面接の質問の流れですが、ウチの会社では、昇進面接、中途面接ともに同じような内容です。
調べてみると、どこの会社でもほぼ似たようなものですね。
1.自己紹介をしてください
2.過去×年のなかで、特に成果の高かった業務を2つ上げてください
3.なぜその成果が高かったのですか?
4.その活動の中で、どのような困難があり、どのように乗り越えましたか?
5.あなたの強み、弱みを教えてください。
6.あなたの強み、弱みをどのように活用していますか?
7.あなたは、昇進後(入社後)どのように会社に貢献できますか?
8.あなたは将来、どのようなポジションを目指していますか?
まぁこんな感じ。
本日は、「会社への貢献」について、どんな答えなら面接官として、マルをつけるかについて考えてみたいと思います。
■貢献とは?
「貢献」と聞かれて、
「がんばります」
と答えた人がいましたが、これじゃぁバツですね。
だからといって、中途採用の場合なら、その部署や会社の課題がわかっているわけでもないのに、
会社の何に貢献するか?
と聞かれても困るとは思います。
何に貢献して欲しいのかわからないのに、聞かれるのも、「なんだかちょっと」な気がしますよね。
自分も中途採用の人には、これを聞くのに躊躇があります。
この「貢献」という言葉が流行したのは、自分の認識では、ドラッカー。
ドラッカーの本で、貢献に相当する英語は、"contribution"なのですが、この単語は「貢献」のほかに「寄与、役に立つこと、一助となること」などという訳のほか、「発言」とか「寄付」などという意味もあるそうです。
で、ドラッカーが「貢献」について書いているところをちょっと引用すると
★――――――――――――――――――――――――――
貢献に焦点を合わせることが、仕事の内容、水準、影響において、あるいは上司、同僚、部下との関係において、さらには日常の業務において成果を上げるカギである。
――『経営者の条件』
――――――――――――――――――――――――――★
更に「成果」について
★――――――――――――――――――――――――――
成果を上げる者は、社会にとって不可欠な存在である。
同時に、成果を上げることは新入社員であろうと中堅社員であろうと本人にとって自己実現の前提である。
――『経営者の条件』
――――――――――――――――――――――――――★
で、さらに
★――――――――――――――――――――――――――
成果をあげるには自らの果たすべき貢献を考えなければならない。
手元の仕事から顔を上げ、目標に目を向ける。
組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。
そして責任を中心に据える。
――『経営者の条件』
――――――――――――――――――――――――――★
という感じで述べてます。
まぁ、凡人の私が勝手に解釈すると、
自分の責任を果たして、成果に結びつけること
ということではないかと。
■話さなければならないこと
つまり、「貢献」を問われたとき、答えるためには次の点がわかってないと答えられない事になります。
●自分の置かれたあるプロジェクトにおけるポジションとその責任
●会社または最小単位の組織から求められている責任
●責任の範囲における課題と目標成果
●自分の強みを活かした行動
●それ(行動)によって得られるであろう成果
この流れがちゃんと説明できれば、完璧な「貢献」が説明できるでしょう。
■昇進面接
昇進面接の場合であれば、その人の昇進後のポジションや、組織・プロジェクトチームから求められる責任はわかると思いますので、比較的簡単なはず。
ところが、これがなかなか、まともな答えが返ってこない。
・自分は今まで、中国での活動で色々なスキルを得たので、今後もグローバルにスタッフの教育・指導で貢献していきたいと思います。
・自分はお客様のクレームに対して、迅速な対応がでるようになったと思います。今後もお客様満足度の向上に努めたいと思います。
私からすれば、「貢献って何?」と突っ込んでやりたいところですが、面接であまり圧迫的なことをすると後で人事部に怒られるので、「そうですか。それは頑張ってください」とかニコニコしながら言ってます。
■就職面接
こちらのほうが、面接者は辛いでしょうね。
だって、最初の3つはわからないまま。実際に採用されて、配属されて2年くらいすれば状況はわかるでしょうが、何もわからないまま、「何が貢献できる?」と聞かれても、「何に貢献してほしい?」と逆質問したくなる気持ちもわかる。
ただ、過去にこんな答えをした人がいました。すごく印象に残ってます。
御社の製品の製品戦略がどのように練られているか、わからないので、的外れかもしれませんが、市場における御社の評判は、否定的な意見を拾ってみると、××××や×××の満足度が相対的に低いように思います。
自分は前職で、お客様のクレームに対応して、製品の改善を達成した経験もありますので、お客様の声をひとつづつ拾い集め、次の開発に生かせるような情報を開発組織に提供し、相談しながら新製品を創りあげていきたいと思います。それによって、御社の製品をより多くのお客様に愛していただけるようにしたいと考えます。
自分がどのようなプロジェクトに参加したいのかをちゃっかりアピールしたうえで、そこで自分ができることを過去の経験に基づいて説明して、将来どのような成果を出したいのかまで、ちゃんとストーリとして組み立ててます。
ちなみに、この人は現在、同僚です。わずか数年で管理職になっちゃいました。
※もしこの記事を見てたら、気がついちゃうかな?
■参考図書 『経営者の条件』
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