以前、社内で職位はそれほど高くないけど、先輩ですごく影響力のある人がいました。
その人が納得すると、いつのまにやら賛同者が増えていて、活動がドンドン推進されていくのです。
不思議に思って、その方に「仕事の進め方のコツ」というのを聞いてみました。
■「ふつうのコトしかしてないよ」
なかなか教えてもらえずに、返ってきた言葉がこれです。
今なら、『「普通」ってなに?』とちゃんと「その人が普通とおもっていることと、実際に多くの人がしていることの違い」に突っ込めたと思うのですが、何しろ
若かったもので(言い訳)、「教えてくれたっていいじゃん…」とちょっとヒガみましたね〜。
で、ある時気がついたです。
その人、話をするときに、いつも手前にA4の白紙をおいてあるんですね。
で、そこになんだかわからない線や四角を書きながら、あるいは言った言葉をそのまま書きながら話をしている。
会議などではほとんどの場合、その人がホワイトボードの前にたってる。
「なるほど」
と思いましたね。
その人にとっては、なにか
話すことはすべてプレゼンテーション】なんですね。
で、それが
普通だと。
■A4の紙束をくすねてくる
コピー機のところ(プリンタの所でもいいですが)に行くと、そこにA4で500枚のコピー用紙がおいてありますよね。
それを一束くすねてきます。
で、その封を開いて、適当な箱にいれて机の脇においておきます。
これで準備は完成です。
■とにかく書く
誰かと話をする時、何かふと考えが浮かんだ時、その紙を1枚取り出して、そこに適当に書きなぐりましょう。
ただし、文章を書こうと思わないこと、文字を書くのはある程度仕方ないですが、とにかく
絵にすることを目標に頑張ってみてください。
最初は結構苦痛ですが、慣れてくると書くのが本当に早くなります。
別に、日展に出すわけではないので、綺麗に書く必要はありません。
丸と四角、あと出来れば三角と星印、それから線、矢印
これだけがかければ、世界は表現出来ます(って言い過ぎか?)。
ペンは3色か4色のボールペンがあれば充分。
なければ単色のボールペンでも全く支障はありません。
とにかく
話したことを図解することを必ず目標にしてください。
もちろん、話すことも重要ですが、話しながら絵にしていくわけです。
■論理思考ができるようになる
これをやるようになって、簡単にできるようになったのが、先日の記事で書いた
結起承転結。
絵を書こうとすると、「どこに何を書いて…」というのが漠然と頭に浮かばないと、あとで書くエリアが足らなくなったりします。
パソコンで書くと、ドンドン拡張ができるので着にしませんが、もともと物理的な制約がある紙の上では、そうは行きません。
で、どうなるかというと、話の全体像を前もって考えるようになるんですね。
それから話し始めるので、話に一貫性があったり、わかりやすい説明になるわけです。
さらに、聞き手も、聴覚情報と視覚情報の両方から話が入ってくるので、ドンドン進んでいってしまう音声とは違い、時々(話が)どこのあたりにいるかを振り返りながら聞けるんです。
そうすると、理解もしやすいというわけ。
これが、話の下手な人、交渉の下手な人は「ちょっと今言ったこと絵にしてみて」といわれてもできないです。不思議なことにこれは自分の知っている範囲では共通した特徴。
ようは、全体像を自分でも理解できていないので、一部だけを一生懸命喋ったりしてますが、結局何が言いたいのかわからない。
いろんな部分が集まって全体が出来上がっているはずなのに、その全体の構造が説明できないんですね。
冒頭の先輩は、話しながら絵を描くことで
●相手の理解を助けている
●自分の思考を整理する訓練をしている
を同時にやっていたんですね。
役員になられた今でも、手元の紙は必需品だそうです。
机が広くなったので、ボールペンとA4紙ではなく、マジックとA3紙だそうですが。
■同じテーマの記事
なにかの資料やレポートを作るときに、どんな手順で資料を作ってますか?最初はデータ集めからかも知れませんが、私はまず、あらすじをノートに書くことにしてます。資料の作成ステップを理解する資料は通常はこんなステップで作成します。主張したいことを決める↓構想を練る(必要な論拠を考える)↓骨格を決める(ストーリーを作る)↓肉付けをする(論拠で必要な情報を抽出する)↓必要な情報を集める↓推敲する(論理の整合..
