A:「ちょっといいですか?」
B:「3分だけお時間をください」
もしあなたが話しかけられたとして、どちらの話を聞きますか?
あるいは、あなたが上司に話しかけたとして、どちらなら聞いてくれるでしょうか?
Aのパターンなら後5分で次の会議に行かなければならなければ、「ごめん、また後で」となる場合が多いでしょう。しかしながら、今席に座っているのであれば、3分なら時間を作れなくもないですね。
往々にして、誰かに話しかけるときにAのパターンが口癖になっている人が多いのではないでしょうか?
でも、これ
すごく損してますよね。
それは自分が部下・後輩から声をかけられた時に、どちらなら「うん。いいよ」と言えるかを考えてみれば当然のことです。
■エレベータートークを学ぶ
本当かどうか知りませんが、「
エレベータートーク」というのは、
もともとアメリカ大統領が核戦争などの緊急事態になった時に、エレベータで地下の各シェルタに降りるまでの3分間をいかに有効に使うかをマッキンゼーが検討して提示した
ものだそうです。ま、由来はおいておいて、アメリカで投資家に自分が新たに起こそうとしている事業のプレゼンをエレベーターに乗り合わせた一瞬で投資判断をしてもらうためによく使われたとか。
そのくらい短時間で何億もの投資判断をしてもらうために洗練されたものだということらしいです。
そのコツは、非常に端的に物事を伝え、「YES/NO」以外は相手が言わなくてもいいようにすること。
その手順がこれです。
・主旨を伝える ・選択肢を伝える ・判断のポイントを伝える ・結論を伝え、承認をもらう ・アクションの確認をする細々と理由を述べたりせず直球勝負。
■ホウレンソウに応用する
報連相(ホウレンソウ)は過去の記事でも何度か触れてますが、口頭でも文章でも、何が言いたいのかをじっくり聞いたり、ポイントが何かを聞く側から質問されたりしたら、「
やり方がまずい」と思ってください。エレベータートークと同じ。
「××の件について、○○の課題があります。次の選択肢として□□と△△があるのですが、この場合、△△が☆☆の理由で適切かと思います。よろしいでしょうか?」
「うん、そうだね」
「では早速◇◇に連絡して、△△をしたいと思います」
たったこれだけで次のアクションが開始されます。
以前何かの映画で、高官が「問題がある」と報告してきた事務官に向かって「オプションはなにか?」と聞いた時に「1.××をする。2.△△をする。3.◇◇の3つです」と答え、高官が「じゃぁ3で行こう」と答えたら、「は。」で話が終わったシーンがすごく記憶に残ってます。
ところが、私の回りではこの答えに行き着くまでに
・報告会議を招集していいかどうかお伺いを立てる ・承認されたら、関係者のスケジュールを調整する(これだけで1週間…) ・報告会で ・現在のプロジェクトの概要を説明する ・現在の課題に対応する方策をあれこれ議論する ・方策が絞られたらメリット、デメリットの一欄を作る ・最後に上司が厳かに対策の指示を出す ・報告会の後で ・誰がやるかを相談する ・対策の具体的なアクションを決める会議を招集する :
:
なんて状態。時々
ブチッと切れて「
とっととやれ!」と言ってしまうことがあります。
■答えを持って上司に相談する
ポイントは、上司に「どうすればいいか」を尋ねるのではなく、
先に自分で答を出しておくこと。私の回りの例でいうと、会議を招集した時点で、招集した人が「答えを持ていない」のが最大の問題。
つまり、自分の考えがないまま人に聞くから、人の意見に左右されて考えが一転に集中しない。その結果、議論があちこちに飛び、収集がつかなくなるか、「なんとなく」の結論に行き着く。
「なんとなく」出した結論なので、そのメリットやデメリット、リスクがちゃんと説明できないし、曖昧なのでアクションも起こせない。
とまぁサイテーの話になるわけです。
最初に自分の考えを持っていれば3分で済んだものが、1週間以上たってもアクションが起こせない。
報連相(ホウレンソウ)するときには、
・自分の判断をきちんと伝えること ・選択肢を考える事この2つができていれば、3分間で話はすみます。
間違っている時に、それを指摘するのは
上司の仕事ですから、あなたが悩む必用はありません。
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