2020年11月30日

面接は「エライ人」で決まる





先日、ある面接者と雑談をしていた時、ふとその人の勘違いに気がついたので、ちょっとネタにしてみます。




■勘違い


面接の合否はどのように決まっているかご存じですか?

実際ルール的には会社によって差があるのですが、

 最低点が合格条件をクリアしている
 平均点が合格条件をクリアしている
 突出したスキルが認められる

の3パターンでしょうか。

ただ、評価点が決まるのは、評価の打合せ(面接の直後に面接官だけで行う評価点すり合わせ)で

 最初に発言した人の意見
 最も職位が高い人の意見

です。

これを、その面接者は、全員が黙ってつけた平均点が自分の評価点だと勘違いしてたんですね。

間違いの元は「面接官は相談をせずに評価点を決める」というところ。

そんなことはありません。

■面接後の評価レビュー


「レビュー」というほどのこともないですが、面接が終わると、短時間「今の人どうだった?」という話をします。

その時に、多くの場合は、

 最初に発言した人の意見
 最も職位が高い人の意見

のいずれかで、今までメモしていた評価点を書き換えるんですよ。

まず最初に発言するのは、面接官で、割合強く印象をもった人です。この人が、

 「あの人はダメだね。なぜなら〜」
 「あのひといいね。なぜなら〜」

と発言します。この人が面接官のうち最も職位が高ければ、ほぼそれで合否は決まりです。

もし他の面接官が異なる評価をつけていたら、「なるほど」と言いながら、自分がつけた評価結果を書き直します。

で、その結果が面接の評価点になるわけ。
だから、3人とか4人とかで評価しても、評価点が大きくずれることはありません。

職位がほぼ同じなら、影響力が高い人の発言が有効です。
いずれにしろ、「エライ人」が一人で合否を決めているみたいなもんです。




■「エライ人」の見分け方


だから、面接を受けるときには、「エライ人」の反応を見ながら、その人に向かって色々話をするのが得策。自分に話しかけてくれていると思えば、大抵の人は好意的にものごとを見ます。

じゃぁ、どうやって「エライ人」を見分けるのかというと、これが割と単純です。

 ・面接官の中央に座っている
 ・最初に質問をする(人事部以外で)
 ・面接官の中で最も年配
 ・他の面接官の発言に割り込んで発言する

などの場合は、その人が意思決定権を握っていると考えてほぼ間違いありません。

面接を受ける人は、人事部の人とは面識が事前にできるので、つい、人事部の人に親近感を抱いて、その人に向けて話をしがちです。でも人事部は採否の権限はあるのですが、評価点をつけるのは、最も権限が弱いんです。
だから、人事部の人に好意を持ってもらってもあまり評価は良くなりません。

それよりも、わからないうちは中央に座っている人に、ある程度面接官の力関係が解ったら、その最も力の有りそうな人に向かって話をしたり、相手の表情を見て、もう少し説明を加えたりすることのほうが有効です。



■同じテーマの記事

転職面接の第1印象

最近、転職面接を多くするようになりました。私は人事担当者ではないので、書類審査とかはしないのですが、2次面接か3次面接の時に面接官のひとりとして参加しています。この数年ほど、被面接者(応募してきた人)の受け答えがすごくうまくなったということを実感として感じます。面接のテクニックなどをまとめた本やそういったことをセミナーでやっているからでしょうか。まあ、私にとっては、能力が高くて人間的にも優れた方が仲間になってくれるのであればそれに越したことはありませんので、張り切って..

パスワードを作成・管理する方法2:強度の高いパスワードの作り方

最近は個人情報の流出問題がかしましいですね。PCであれ、Webサービスであれ、携帯電話であれ、どれもこれもパスワード、パスワード、パスワード。それぞれ毎に違うパスワードをつけていれば、安全安心と言われますが、そんな10個も20個も憶えられるはずがありません。特に私の会社では、10文字以上で大文字小文字と数字を含むものにした上で3ヶ月毎に変更しなさい、過去に使ったものと似ているものはダメ。とか言われて、自動チェックが入って、この規格に合わないとパスワード変更を受け付けて..

面接練習をする

私が上司として部下を昇進・昇格面接に推薦した時には、「面接練習」なるものをやるようになりました。大体の中途面接の場合、親切な人財紹介会社なら、一度は面接の模擬練習をしてくれるそうです(伝聞なので確かではないです)。ただし、人材紹介会社も相応に忙しいので、十分なフォローをしてくれるわけでもない。ただ、少なくとも私の場合は、推薦した以上は、合格して欲しいですし、あまり不合格が続くと、私の推薦能力にも「?」がついちゃうので、結構徹底的に練習をしてもらってます。..

PC操作を早くする3:修飾キーを操作する

過去記事で、キーボードショートカットなどについて時々触れてきましたが、本日はその基本中の基本。キーボード操作について、ご紹介したいと思います。修飾キーを憶える修飾キーというのは、他のキーと組み合わせて使うものです。コントロールキーALTキー(「アルト」ではなく「オルト」ね)SHIFTキーWindowsキー前回ご紹介したキーボードの練習ソフト(Webサイト)では、SHIFTキーの使い方は練習できますが、その他のキーの併用は練習できませんので、キーの..

面接:コンピテンシーをアピールする

中途採用はもちろん、昇進・昇格面接においても、最も重要視されるのは「コンピテンシー」というやつです。ご存じない方のために、以前に書いたコンピテンシーの説明。ある職務や状況において、期待される業績を安定的・継続的に達成している人材に、一貫して見られる行動・態度・思考・判断・選択などにおける傾向や特性のこと。測定や定義が困難な気質や性格ではなく、インタビューや観察などで確認できる能力であり、その職務にお..

7つの仕事力_後編

長文なので、2回に分けてお送りします。今日はその後編。現場力とは、自分の職場や職務における活動を通じて、成果を引き出す能力のことです。これのためには、大別して7つの力が必要です。1.見える力2.探る力3.試す力4.動かす力5.学ぶ力6.伸ばす力7.出る力学ぶ力学ぶ力には2つあります。・他人の経験から学ぶ・自分の経験から学ぶの2つです。恐らく、部門や自身の問題点は人類1万年の歴史の中では、誰かが経験しています。そしてそれを乗り越えています..




posted by 管理人 at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 面接技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック