ベンジャミン・フランクリンってご存じですか?
あの100ドル札に印刷されている人です。つまり、ドルを通貨にしている人たちは知らない人がいないという。
いつものようにWikipediaから引用
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ベンジャミン・フランクリンは、アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者。印刷業で成功を収めた後、政界に進出しアメリカ独立に多大な貢献をした。また、凧を用いた実験で、雷がelectricity(電気)であることを明らかにしたことでも知られている。現在の米100ドル紙幣に肖像が描かれている他、ハーフダラー銀貨にも1963年まで彼の肖像が使われていた。
勤勉性、探究心の強さ、合理主義、社会活動への参加という18世紀における近代的人間像を象徴する人物。己を含めて権力の集中を嫌った人間性は、個人崇拝を敬遠するアメリカの国民性を超え、アメリカの父として讃えられる。『フランクリン自伝』はアメリカのロング・ベストセラーの一つである。
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■フランクリン自伝
この人の自伝にこんなことが書いてあったそうです。
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私(訳注;フランクリン)は彼が非常に希少で興味深い本を持っていると聞いたので、彼にその本を読みたいとメモを渡し、数日間借りてもいいか聞きました。するとすぐに彼はそれを送ってくれました。そして約1週間後、彼に本を返しさらに、感謝を伝えるメモを渡しました。そして次に彼に会った時、彼はとても丁寧に私に話しかけ(このようなことは今まで一度もなかったというのに)、それ以降彼は私をあらゆる行事に誘ってくれるようになり、私たちはとても良い友人になり、その関係は彼の亡くなるまで続きました
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心理学的に有名な話ですが、人の感情はその人の行動に左右されます。あまり実感はないかもしれませんが、あなたの行動があなたの性格を形成し、性格はあなた自身を表現します。
まぁ、要するに
人の行動は、その人の感情をつくる
人の感情は、その人の信念を作る
ということです。
逆に言えば、相手の行動を変えることができれば、相手の感情や信念を制御することも可能なわけですね。
※「信念」という言葉は大袈裟かもしれませんが。
フランクリンの場合、単に本を借りただけで敵を味方にしたわけですが、この方法はあらゆるシーンにおいて応用できるのではないでしょうか。
■他人に対する自分の評価
まあ、もう少し単純に言ってしまえば
他人を評価するときに、自分の行動をもとに他人の評価を決めている
ということで、他人のために何かをすれば、それを正当化するために、
自分はこの人(ここでいう「他人」)が好きだから、その人のために「これ」をするんだ
と思い込むようになるということです。
つまり、好かれたい人には
その人が無償で何かをしてくれるように仕向ける
という方法です。
■フランクリン効果
これをフランクリン効果と呼ぶそうです。
例えば、
・希少な本を貸してくれるように頼む
・ちょっとだけ仕事を手伝ってくれるように頼む
・ちょっとペンや消しゴムを借りる
・何かについてアドバイスを頼む
といったその人の持っている何か(その人にとって評価が高いものの方がいいです)を自分に無償で提供してくれるように頼むわけです。
ただし、その人にとってその代償が大きなものはダメ。
代償が大きいと当然その人は身構えてしまいます。ほんのちょっとだけで済むようにすることです。
そして、その行為をしてくれたことに「最大限のお礼」をすることです。
お礼は、このフランクリンの行動のように「お金に換算できないこと」でなくてはいけません。経済効果を出してしまうと、それが「有償」になってしまうからです。
なので、御礼の手紙や、感謝の言葉などです。
特に、仕事なら、それが完成した時に、「〜〜さんのお陰で」というセリフを、その人自身ではなく、その人の回りにいる人(上司なら最も良い)にいうことです。具体的に。
そうすると、徐々にあなたの味方をしてくれる人が増えていきますよ。