「ちょっと時間はある?」
これほど本音を偽った質問もそうはないでしょう。
こんな言い方より、本当のことを行ってほしいものです。
「あなたの貴重な時間を20分間無駄にしてほしいんだけど、いい?」
実際やっているのはそういう行為の場合が少なくありません。
でも本当にそうきかれたら、あなたならどう答えますか?
■タイムバンデッド
タイムバンデッド = 時間泥棒
私が(勝手に、こっそり)読んでいる部族の名前です。
この部族、困ったことに時々重要な情報や、役に立つうわさ話なども運んでくれるので、ムゲにも断れません。
まあ、優先順位もありますので、割禁(割込禁止)−一人会議みたいなことをするわけですが。
今日は私がタイムバンデッド族と読んでいる部族の、さらに小部族を紹介して、その対処法について考えてみたいと思います。
■ゴシップ族
「あの話、聞いた?」が枕詞の部族です。
この時に、「何を?」などと答えようものなら、軽く30分は消滅します。ひどい時は1時間も。
私の会社は別の会社に清掃を頼んでいるのですが、このオバサンがこの部族の人で、「昨日はちょっと大変だったのぉ」などと話しかけていただけます。もちろん、フレンドリーで良い人なのですが、「どうしたんです?」などと言おうものなら、
「あの〜、あなたも仕事したほうがいいと思うんですけど…」
と余計な心配まで…
◆対処法
無視するに限る。もちろん、最低限の挨拶はするものの、罠には引っかからないように、「あ、そうですか。いつもありがとうございます」と、とっとと席を離れるのが一番。
■不平・不満族
この部族が求めているのは、賛同者です。しかし、安易に賛同しても否定しても長時間引っ張られることになります。
愚痴をさんざんぶちまけておいて、本人はいたってスッキリしてお帰りになるのですが、残されたこっちは、過ぎ去ってしまった時間とまだ片付いていないタスクに涙することになります。
かと言って、「それはあなたにも問題があるよ」などと否定しようものなら、その後マシンガン攻撃を食らうことになります。
◆対処法
話を変えるしかありません。
元々は、必要があって話を始めた場合には、なんとか結論の出る話に戻す作戦を必死になって考えます。
自分が試して、一番良かったのは「それは大変でしたね。ところで、この件だけど、こういう結論でいいかな?」と一応相手を認めておいて、いきなり議論の結論をぶつけてしまうこと。
■ニューカマー族
まぁ、管理職にもなればこの手の部族の扱いには慣れているでしょう。
この部族、とにかく「どうやればいいですか?」が口癖。
彼らの夢は、大したことをせずに、スマートに仕事が出来て、あなたより早く帰ることです。
新人の指導だからといって、「困ったことがあったら、なんでも相談して」などと言おうものなら、「相談」ではなく、山本五十六ばりの「やって見せ、やってみせて、言って聞かせて〜」をさせられる事になります。
最悪なのは、「やって見せ」の時点で、その作業はもう終わっているので、「あ、できたんですね。ありがとうございます」と言われてしまうこと。次に同じ作業をさせようとしても、「前回やっていただいたのでわかりません。もう一度やって見せて下さい」とか言われてしまいます。
◆対処法
「まず、自分でどうやったらできるか考えてみて。それをやってみて、うまく行かなかったところを見せに来て」と言いましょう。
■レジェンド族
どういうわけかお年寄りがおおいですが、時には中堅も。
この部族は、とにかく「以前、同じ事をやろうとした時にね〜」みたいに過去の事例といかに自分が奮闘したかを話したがります。結構年上の場合もあるので、簡単には無視もできません。
先日、別の会社の人と打ち合わせをしている時にこの部族と遭遇しました。
「いや、私が新人だった頃はちょうどパソコンの普及機で、PC-8001とかFMパソコンとかあってねぇ。これがベーシックというOSで動くんだよ。雑誌のゲームのプログラムが印刷してあるので、それを一生懸命パソコンに打ち込んで、それでゲームをしたんだよ。特にね………」
とまあ、そのPC-8001の性能やスペックについて詳しく教えてくれました(T_T)。
その上、そこに同行してきた若い営業の方も
「へ〜。そうなんですか。それで今パソコンに詳しいんですね」
などとヨイショするもんだから…。
ちなみにベーシック(BASIC)はOSではありませんので、そこんところよろしく。
◆対処法
黙って下を向きましょう。
こういう方は、自分の先輩(たとえ職位が下でも年上)や上司の場合もあるので、無理に話の腰を折ると、意外な所で余計なツッコミをうけます。とにかく嵐が過ぎ去るのをひたすら待つこと。
この同行してきた若い営業の方は、そういう意味で世渡り上手なのかも。
ま、待っている間に、ダメになったスケジュールをどう組み直すかを一生懸命考えましょう。