以前、社内で職位はそれほど高くないけど、先輩ですごく影響力のある人がいました。その人が納得すると、いつのまにやら賛同者が増えていて、活動がドンドン推進されていくのです。不思議に思って、その方に「仕事の進め方のコツ」というのを聞いてみました。「ふつうのコトしかしてないよ」なかなか教えてもらえずに、返ってきた言葉がこれです。今なら、『「普通」ってなに?』とちゃんと「その人が普通とおもっていることと、実際に多くの人がしていることの違い」に突っ込めたと思うのですが、何しろ若..
会社で会議をすると、会議ごとに議事録を作ってますよね。あれ活用されているのでしょうかね?エビデンスと周知のための議事録議事録には2つ目的があって、ひとつはエビデンス。つまり、だれが何を言ったのかの証拠です。あとで「言った、言わない」のトラブルになったり、決定事項の背景を会議に参加していない人にも通知する役目です。この目的であれば、会議に参加した人は議事録を見る必要はありません。その場にいたのでより詳しく知っているはずですから。逆に会議に参加していない人で何らかの影響..
会社で会議をすると、会議ごとに議事録を作ってますよね。あれ活用されているのでしょうかね?エビデンスと周知のための議事録議事録には2つ目的があって、ひとつはエビデンス。つまり、だれが何を言ったのかの証拠です。あとで「言った、言わない」のトラブルになったり、決定事項の背景を会議に参加していない人にも通知する役目です。この目的であれば、会議に参加した人は議事録を見る必要はありません。その場にいたのでより詳しく知っているはずですから。逆に会議に参加していない人で何らかの影響..
過去記事で、何度か「禁句集」というのを書いてます。「したいと思います」は禁句「だいたい君はいつも」は禁句言ってはいけない言葉この理由についても、それぞれの記事を参照していただければいいですが、この禁句のなかで、マイナス言葉というものがあります。マイナス言葉マイナス言葉を言い直せ「言い直し言葉」を使う習慣をつけましょう。何度かふれた中村天風は、言葉の力を非常に重視しました..
話をしていて「コイツ、論理破綻してるな〜」と感じることがよくあります。ところが、それがすぐにわからないものもあるし、それが見抜けていない人もいます。人それぞれ。こういうことに気がつけるようになるには、どうすればいいのでしょうか?洞察力を鍛えるとか、論理図解が出来るようになるとか、いろいろ方法はあるのですが(過去記事でも幾つか紹介してます)、テレビでもよく見かける方法があります。漫才です。ボケとツッコミ漫才は、片方が論理的におか..
デジタル化が進んできて、「書類を見る」という行為も、PC で Word ファイルや PowerPoint ファイルを見ることみたいになりましたが、ウチの会社ではまだ多少は、紙の書類も現役です。たとえば、回覧資料、社会動静をまとめたスクラップブック、提案書(捺印の必要なもの)など。書類を書類棚から探す過去記事で何度か書いてますが、探すという行為は成果にはなんの影響もありません。探した結果だげが成果に結びつきます。したがって、探さ..
毎年、社内の昇進昇格の面接官をやってます。課長止まり多くのサラリーマンは長年務めると、「長」のつく役職にあがるか、その直前くらいまでにはなります。ただ、そこから上に行くためには、かなり厳しい。いわゆる「ピーターの法則」ってやつですね。でも、それだけじゃないんですよ。いろいろな人の面接をしてきて、簡単に合格レベルだと判断できる人は実際ごくわずかで、結構みんな「ん〜。どうしよう」って悩みます。もちろん、ポストの数の問題というのもあります。課長以上のポストというのは簡単に..
私が過去に採用面接や昇級・昇格面接で経験した「これは!」という問答をちょっと紹介します。質問:あなたの職歴・経験について教えてください普通の答え年に××社に入社しまして、部に配属されました。その後、年に部に移籍になりを担当しました。⇒勝手な感想そんなこと履歴書に書いてあるじゃん…グッドアンサーこれまでの職務経験でお伝えしたいことは3つあります(指を折りながら)。一つ目が、年に××社の部で経験したことですが、についてをし..
他人から信頼を得る方法について、非常に簡潔にまとまっているのでご紹介。信頼方程式 T=(E+R+I)/S信頼の方程式信頼を高めるのは、商売において最も大事なポイントです。どんな商売でも相手に信用してもらえない限り、何も買ってもらえません。つまり信頼関係がなければ、お金にならないのです。そこで、あるコンサルタントが書いた本(『The Trusted Advisor』 デビッド・マイスタ..