2020年03月30日

業務改革の教科書2





あなたがもし、何かのプロジェクトのリーダーをやっていたり、組織を率いる管理職なのであれば、この本は絶対に読んでおいて欲しい本です。
私は、この本の目次をマインドマップに書き出して、時々見返しています。

管理職やリーダーに要求されることは、すごく簡単に言ってしまえば、

 組織力を使って会社に直接貢献できる成果を出すこと

です。そして、

 組織を改革して、常に効率を改善し続けること

です。

本書は、社内の結構大きな業務改革をするときに、必要なことが過不足なくリストアップされていますので、小さな改革プロジェクトでは、いらないものはあるかもしれませんが、少なくとも必要な物が抜けていることはないと思います。




改善」ではなく「改革」。

もし管理職やリーダとして、会社から認められる活躍がしたければ、このルールを活用できるまでに頭に叩き込み、経験を積んでおきましょう。

ちょっと引用や要約部(ネタバレ)が長くなってしまいましたので、3回に分けてお送りします。
本日は第2回目。本書の要約をお送りします。

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■要約


――――――――――
あなたが管理職だとしたら、これからのあなたの仕事は「業務を管理すること」ではない。本当に期待されていることは、「変化をリードすること、変化をマネージすること」である。部下から上がってきたものを承認するだけの管理職なら存在意義はない。
なんであれ、変化を起こし、会社や事業を新しくし、良くしていく事こそがあなたがやるべき仕事である。

本書は、そういった変革プロジェクトに挑むリーダー、およびそれを目指すビジネスパーソンのための教科書である。

変革のプロジェクトの成功率は31%でしかない。なぜこんなに低いのか?
それは立ち上げ方が悪いからだ。

変革プロジェクトの成功は90%、立ち上げで決まる。実行局面では社外に優秀な方がたくさんいて、力を借りられる。でも、やりたいことがこちらで見えていなかったり、途中でぶれたら、プロジェクトは必ずうまくいかない

変革プロジェクトには4つのPが必要である。

 Purpose  目的が定まっている
 Process  到達するための道すじが明確になっている
 Property 装備品、必要な道具が明確になっている
 People  だれと行くか?

これら4Pが全て明確になっているとき、初めて変革プロジェクトの計画ができた状態と言える。
4つのPを明らかにするためには、4つのステップが必要である。

 Concept Framing フ工ーズ: コンセプト固め
 Assessment フ工ーズ: 現状調査・分析
 Business Model フ工ーズ:構想立案
 Decision フ工ーズ: 投資判断

●Concept Framing フ工ーズ: コンセプト固め
[さあ変革を立ち上げよう!」と志した時、やらなけれ!ボならないことは2つある。
  @ 同志を集めてチームを作ること
  A 「どこを目指すか。なぜ目指すのか」
を議論すること
この2 つは、鶏と卵のような関係だ。変革を起こしたい人がいて、目指すゴールが固まっていく。逆に、目指すゴールが、志の高いメンバーを集める求心力となる。

集めるメンバーは、
 1.やる気と柔軟性があること
 2.客観性と主体性の両立
 3.生き字引
 4.伸びる人、伸ばしたい人
 5.触媒役
が必要である。

メンバーを集めたら、「変革のゴール」を決める。
ゴールは、達成した時の状態を語る。

 「既に達成したかのごとく、プロジェクトゴールを語り合え」

良いゴールは
 1.「プロジェクトで使える」ものでなくてはならない
 2.全員で共有するためにわかりやすくなければならない
 3.やらないことや後回しにすることが表現されているべき
である。

プロジ工クトには「だから劇的に良くなる」を説明できる、シンプルな考え方が背骨として必要。それをコンセプトと呼ぶ。コンセプトによって変革に芯が通る。

ゴールやコンセプトはだれか偉い人が指示してくれるものではなくを絞って考えるものである。
コンセプトを作るときには、「そもそも論」が有効。そして、考えたことを紙に書き出すこと。見えるようになると、そこから更に考えが広がるようになる。
コンセプトを固めるためには、合宿が有効。

プロジェクトのコンセプトをまとめる段階で、トップ・意思決定者に報告する。
早い段階で相談するようにすると、方向性を示してくれなくとも、「有益なこと」「思い」を聞き出すことが出来る。それに沿ったゴールを定義することだ。
さらにその際に、どういう「制約」があるかを聞き出し、バックアップの約束を取り付ける。

これができたら、プロジェクトの体制固めを行う。
仲良しクラブになってはいけない。
体制は
 ・プロジェクトリーダー
 ・プロジェクトオーナー
 ・業務分析担当
 ・システム分析担当
が必要である。

●Assessment フ工ーズ: 現状調査・分析
将来像を描くためにも、描いた将来像に至る道筋を描くためにも、しっかりと現状を把握する必要がある。これから何かを決断したり、緻密な作業をする土台となる。

このAssessment フエーズで現状を調べ、次のBusiness Model フエーズで将来像の検討をする。課題の特定をし、それを改善するための施策を考える流れと言っても良い。

   @現状調査    E将来業務
    ↓        ↑
   A分析      D練り上げ
    ↓        ↑
   B施策案だし → C厳選
   
「@現状調査」から「E将来業務」までのステップを踏むことで、業務の将来像を描いていくことにな。U 字型であることに注意してほしい。
「@現状調査」や「E将来業務」は現場での仕事を其体的に検討するのだが、いきなり@からEへ進むのではなく、一度抽象化(モデル化) することで細か過ぎる各論を避けられる。

