「仕事をする」というのは、何でしょうか?
この本に面白いことが書いてありました。
モチベーションで仕事はできない (ベスト新書)
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サラリーマンの仕事とは何だろうか。それは「書類をつくること」だ。これは多くの自営業者でも変わらない。そして、今は仕事とパソコンは切り離せない。多くの場合、仕事とは、パソコンのフアイルをつくることと同義だ。
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こ、これはたしかに鋭い。
仕事の成果とは、確かに売上とか、会社への貢献があげられると思いますが、直接的には
書類(パソコンのファイル)を作ること
というのが、そのための第一歩であるわけですね。
確かに、何かを考えてそれを「実行」に移さなければ成果にならないというのは仕事として当然なのですが、考えたことを上司や同僚、あるいは別の部署の人に理解して貰う必要があるわけです。それをした上で、実行することが必要ですね。
■仕事の効率を上げるには?
とおもってみてみると、プログラマ以外の人でも、1日の内60%〜80%近くはパソコンに向かって何かしている人が多いです。
もちろん、生産ラインで直接生産に関わっている人は別ですが、今や日本の労働者でそういった作業をしている人はごく僅か。
殆どの人は、日がなパソコンに向かって、何かを入力したり、何かを読んだりしているわけです。
それ以外には会議時間かな。
であれば、パソコンの操作速度を上げるのが仕事の効率化には非常に効果が高いといえる、という事ですね。
■パソコンの処理速度を上げる
なにも、PC自体の処理能力を上げる必要はありません。
PCのパフォーマンスモニタを見てみればわかると思いますが、1日平均のCPUの処理時間が30%を超える人というのは珍しいのではないでしょうか。殆どの場合は10%位だと思います。
つまりPCのCUPの処理の8割以上は、何もしてない時間です。
じゃぁこの時、何をしているかというと、人間がPCを眺めて、書いてあることを読み取っていたり、何かを一生懸命入力している時間なわけです。
スキマ時間を一生懸命何かのタスクで埋めるより、こっちを効率化したほうが圧倒的に効くとは思いませんか?
たとえば、1日の仕事時間を8時間=480分として、そのうち7割がパソコンに向かっている時間。残り2割が打ち合わせなどのコミュニケーションの時間、残り1割がスキマ時間。
そうすると、1割の時間の作業効率を10%上げたとしても1日で増える時間はたったの5分です。
ところが、パソコンの作業を10%効率化すれば、34分の時間が作り出せる計算になります。
つまり、パソコンをいかに早く操作できるかが、仕事の能率を決めるキーになっているわけです。
◆モニタを大きくする
大きなモニタ(=解像度が高い)を使えば、1回で見渡せる範囲は当然大きくなります。
そうすれば、「スクロール」という操作をしなくてもすみます。それだけ作業効率が上がることになります。
◆複数のモニタを使う
複数のモニタを使うと、同時に複数のウインドウを開いて作業することができます。
多くの書類作成は、自分の頭のなかにあることを、どんどん打ち込んでいくわけではなく、過去に作った何かの資料を参照しながら進めます。ですので、同時に資料を見ながら作業ができるというのは能率向上に効くんですね。
考えてみれば、何か紙の書類を作るときには、机に書くためのレポート用紙をおいて、その横に資料の本などを開いてやってましたよね。PCで書類を作るようになってから、書類(ウインドウ)を作っている書類の下に入れる(ウインドウを重ねる)用になったのではないでしょうか。いちいち書類を上に持ってきたり、レポートを上に持ってきたりしてたらやたら効率が悪いのに、どういうわけかPCではそれが普通になってませんでしょうか。
ちなみに私は、会社では2台のモニタ。自宅には3台のモニタを使ってます。
◆透過ウインドウを使う
どうしてもモニタが複数台用意できないとき、あるいは、デスクトップに表示しきれないときに、
ArtTips
http://www2s.biglobe.ne.jp/~sahmaro/index.html
というソフトにある、透過ウインドウというのが便利です。
これは、参考にしたいアプリのウインドウを全面に出した状態で、マウスホイールを回すと半透明になって下のウインドウが操作できるようになってくれます。ちょっと文字が重なったりして見難いですが、いちいちウインドウを切り替えるよりマシ。
その他にもすごく便利な機能が山盛りなので、一度お試しください。
◆キーボードの入力速度を早くする
以前の記事でも何度かおすすめしてますが、是非やって欲しいのが、このタイプ速度をあげるということ。
PCの操作時間の半分以上はマウスを使っていると思いますが、何かを作るためには、この「キーボードでタイプする」という作業が欠かせません。
何かの打ち合わせでも、議事録を表示しながら打ち合わせをすることが多いですが、これが議論の妨げになっていることを時々見かけます。誰かが何かを話すと、一生懸命タイプを始めるのですが、当然ながらしゃべる速度には追いつけない。そうすると、別の人が喋ろうと思った時に議事録係が「ちょっと待って……」と言いながら一生懸命タイプするわけです。結果議論が中断して、「はいどうぞ」となった時に、喋ろうとしていた人は、「何を話そうとしていたっけ??」で議論が全く進まない。
プログラマでも、ブラインドタッチのできない人を時々見かけます。あるいは、我流のブラインドタッチ。これがやたら効率が悪い。
プロならキーの入力は、人のしゃべる速度の半分以上くらいまで練習してほしいものだ、と常々思います。
プログラマでない人に対しても同様です。書類を作ること=仕事、なのであれば、ほとんどのサラリーマンは「書類を作るプロ」なわけです。プロ野球選手が、正しいバットの持ち方を知らずに、上下逆に持っていたら、ちょっとアレなのではないでしょうかね?
◆マウスは使わない
これも何度か紹介してますが、マウスを使わずにPCを操作することに習熟すると圧倒的に作業が早くなります。
たとえば、ウインドウを切り替えて別の資料を確認するのに、
・マウスを握り直して、タスクバーに持って行き、必要なソフトをポイントしてクリックする
・ALT+TABキーを押す
このどちらが素早くできると思います?
ウインドウの切り替えくらい瞬時にできるようにしておきたいですね。
これまた過去に何度かご紹介してますが、
enthumble
http://jp.enthumble.com/
は、カーソルキーなどの機能キーをホームポジションに指をおいたまま使えるようにしてくれるソフトです。
でも、ブラインドタッチができない人は、まずブラインドタッチの練習からですかね。
◆ショートカットを使う
これも習熟がある程度必要ですが、ほとんどのソフトには、「ショートカット」キーというのが定義されてます。
定義されていなくてもメニューは「ALT+なんとか」のキーで呼び出せます。
マウスでこれをやろうとするより、断然早くなります。
せめて、「ALT+F4」「CTRL+F4」「WIN+R」「WIN+D」「Win+E」「CTRL+C」「CTRL+V」「CTRL+W」「CTRL+S」くらいは覚えておくといいです。アプリでほとんど共通なので。
Windows7からは「WIN+数字」で登録したよく使うアプリを呼び出すことができるようになりました。これはランチャーアプリでもできますが、アプリを色々立ち上げておくとうっとおしいので、使ってないですが。
◆ノートPCのホイールパッドを使う
マウスよりもノートPCに付いているホイールパッド(メーカによって名前が違いますが、ようはキーボードの手前に付いているマウスカーソルが動かせるやつ)を活用すると素早くマウスカーソルが動かせるようになります。
ポイントは、キーボードから手を離さずに使える点。
ただし、精密にマウスを使うような作業には向きませんが。