中途面接などで、
「あなたのやりたい仕事は何ですか?」
などと聞かれる事がありますよね?
私は中途採用の面接も結構やったのですが、実は一度もこの質問をしたことがありません。
理由は、
やりたい仕事をやれることはありえない
と考えているからです。
たとえば、あなたがお客様に接する業務が大好きで、営業を志望したとしましょう。
大好きな仕事なので、頑張りますよね。色々工夫しながら頑張ればそれなりに成績もついてきます。
そうするとどうなるかというと、営業のチームを任されるわけです。「若い人や結果のでない人を指導してくれよ」ということです。それでもまだ自分の営業という業務は残りますし、人に教えるのも気分がいいので頑張ったとしましょう。
そうすると次には、「営業課長になってくれ」と言われるわけです。
課員10人の面倒を見ながら、営業目標を立て、それを課員が達成するためにサポートする業務が殆どになります。その次は営業部長です。もうお客様の顔を見ることなんてありません。
営業が好きで、わざわざ転職までしたのに、理不尽じゃない?
それからは毎日部員の成果表とにらめっこをし、「来年度の目標は30%増しだからね」と役員に言われ、経営が思わしくないからと「残業時間を削れ」と天の声が降ってくる。部下の失敗の尻拭いをするために、ひたすら頭を下げる毎日が待っているわけです。
※だいぶ誇張してます。ご容赦を。
■自分にあった仕事を探してはいけない
現在の自分にあった仕事というのは、あなたが成長するに従って変わってきます。
小学校1年生でピッタリの服を選んでも来年には着られなくなっているのと同じです。
多くの会社の役員レベルの人は(すなわち「会社としては」)、中途入社や新卒で入ってきた人を2種類に振り分けてみてます。
永久に労働力として期待する人
自分の後継者として会社を率いてくれる人
です。
多くの場合、最初のうちは後者「後継者」として見てますが、その実力や成長度合いによって、そのグループから振り落として前者「労働力」のグループに移行させていきます。
つまり、
優秀で成長する人を採用するのが採用の目的であり、
あなたがもし優秀で成長する人なら、今の一般職の仕事を続けられることはありえない
わけです。
「自分はマネジメントは得意ではない」と思っている一般職の人はすごく多いみたいです(自分もそうだったので)。
でも、実際にやらせてみるとそこそこできます。その中からマネジメントを一生懸命体得した人がさらに上に登っていきます。
今の仕事に対する適性などわずか数年〜10年くらいしか役に立ちません。
あなたの仕事人生は30年以上あるのだから、そのほんの僅かのことに血道を上げる必要はないわけです。
「自分にあった仕事」に出会うことができていても、それで満足してしまってはダメだということで、一般職のうちに今の業務をこなすことはもちろん、「マネージャとしての能力」を磨いておくことです。
「何をしたらマネージャとしての能力が磨けるか」については、過去記事を御覧ください(不親切…)。
ま、私程度のいうことではあまり大した話はありませんが、参考程度にはなるでしょう。
■経営者が考えるサラリーマンのゴール
人を採用するのは人事部ですが、どのような人を採用するのかは、経営者が決めます。
いわゆる「ブラック企業」の経営者は別かもしれませんが、経営者は、サラリーマンとしてのゴールは、その会社の経営者になることだと考えてます。
その実践した結果が自分なので。
もしそれを否定しちゃったら、自分の人生が否定されてしまいます。
だから、社員にも「経営者を目指すべき」と思ってます。だから、成績が良くなったり、そこそこの結果で勤続年数が長くなればマネージャに引き上げるような人事施策を作るわけです。
もし、サラリーマンとして、経営層に受け入れられる(評価される)ような仕事をしたいと思うのであれば、その考え方に同調することです。
近い将来、自分はマネージャとして、組織をマネジメントすることを想定して、現在の仕事がどのような仕事であれ、それをマネージャの視点で見つめられる目が必要だということです。
■求められる仕事をする
「やりたい仕事」をするのではなく、「求められる仕事」をすること。それがサラリーマンとして、成功していくためのコツだと思います。ただし、何を求められているかは、明示される場合は少ないので、感じ取るしかありません。
それを自分で判断して、期待以上の結果を出せば、給料はきっとついてきますよ。