よく、「お客様のために」とか「お客様第一」とか会社理念で掲げている会社があります。
それ自体は否定するものではありませんが、それを真に受けて仕事をするのはちょっとサラリーマンとしてはアレかも。
お客様にサービスや製品を提供して、お客様からお金をもらい、それが会社の利益になって、サラリーマンにも給料が出る。
このながれは間違ったものではありませんが、あなたの給料を決めているのは、お客様ではなく上司です。
■上司の方向を向いて仕事をする
上司が求めているものを部下として提供できなければ上司は評価してくれません。
たとえ、それがお客様のためであっても、上司のためにならなければあなたの給料が増えたり、職位が上がったりしないわけです。
最近アメリカ政府による個人情報収集が話題になりましたね。
あれをリークした人は、その組織どころかアメリカにもいられなくなりましたね。
もちろん、あれだけ社会的に認知されれば擁護してくれる人はいるでしょうけど、さて、あの上司(の更に上の上司)にダメージを負わせた人は今後どうなるのでしょうか?
社会正義という意味で、あのCIAの元職員はとても勇気のある方だと思います。
しかしながら、それほど社会にセンセーショナルな情報を持っているわけでもなく、イチ・サラリーマンとしてほそぼそと仕事をして給料をもらう身としては、上司が「しなさい」といったことに対して、「それはお客様のためになりませんから」と言って断れば、どうなるのかは、まあ、創造の範囲に収まる確率のほうが高いでしょう。
もちろん、法律に違反するようなことは、絶対に受け入れられるものではありませんが、そうでなければ「業務命令」には前向きに従う必要はあるかと思います。
つまり、お客様ではなく上司の方向を向いて仕事をするのが出世するコツです。
■上司のやり方が間違っている?
最近の社会通念やモラルなども同様。
上司が「こういうやり方でやりなさい」と言われたのであれば、そのルールに従ったほうが得策です。
ひとつには、社会通念やモラルは組織や文化風土によって異なるものだから。
つまりは、その組織ではそうするのが普通というばあいも少なくありません。つまり、あなたの持っているモラルと上司の持っているモラルは別物だという事を認識していないと、「自分のモラル」を上司に押し付けることになります。
少なくとも上司は部下の持っているモラルを、「そうだよね」と言って受け入れることはまずありません。
もう一つは、上司の持っている経験・知識。
上司が上司である理由は、あなたより実績や能力があり、会社でそれ(実績・能力)が認められているから上司なわけです。
つまり会社(という組織)はあなたの判断よりも上司の判断に重きを置いているわけです。
それを否定してしまうのは、組織を否定することにつながり、結果として、そこの組織をスピンアウトせざるを得ないばあいも出てきます。
もちろん、それを覚悟した上で、それでも上司が間違っていると思えれば戦えばいいですが、あまり勝ち目のある戦いだとは思わないほうがいいです。
■上司が望んでいることを知る
上司が何を望み、何を実現しようとしているのかを考え、結果としてそれが実現できるような方策を実行していく。これがその会社で伸びていくコツだと思ってます。
例えば、お客様からの感謝の手紙に重きを置いていれば、一生懸命お客様満足度を上げる方策を考えればいいです。
逆に、徹底的な人件費コストダウンを考えているのであれば、自分も含めた従業員の給料を減らすための提案をすればいいです。その結果が認められれば、あなたは昇進し、給料は逆に増えるでしょう。
そういうことがちゃんと書いてある本は少ないですが、
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はお薦めのひとつ。
給料が300万以上の人も、読んでみて自分の給料を増やしていくにはどうすればいいか、考える機会になってくれればとおもいます。
■上司になる
もし、上司のやり方が気に入らないのであれば、まずその上司より上に行くことです。
組織の考え方が気に入らなければ、飲み屋で文句をいうのではなく、その組織のトップになることです。そうすれば組織を変えることができます。単なるメンバーには組織を変える力はありません。
明治維新の元勲たちの成功物語を聞いたりすると、よくそういうことを考えたりします。一介の下級武士だった人が薩摩藩の有力実力者になれたからこそ、彼らの夢だった維新を成し遂げることができたわけですね。主君より偉くなったから、「廃藩置県=主君の地位剥奪」なんてこともできたわけです。
■お客様第一
会社は社会の公器としての働きが必要ですので、「お客様から搾れるだけ搾り取れ」なんてことは言いません。でも「ご一緒にポテトもいかがですか?」は言わないといけないわけです。とびきりの笑顔で。
でも、誰かに何かを提案するときには、「お客様のために」と言わないと受け入れてもらえないです。
間違っても、「オレの給料を増やすために」なんて言ってはいけません。
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