2013年03月18日

ももたろう理論



「ももたろう」から何が学べるだろうか?

ひとつは本書のように、
 ・行動哲学
 ・リーダーシップ
を考えるきっかけになるかもしれないとは思います。

まずおばあさんは川へ洗濯に行ってももを拾ってきます。
まったくの偶然ですね。
よくスポーツ選手が優勝した時「運が良かった」と表現することがありますが、運が良ければ私でもオリンピックで金メダルが取れるでしょうか。絶対無理ですね。運をつかむためには、その運をすくい上げるための力をつけておき、運が「流れてくる」場所に行かないとダメなわけです。オリンピックに出られない人は金メダルは取れない。




つまり運というのは、自分の努力の上に立つものであって、すべてが「運まかせ」ということはありえないわけですね。

ということで、どのような行動哲学を持っていれば「もも」と出会えるのか、というのが本書の最初に書いてあることです。

ネタバレは要約のところに。

もう一つ、思い出したのは、桃太郎の戦術論です。

本書には書いてありませんが、鬼といえば、人外の者で、体格・体力では人間をはるかに凌駕する存在であるわけです。
それをまだ子供(だと思ってますが)の桃太郎とイヌや猿、キジの4人(?)でやっつけられるものでしょうか?

鬼が何人いたかは「桃太郎」には出て来ませんが、少なくとも門を構えて領地を持つほどの鬼であれば、10人やそこらはではないでしょう。それを体力的にはるかに劣る4人が完膚無きまでに叩きのめすというのは、どうやったらできるのか。
その上、「桃太郎」のお話では、桃太郎はまったく何もしてません。家来に「きびだんご」を与えておいて、後は3匹に戦わせて、結果称賛を一身に浴びることになります。随分じゃね?

私なら、せめてモンキー・D・ルフィとロロノア・ゾロとサンジが2〜3人くらいづつ欲しいですね(またアニメネタですが)。
(あ、ついでにニコ・ロビンを秘書としてつけてほしい。ナミはちょっと怖いのでパス)。

――閑話休題――
戦術論に話を戻して、桃太郎におけるイヌ・キジ・サルは、戦争における必要な機能を象徴しているというものでした。
つまり

 ・イヌ
  これは純粋に戦闘能力を表している。つまり強力な牙によって相手を打ち倒す機能の象徴としてイヌを使った。

 ・キジ
  これは上空から相手の戦闘態勢を観察する能力を持つことから、情報収集能力を表している。
  つまり、戦術において、相手の戦闘能力、軍備、配置を正確に情報収集出来れば、相手の虚を突いたり、弱点をついたりできる。

 ・サル
  これは知恵の象徴。
  つまり、どのような作戦で相手をより不利にしていくのかの計算をし、いつどのような攻撃を仕掛けるのかの作戦を立案する機能として猿を使った

というものです。

この3つが揃って主人のために活躍すれば「百戦危うからず」というわけですかね。

もしかしたら桃太郎は戦争の天才だったのかも。




要約


◆目次


第1章  ももたろう理論
 童話「ももたろう」に学ぶ
 「運」という言葉について
 運をつかみ夢を実現するための成功戦略
 戦いに勝利するためのリーダーの行動哲学


第2章  ベクトル理論
 すべては、ベクトルから始まる
 夢を絵や文字にしてみる
 「夢」という言葉について
 方向を間違うと絶対に幸せになれない
 最適な手段を選択する
 金は、人生の目的か手段か
 「力を合わせる」とは?
 組織のベクトル
 大きなベクトルは不変、小さなベクトルはくるくる変わる


第3章  サイクル理論
 世の中は、すべてサイクルで動いている
 「見る」と「観る」
 サイクルの基本
 「天使のサイクル」と「悪魔のサイクル」
 スプーン一杯の勇気
 天使のサイクルを回し続ける
 「やったことがない」と「時間がない」
 現状維持は、後退を意味する
 能力より少し高い目標に挑戦する
 暇な人ほど時間がない
 もうひとつのサイクル理論(ルーチン・サイクル)


第4章  雨を怨まず理論
 TK青果のオヤジ
 雨を怨まず
 どんな夢もゼロからスタートする

◆要約


人は誰しも夢を持っています。人それぞれの夢があり、その抱いた夢がたどる道筋も、そして結末も、また人それぞれ異なります。
夢を次々に実現させていく人。夢のままで終わらせてしまう人。
夢を持ったことすら、日々の生活の中でいつしか忘れてしまう人。
このような違いは、いったいどこからくるのでしょう。
どうしたら人は自分の描いた夢を実現させることができるのでしょうか。
皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
私の頭の中は、非常に単純にできていますので、物事を難しく考えることは苦手です。一見複雑に見えることでも、できるだけ単純化してみよう。そう考えながら今日まで生きてきました。
夢といえば、私自身も、ささやかな夢を抱いてきました。仕事も結構がんばつてきたつもりです。私自身が夢を実現するために考えてきたこと、そして人から教えてもらったり、気づかせてもらったことなどを、これまで走り書きしてきました。あるときそのようにして書きためてきた文章に手を入れて系統立てて整理してみようと考えました。
それが本書『ももたろう理論』です。本書で展開するのは、つまり「夢を実現するための成功戦略」なのです。少々大げさだと思われるかもしれませんが、中味は、次のようにシンプルな構成となっています。
第1章は、運をつかみ、戦いに勝利するための「ももたろう理論」。
第2章は、目標を明確にし、力を合わせるための「ベクトル理論」。
第3章は、努力を継続し、成長発展するための「サイクル理論」。
そして最後は、幸せを幸せと感じるための「雨を怨まず理論」です。
「ももたろう」と「ベクトル」と「サイクル」、そして「雨を怨まず」の順です。

