2013年08月28日

拾読・通読・精読・考読





読書で速読をするべきとか、多読をするべきとか、いろいろなオススメがありますが、実際どれをやればいいんだ? と思うことってありません?

たくさん読んで、たくさんの知識を得て、それを東東実践に展開できればそれに越したことはないのかもしれませんが、仕事もしないといけないし、家庭のこともしないといけないし、その上本を読んでそれを血肉にしていくなんていうこともと思うと、時間なんていくらあっても足らないですよね。

ただ、私は個人的には年間200冊を目標にしていて、読後の感想文の数で毎月の進捗状況を管理してますので、結構この数字が気になったりします。

そこで、読書は自分に必要な本をフィルタリングをしながら、徐々に深く読書をするようにしてます。その段階は4段階。




 第1段階  拾読
 第2段階  通読
 第3段階  精読
 第4段階  考読

■拾読


時間にして10〜30分程度で1冊を読んでしまいます。
これでも1冊は1冊。

何を読むかというと、前書き、目次、後書きと本文の一部。
いわゆる「速読」っぽいこともしますが、基本は気になったところだけを読みます。

大体年間300〜400冊くらい。本屋さんで立ち読みをするレベルと考えてもらえればいいでしょうか。
私の場合、ほぼ毎週土曜日は図書館で2〜3時間過ごすので、その間に5〜10冊くらいは、この段階でふるいにかけてしまいます。
時々、拾読のつもりで読み始めて、面白いといつの間にか全部読んでた、なんてことも有りますが…。




■通読


拾読して、「これは結構面白いかも」とおもった本や小説、あまり馴染みのないジャンルの本はこの段階まで進みます。

この段階まで進むものが、読書感想文を書く対象です。
これが年間大体200冊前後。

これは本屋さんや図書館で手にとった本だけではなく、本を紹介するメルマガなどで要約を見て、面白そうと思えば、拾読をとばして、ここからはじまることも。

通読は、とにかく最初から最後まで読み切ってしまいます。
気になったところは付箋をつけるだけなので、電車の中やちょっとした空き時間に読むことができます。

以前の記事付箋紙で紹介したように、栞に付箋紙が大量に貼ってあって、そこで気になった行に付箋紙をペタペタ貼り付けていきます。

貼り付けるだけですので、読書が中断されることはありません。

ここでは速読の技術も役に立ちます。

私の場合、この段階は30分〜2時間くらいかかります。

■精読


これは、書いてあることを繰り返し読む作業。
「通読」まで進んだ本には、気になったところに付箋紙が結構たくさんついてます。

これをノートやPCに書き写しながら、

 ・筆者の言いたかったことは何か?
 ・なぜこれが気になったのか?
 ・全体の構成の中で、これがどのように重要なのか

などなどを考えていきます。

さらに、この段階では、時々この記事にも書いているような要約文を書きます。
これは、「気になった文章」という単位ではなく、この本で言いたかったポイントとそれを強化するために提示された命題について整理していく作業です。

以前にも書きましたが、この時、自分の考えではなく、筆者になりきって、筆者の考えをトレースしていくことです。なので、「これは自分の考えにあわないなぁ」とおもっても、それは一旦横においておいて、筆者の主張をきちんと書き出すことに集中します。

主張に同意できるものであれば、早速そのようにやってみます。
タスクリストや行動のチェックリスト(あなたはなぜチェックリストを使わないのか参照)に書き加えていきます。

大体これが1時間くらい。

■考読


最後に、ねぎま式読書ノートで紹介した筆者の主張と自分の主張を戦わせる感想文を書きます。

詳しくは元記事を参考にしてください。

精読・考読に至る本は年間10〜20冊くらいでしょうか。

ただ、「考読」はすごく時間がかかります。

筆者や自分の主張を裏付ける資料をネットで探したり、関連する本を探したりするので、1項目書くのでも数時間かかることもあります(短ければ5分もかかりませんが)。

ただ時々、通読中にこの状態(書きはしませんが、頭が「考読モード」)になることがあって、1ページ進むのに1時間近く「ぼ〜っと考えている」こともありますが。
でも大抵の場合は、何も書かずに考えていても、翌日には忘れちゃうんですね。そうすると時間を無駄にしたような気がするので、なるべく書き物をする環境でない時には、考えずに付箋をはるだけにしようとはしてます。



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