調査には定型的なやり方がある。
 ・一覧表
 ・アクティビティ一覧
 ・業務フロー(スイムレーンチャート)
 ・ファンクショナリティ・マトリクス
を活用する

そして実際にヒアリングする際には、プロのヒアリングテクニックの7箇条を意識する。
 1 業務は流れで聞け
 2 フリートークも有効
 3 数字で惑覚を合わせよ
 4 聞いたことはその場で書き出せ
 5 「ざっくり」から「深く」へ
 6 本人にも書いてもらう
  仕事割合の円グラフ
  休憩コーナーで、みんなの意見を募る
 7 現場とよい関係を作ることを裏の目的にせよ
  ヒアリングの副産物
 <上級編> 詳細な棚おろしの前に、あえてざっくり棚おろしをする
  あえて、手書きの業務フローから始める

現状調査と施策検討をつなぐ重要なステップが「分析」である。
現状を分析するときには、「クール」におこなう。

◇分析の7つ道具
 1. 定量比較
 2. ブロセス比較
 3. グルーピング
 4. 横串グルーピング
 5. 相関比較
 6. 次元マッピング
 7. ツリー分解

●Business Model フ工ーズ:構想立案
構想立案のフェーズでは、将来の姿を描く。

施策を出すためには、
1. 課題解決アブ口ーチ
 百数十個の施策をしらみつぶしに実現した
2. 理想像アブ口ーチ
3. 普段から考える
4. 施策出しで遊ぶ
が有効

改革のテコになるものは、ECRSの原則が使える

 E そのプロセスをなくせないか(Eliminalte)
 C そのプロセスを他のプロセスと統合できないか(Conbine)
 R プロセスの順序を変更できないか(Rearrage)
 S もっとシンプルに出来ないか(Simplify)

もれなく施策を出しきったかどうかをチェックするには
 施策―課題マッピング
をつかう。

業務改革の王道は
1. 標準化
 事業部のビジネスモデルが違うので、何もかもばらばらな会社
2. 一元管理
 40% の効率化よリもインパクトがある― 元化
3. 業務集約
4. アウトソースノオフショア
5.承認ブ口セスの見直し
4 納期短縮
である。

業務集約やアウトソースを検討するときには、「標準化/集約検討マトリクス」を使用する。(P155参照)

納期短縮のためには、
 1.自動化
 2.平行化
 3.権限移譲
 4.セルフサービス化
のキーワードで考えると良い。

これらで出した施策は施策一覧にまとめ、その効果について評価を行う。
そこで、効果の高い施策を選んでいくのだ。この時に優先順位や実施計画の概要を決められる。
ただし、選定基準を明確にしておかないと、恣意的な判断が入り込んでしまう危険がある。

施策が決まったとしてもそれでは十分ではない。
単なる文言の施策では実施に移せないからだ。もっと具体的に、何をどうする施策なのかを詰めていく必要がある。これを「施策の練上」とよぶ。施策を練り上げるためには、「選択肢をリストアップし、1つを選びとる」というプロセスを無数にこなさなければならない。
発散収束モデルで施策を練り上げる。

改革を実行しようとすれば、必ず抵抗勢力が現れる。抵抗には5段階あり、
 <レベル1> 無言の抵抗
 <レベル2> 正面からの批判
 <レベル3> 屁理屈での抵抗
 <レベル4> 話すら聞いてくれない
 <レベル5> 反対運動を繰り広げる
の段階がある。それぞれによって対策は異なる。

<レベル1> 無言の抵抗
 1対1で施策について話をするようにする。しかめっ面をしていたなど小さな反応を見逃さない。

<レベル2> 正面からの批判
 批判されたことをきちんと受け止める態度が必要。批判はリスト化し、その意見を重要視していることを示すとともに、その対応方法について、きちんと報告に行く。

<レベル3> 屁理屈での抵抗
 人は自分が変わらなければならないと抵抗するものの、他人ごとであれば抵抗は弱くなる。他人ごととして考えてもらうように誘導する。
 これらの人は群れると厄介なので、各個撃破を心がける。
 一度反対意見を述べてしまうと、撤回しにくい。撤回しやすい環境を整えて上げることだ。
 また、効果や負荷を数字で示すことで、感情論から脱出させること。
 説得する側として、高い視点から話を続けるのが重要。

<レベル4> 話すら聞いてくれない
 合う回数を増やす。印象を良くするためには、相手に好きになってもらうことだ。好きになってもらうためには、接触回数を増やすしかない。
 手をつくしても信頼されない時には、すでに信頼を得ている人を交渉役に当てることだ。

<レベル5> 反対運動を繰り広げる
 ここまでこじれたら、説得は通じない。全面対決を覚悟することだ。
 最も効果的なのは、上司・役員を通じて発言力による解決をはかること。トップの意思を明確に示す必要がある。

●Decision フ工ーズ: 投資判断
最後は、
 ・いつ実施するか
 ・リスクはないか
 ・やったら本当に儲かるか
を示す必要がある。

つまり、
 1.マスタースケジュールを描く
 2.リスクを把握し、対応計画を作る
 3.プロジェクトの効果を数値(価値)で示す
ということだ。1つも漏らしてはいけない。

これらを取りまとめたら、投資決済をうけて実施に至る。


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