本日は、時間術に関して、著名な本を批評した時間術の本のご紹介。
「すり減らない」働き方 (青春新書INTELLIGENCE)
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■コメント
――――――――――忙しい毎日に疲れていたり、それについていけない自分を責めたり、極端な会社批判に走ったり……。現代社会で、働くということは、物理的にも精神的にも忙しいものになっています。気づけば、誰もが身も心もすり減る働き方をしているのです。本書では、普通の会社員が、身も心もすり減らずに、気持よく働くためのポイントについて、書かれています。
この記事にはぴったりな内容です。
本書では、
「残業ゼロ」の仕事力
吉越浩一郎
7つの習慣―成功には原則があった!
スティーブン・R・コヴィー
TIME HACKS!
小山龍介
「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!
池田千恵
レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)
本田直之
が俎上に上って、結構痛烈に「サラリーマンには難しい」と書かれています。
これらは、私もこの記事の紹介部分に書いていることと同様なので、思わす
うん、そうそう!!
と手を打ってしまいました。
ということで、本日は要約とポイントだけをご紹介して、明日は、これらの時間術の本に対して筆者がどのように考えたのかについて、ちょっと詳しくご説明します。
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■要約
――――――――――◆目次
第1章 すり減る働き方、いつまで続けますか?第2章 僕たちの忙しさの根っこにあるもの
第3章 話題の時間術でどこまで解決できるのか
第4章 時間、心、体…ムダにしない働き方をしよう
◆要約
労働時間は長期で見ると減少傾向ですが、長時間労働者の割合は国際的に見て高いです。また、サービス残業の問題もあります。有給取得も進んでいません。家族で食事をする時間も減っています。社会的な流れとして、ノー残業デーの導人など労働時間短縮の動きはあるものの、忙しさは一向に軽減されない感があります。
考えられる理由として、人材を育てる余裕がないために、仕事ができる人に仕事が集中する一方、若手人材を育てる機会を作ることができず、結果として仕事の効率が落ちているのではないかという点、商品のライフサイクルが短くなり、それが仕事の忙しさに影響を与えているのではないかという点、正社員の役割が変わってきている。
じつは表裏一体の「社畜」と「企業戦士」。
この2つには、表現や受け取り方の違いはあっても、行動についてだけ見ると差がない。
第1章、第2章に関して、とくに強調しておきたい点なのですが、忙しくて、すり減るような働き方をしているのは、別にあなたのせいではないということです。
「忙しいのは私が悪いんです。要領が悪いからなのです。仕事ができないからなんです」という話になりがちで、何かと自分を責めてしまいがちです。なかには、上司や先輩が「お前は要領が悪い。だから忙しいんだ。お前のせいだ」とりう話をしてくることもあることでしょう。
私が言いたいのは、まずは現実を冷静に見ましょう、ということです。
現代社会で、働くということは、物理的にも精神的にも忙しいものになっているのです。そして、忙しいのは、あなたのせいではないのです。気づけば、誰もが身も心もすり減る働き方をしているのです。
とはいえ忙しい世の中というのは早々変わりません。社会は、会社は劇的には変わりません。だから、個々人の努力が必要です。
仕事の効率を良くするためのヒント
・まずは担当業務のスキルを上げる。そのためには、マジで仕事する。
・優先順位付け、スケジュール管理は先輩に教えてもらう、相談する。
・エリアや沿線を集中させてアポをとる、企画書の汎用化、アポ取り時間の工夫など時間を短縮する工夫をする。普段の仕事を効率化するセコい技をマジで考える
・平日夜に早く帰る日をつくる。
・仕事も遊びも両方楽しむ。
・製造業には時間管理のヒントがたくさんある。
・まずは仕事と仕事環境の25 (整理整頓) から。
・気になる技はマネてみる
・物を増やさない工夫をする
・無駄な迷いを捨てて、頭のリソースを使わないようにする
・メールと電話を使い分ける。電話のほうがよっぽどはやいことも
・休む癖をつける
・糖分を補給する
・「普通の僕らの時間術」3 原則
・気持よく
・無理しない
・怒られない
・プチ諦めが大事
・時間を使うためには、まず時間の使い方を知ること
・下ごしらえを大切に
・サボってこそ生産性が高まる
・戦略的に「ゆるキャラ」になろう
・満点ではなく合格点を目指す
・人に頼ることは恥ずかしいことじゃない
・お金で時間を買うという考え方
・あなたが倒れても、会社は普通に動く
・年に一度、履歴書を書くと成長が実感できる
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■参照先
――――――――――◆アマゾン
「すり減らない」働き方 (青春新書INTELLIGENCE)
◆楽天
「すり減らない」働き方 |
◆その他Webリンク
著者の公式サイトhttp://www.yo-hey.com/
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■キーポイント
★――――――――――――――――――――――――――P34
つまり、非正規雇用者が増えている分、正社員の役割が見直されていて、仕事が重くなっているというわけです。
たしかに、現在、非正規雇用者の割合は約35%にもなり、正社員比率は下がっています。正社員はコア業務に集中する流れになっています。その分、忙しくなっているのではないかということです。
別の切り口から見てみましょう。日本の労働時間の特徴といえば、週に49時間以上働く、長時間労働者の割合が高いことです。つまり、一部の人がモーレツに働いています。
前出の『データブック国際労働比較2012』をもとに考えていましょう。次ページのグラフ(下図)を見ると、日本においてはじつに3割の就業者が長時間労働者となっています。これをこえるのは韓国ぐらいです。
(中略)
自分の職場を想像してみましょう。たしかに3割ぐらいの社員がモーレツに働き、他の人は普通という状態になりがちだと思いませんか?
