■前回のおさらい
よくアイディアを考える方法というのは本で見かけます(いわゆる「発想法」のジャンルの本)、たくさん出したアイディアから、ほんとうに使えるアイディアを選り分ける方法というのはあまり紹介されていないようですので、ビジネスの世界で「ゲートファインディングモデル」と言われるアイディアの選抜方法について紹介します。
この方法は、以下の本で紹介されていました。
キラー・クエスチョン 常識の壁を超え、イノベーションを生み出す質問のシステム
「ゲートファインディングモデル」とは、
★――――――――――――――――――――――――――
市場の妥当性確認:すべてのランクのアイデアが対象
顧客の妥当性確認:ゲート一のアイデアの五○パーセントまで
限定的な起動 :ゲート二のアイデアの五○パーセントまで
グローバルな起動:ゲート三のアイデアの五○パーセントまで
――――――――――――――――――――――――――★
を順番に検討して数値化し、上位のものからアイディアを残していく方法。
昨日は「市場の妥当性」「顧客の妥当性」まで見ていきましたので、残り2つを。
■限定的な起動
★――――――――――――――――――――――――――
製品を創造し、限定的な市場もしくはトライアルで本物の顧客に販売してみよう。この段階で成功の決め手になるのが顔客の反応である。なぜなら、あなたの製品やサービスのために実際に現金を手放すからだ。販売チームが積極的に製品を売り込んでくれるか、絶対に売れると確信してくれるかを、この段階で確認しておきたい。
何を成功と判断するか、大量生産に踏み切っても大丈夫かを、ここで決断しなければならない。顔客はすすんで代金を支払ってくれるだろうか。収益とマージンはビジネスモデルに見合うものになりそうか。組織はこのアイデアをグ口ーバルな起動の段階に進められるだろうか、などなど。
――――――――――――――――――――――――――★
色々なアイディアというのは、最終形にするには結構投資がかかります。
その前に、関係する人や責任者にそのアイディアが有効であることを実感してもらわないといけません。
そのためには、アイディアのほんの一部や非常に限定的で最も効果の高そうなところだけを分離して、テスト的にやってみることが必要です。
そのちょっとだけの機能分離ができるかどうかを検証します。
■グローバルな起動
★――――――――――――――――――――――――――
さあ、いよいよ本番だ。ここまで準備が整ったら、後戻りはできない。この最終段階では、アイデアを総合的なビジネスのなかに組み込んでいく。実際、これは思っているよりもずっとむずかしい。
私の場合、顧客の妥当性確認の段階から徐々に進めていくアプ口一チが効果を発揮した。製品の最終的な所有者になりそうな顧客を確認した段階から、アィデアとその実行に対する関心を育てる努力を始めていくのだ。アイデアがゲートを通過して進むにしたがっでチームは実行への関わりを深め、最後にグ口ーバルな起動の段階で全責任を負う。
――――――――――――――――――――――――――★
最終的にアイディアの本来の姿を見せていく段階です。
参加者に今まで言ってなかった自分のやりたいことの本来の姿が見えるようにして、大勢の人を巻き込んでの活動を展開します。
■ゲートをくぐらせる
これら4つのゲートをすべてクリアしたものだけが、アイディアとして本当に実現できるものです。
逆に言えば、これらをクリアできるようにアイディアはブラッシュアップしないといけないということです。
ただし、これらをクリアできなかったからといって悪いアイディアだということはありません。
クリアできるように
・他のアイディアと組み合わせる
・他に応用できないかを考える
・分割する
などのオズボーンのチェックリストを使うなどして、ちょっとだけ形を変えると素晴らしい物になる可能性もありますので、考え続けることが重要です。
例えば、ひとつしかアイディアがでなくても、このゲートをくぐれるように、アイディアに修正を入れていくことで実現可能ないいアイディアが作れるようになります。
自分の会社ややりたいことに合わせて、ゲートを追加していけばより良いものになります。
実際に私が使っているゲートファインディングモデルのゲートは今は8段階あります。
アイディアを提案して、指摘のあったことをゲートとして徐々に追加してきた結果、結構厳しいゲートになってしまいましたが、これらを全部クリアしたアイディアは、細かな点を除けば、結構良い成果を出し続けてくれています。
■参考図書
◆アマゾン
キラー・クエスチョン 常識の壁を超え、イノベーションを生み出す質問のシステム
◆楽天
![]() キラー・クエスチョン |