものがあります。
もし該当するものがないようなら、新しい言葉(事実)をはめていきます。
また、よくあるのが、単体では問題ではないが、複数の問題ではない事実・事象が重なると問題を発生させる場合です。
「もし××、かつ、□□ならば○○になる」
という表現で表わされるものです。
もし詳しくこのやり方を知りたいという方は、以下の文献を参考にしてください。
ゴールドラット博士の論理思考プロセス―TOCで最強の会社を創り出せ!
他にもWebで
TOC 思考プロセス
と検索すると、簡単に説明したサイトが見つかりますので、参考にできると思いますが、実際に使って見るためには、上記のような書籍できちんと学んだほうが、実際に役に立つものになります。
ということで、長くなってしまいましたので、続きは次回。
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