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★――――――――――――――――――――――――――P50
いかがでしょうか? この章では、忙しさについて、データから見てきました。
物理的な忙しさはなくなってきていても、精神的な忙しさはますます増しているようにも見えます。
また、忙しいのはあなただけではありません。忙しさを共有する、戦友タはたくさんいます。
こんな事実を知るだけでも、精神的に少しは楽になるのではないでしょうか。
では、私たちはなぜ忙しく感じるのでしょうか。いのです。それは日本人の忙しさが量的なものだけでなく、質的なものによること、さらにいうならば、根本的な雇用契約の問題、働き方の問題が含まれているからです。
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★――――――――――――――――――――――――――P75
なお、高橋氏(2005) はホワイトカラーがなぜ(サービス残業」をするのかに関して、経済学的背景を探っています。高橋氏は、大企業ホワイトカラーへのアンケートデータを用いて、「サービス残業」する労働者はしない労働者に比べて総報酬額が高いことを確認しています。興味深いデータですね。
「通常不払い労働と考えられている[サービス残業−一の少なくとも一部には、ボーナス等
を通じて対価が支払われていることを示している」
「このような有償の『サービス残業』が発生する理由のひとつとして、企業が労働者の総労働時間ではなく成果を基準に報酬を決めるようになったことが示唆される」
という指摘をしています。
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★――――――――――――――――――――――――――P168
忙しさはお金で解決するのも手です。お金をかけてでも、快適と、楽を手に人れることができれば、それは適切な投資です。
どこまで有効かは会社の決済ルールなどにも左右されますが、さまざまな仕事を会社の経費で、社外の人にお願いできないかと考えるのはありでしょう。コストの最適化をすることができます。
最も有効なのは、移動関連です。たとえば、私はタクシーにはどんどん乗るようにしています。電車を何度も乗り換えるくらいなら、タクシーに乗ったほうがはやいからです。
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★――――――――――――――――――――――――――P152◆残業時間をあてにしない
残業がよくないことは、誰もが心の底では感じています。むしろ効率が悪い、健康を害するなど、残業の問題について論証した学術論文も存在します。もちろん、ついつい一生懸命頑張ってしまうので、結果として残業になってしまうケースもよくあるわけですが。
私も社会人になる前は残業に対して模然とした嫌悪感があったのですが、社会人になってからは「頑張っているんだから、しょうがない」「仕事が多いんだから、しょうがない」といつしか残業を正当化するようになってしまっていました。
:
こ争っすることにより、やはりダラダラと残業する時間を削減することができますし、残業している罪悪感を減らすことができます。
残業をいきなりゼロにしようとするとキツくなるので、少しずつ、無理せず、でも意志をもって減らすことにしていきましよ、
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★――――――――――――――――――――――――――P177◆年に一度、履歴書を書くと成長が実感できる
忙しさを改善したいと考えるなら、仕事に関する記録をつけることをオススメします。
何か物事を改善したいと考えるときには、データとフアクトを元にしたものにしなければ、改善策がずれたものになってしまいます。まず、今日は何をしたのかを記録します
:
記録という意味では、半年または1 年に一度、自分のやったことを振り返ると、忙しい日々に疲れながらも、自分が前に進めたことを実感できます。
疲れない程度に、できる範囲からで構いません。忙しい日々にあせらないためにも、何かあったときのためにも、将来のためにも、記録を残すということに取り組みましょう。
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★――――――――――――――――――――――――――P186
会はなかなか変えられませんし、私たちは社会をほぼ選べません。すると、自分の生き方、働き方を変えろという話になりますが、劇的には変われません。
:(中略)
だから、普通の私たちは現実を見つつ、そこをしなやかに生き抜く処世術を考え、実行するべきなのです。別にそれは、過去のビジネス書が紹介したようなすごい技じゃなくていいと思っています。本書では、事実を丁寧に整理することと、普通の私たちができることにこだわりました。
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