◆参考図書



◇アマゾンで見る

ももたろう理論―童話「ももたろう」に秘められた成功の法則


◇楽天で見る
ももたろう理論

ももたろう理論
著者:川上浩二
価格:735円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



キーポイント


▼P30━運をつかみ夢を実現するための成功戦略━━━━━━━━━━▼
・川に出かけなければももには出会えない。
・良いももを見分ける力が必要である。
・ももはすぐに通り過ぎてしまう。
・腕を鍛えておかないと、ももは拾えない。
・実力以上のももに飛びつくと、おぼれる。
・ももを拾っても、ほうっておけば腐る。
・割ってみなければ、ももたろうは出てこない
・大切に育てないと、不良になる。
・本当は、たくさんのももが流れている。
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲

▼P44━戦いに勝利するためのリーダーの行動哲学━━━━━━━━▼
・日本一のきびだんこを持っているか?
・ついてくるものを拒まない。
・一人では戦えない。
・多彩な人材を集める。
・集団を組織としてまとめあげる。
・戦いには正義が必要である。
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲

▼P72━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼
・自分の夢を明確にする。
・夢に対して自分のべクトルが正しい方向を向いているかどうかを確かめる。
・夢をかなえる手段が社会の規範やルールにかなった「正しい」ものでなければ、本当の幸せは絶対につかめない。
・お金は人生の目的ではなく、幸せになるために必要な手段である。
・復数で頑張るときには、「力の方向を同じ向きにそろえる」ことが重要である。
・リーダーは組織が目指すべき方向をメンバーに明確に示さなければならない。
・大きなべクトルは不変、小さなべクトルはくるくる変わる。
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲

▼P97━暇な人ほど時間がない━━━━━━━━━━━━━━━▼
逆説的に聞こえるかもしれませんが「暇な人ほど時間がなく「忙しい人ほど時間がある」というのが、私の持論なのです。
現実に組織の巾ではポストが L がるほど、仕事の内容は高度になり、スケジュールも分刻みと詰まってきます。それにもかかわらず、普通の人には想像もつかないくらいにたくさんの本を読んでいるという人に出会ってしばしば驚かされることがあります。

したがって、この言葉は、「仕事のできない人ほど時間がなくて、仕事のできる人ほど時間がある」と言い換えた方が理解しやすいかもしれません。

この、言葉には、本章の七「『 やったことがない 』 と『時間がない』」で説明したことにも関連する次の二つの意味が含まれています。
第一の意味は、仕事のできない人ほど、自分の仕事のやり方について努力も工夫もしませんので、仕事の処理時間が短縮されることはなく、与えられた仕事を遂行するだけで精一杯で、いつも時問が足りなくなるという意味です。これとは逆に、仕事のできる人ほど、自分の仕事に対して努力と工夫をしますので、新たなチャレンジをする時間を次 々 に創り出していきます。

第2の意味は、新たな仕事をしたくないという思いが、「時間がない」という言葉になって出てくるという意味です。これに対して、仕事のできる人は自分を成長させようという意識も高いので、「時問がない」という言葉を口実には使いません。むしろ、スケジュールをなんとか工夫して、そこに押し込んでしまいます。なわち段取りの能力が非常に高いのです。彼らは、そういう時間の調整能力、すビジネスの世界では、「仕事を頼むなら、忙しい人に頼め」といがありますが、こういうことを指しているのだと思います。
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲


▼P104━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼
・人間の行動バ夕ーンには[天使のサイクル」(良いサイクル)と[悪魔のサイクル」(悪いサイクル)がある。
・「スプーン一杯の勇気」を持つことが、自分の人生を「天使のサイクル」に持ち込むための必須アイテムである。
・夢を実現させるために一番大切なことは、自分のサイクルを「天使のサイクル」の方向に回し続けることである。
・[経験がないからできない」、「時間がないからできない」は、「やりたくない」と同義語である。
・現状を維持することは後退を意味する。
・暇な人ほど時間がなく、忙しい人ほど時問がある。
・ルーチン的なサイクルの管理には、仕事の質を古同め、さらに作業時間を減らす効果がある。
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲

▼P119━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼
・ハンディキャップを自分の最大の武器に変える。
・自分では変えることができない事象に対して、怨み言を言わない。
・どんなに自分にとってマイナスの事象であっても、その裏には必ずプラスの要素が含まれている。
・問題解決のキーワードは、自分自身の心の内側にある。
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲




■参考図書 『ももたろう理論




ももたろうは、なぜ鬼を退治できたのか?ももたろうに“勝ち組”の秘訣を学ぼう。





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

ももたろう理論
著者 :川上浩二

ももたろう理論
検索 :最安値検索

ももたろう理論
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 ももたろう理論
 魚の目―フローを見る力4:貯めと開放、3つの力を活用する
 魚の目―フローを見る力3:慣性の視点
 魚の目―フローを見る力2:作用と反作用の視点
 発想法:シネクティクスとアナロジー発想法
 アナロジー発想法
 NM法を使う実例

●このテーマの関連図書


「だから女は」と言わせない最強の仕事術

なぜ桃太郎はキビ団子ひとつで仲間を増やせるのか?〜儲かる会社は知ってい…

服は、あなた。

世界一やさしいイラスト図解版!ランチェスターNo.1理論

10倍売れるWebコピーライティングーコンバージョン率平均4.92%を稼…

一流の人はなぜ、そう考えるのか?





■同じテーマの記事

部下はストーリー分析で育成する

もしあなたが、誰かの教育指導をする必要があるなら、「この判断はダメ。なぜなら〜」「をしなさい。これをすることでが得られるから…」のように話をするよりも、若者が伸びる話し方があります。本になる成功ストーリーより隣の人の失敗談よく成功本には、その人がどのようなことをした結果どれほどすごい成功をしてそれが現在のその人の地位や成果に結びつけているかが書いてあります。私もこういう本を時々読みます。ただ、実際の仕事にお..

ももたろう理論

「ももたろう」から何が学べるだろうか?ひとつは本書のように、・行動哲学・リーダーシップを考えるきっかけになるかもしれないとは思います。まずおばあさんは川へ洗濯に行ってももを拾ってきます。まったくの偶然ですね。よくスポーツ選手が優勝した時「運が良かった」と表現することがありますが、運が良ければ私でもオリンピックで金メダルが取れるでしょうか。絶対無理ですね。運をつかむためには、その運をすくい上げるための力をつけておき、運が「流れ..

魚の目―フローを見る力4:貯めと開放、3つの力を活用する

前回の記事で、「魚の眼フローの視点」を身につけるためには、「3つの作用を見るといい」と書きました。・作用と反作用・慣性・貯めと開放この3つが掛け合わさって、殆どの出来事が起きてます。前回まででは「作用と反作用」「慣性」について説明しましたので、今回は最後、「貯めと開放」についてお送りします。貯めと開放これは、火山の爆発と同じ。徐々に圧力が高まってきていて、ある時臨界点を超えると、大爆発をおこして、誰の目にも明らかになる..

魚の目―フローを見る力3:慣性の視点

前回の記事で、「魚の眼フローの視点」を身につけるためには、「3つの作用を見るといい」と書きました。・作用と反作用・慣性・貯めと開放この3つが掛け合わさって、殆どの出来事が起きてます。前回は「作用と反作用」について説明しましたので、今回は「慣性」の視点について。慣性「慣性の法則」といえば物理学の世界ですが、人間組織にも、あるいは個人にでも慣性はあります。毎日同じ電車に乗って、同じ席に座っているなんて、惰性そのもの..

魚の目―フローを見る力2:作用と反作用の視点

前回の記事で、「魚の眼フローの視点」を身につけるためには、「3つの作用を見るといい」と書きました。・作用と反作用・慣性・貯めと開放この3つが掛け合わさって、殆どの出来事が起きてます。それぞれについて説明していきます。作用と反作用中学だか高校だかで習う、物理の法則をそのまま借用しました。これは、なにかをしよう(変えよう)とする力と、現状維持をしようとするちからの関係ですね。たとえば、明治維新前夜、国のあり方を変えようとす..

魚の目―フローを見る力1:3つの力を理解する

以前の記事「9つの目の交渉術」の記事で、1.蟻の目ミクロの視点2.鳥の目マクロの視点3.魚の目フローの視点という3つの視点に基づく視野を持つことで、ものごと正確に見ることができる、という記事を書きました。本日は、「魚の眼フローの視点」を持つための思考方法をもうちょっと詳しく考えてみたいと思います。前後関係フローの視点というのは、ある出来事を時系列の中で捉えることです..




posted by 管理人 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
著者の川上です。(^^)v
うれしい出来事でした。
Posted by 川上浩二 at 2013年08月06日 10:45
拙いブログに著者の方から直接コメントを頂けるとは思いませんでした。
どうもありがとうございます。

「ももたろう理論」は、昔話から現代のビジネスマンにとって学びがあるという点で、自分にとっては画期的な本でした。さらに後半のサイクル理論は、自分が漠然と思っていたことがズバリ文章になっていて、今までモヤモヤしていたものが、すごくクリアになった点で、何度も読み返す本になりました。

どうもありがとうございました。
これからも素晴らしい著書を期待しています。
Posted by 管理人 at 2013年08月10日 16:46
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック